【CEDEC 2010】最強の囲碁AI求む・・・「超速碁九路盤囲碁AI対決」 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2010】最強の囲碁AI求む・・・「超速碁九路盤囲碁AI対決」

新企画が目白押しの今年のCEDEC。その一つが「CEDEC CHALLENGE」の一環として開催された、自作囲碁プログラムの対決企画です。最終日に開催された「超速碁九路盤囲碁AI対決決勝」では、全13プログラムから勝ち上がった4作品が激突。北陸先端科学技術大学院大学・橋本準

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新企画が目白押しの今年のCEDEC。その一つが「CEDEC CHALLENGE」の一環として開催された、自作囲碁プログラムの対決企画です。最終日に開催された「超速碁九路盤囲碁AI対決決勝」では、全13プログラムから勝ち上がった4作品が激突。北陸先端科学技術大学院大学・橋本準
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新企画が目白押しの今年のCEDEC。その一つが「CEDEC CHALLENGE」の一環として開催された、自作囲碁プログラムの対決企画です。最終日に開催された「超速碁九路盤囲碁AI対決決勝」では、全13プログラムから勝ち上がった4作品が激突。北陸先端科学技術大学院大学・橋本準一さん制作の『nomitan』が優勝に輝きました。

優勝AI『nomitan』を制作した橋本準一さん。


「超速碁九路盤囲碁AI対決」はネットワーク対戦サーバに接続した2台のPCで、囲碁AIを自動対決させるコンピュータ囲碁大会。ゲームAI技術の向上や、幅広い人材発掘、産学連携の推進などを目的に行われました。旗振り役は運営委員長でスクウェア・エニックスの吉岡直人氏と、ゲームAI研究の第一人者で、CEEDC AWARDSプログラミング部門で優秀賞も獲得した、フロム・ソフトウェアの三宅陽一郎氏です。

予選に参加したのは全13プログラム。先手/後手で2回対戦し、総当たり方式で上位4チームが選出されました。対局は9x9マスの「九路盤」を使い、1手1秒の時間制限で実施。会場ではプロ棋士の王唯任四段と万波佳奈四段によって、初心者向け囲碁講座も開催され、多くのゲーム開発者がレッスンを受けていました。筆者もiPhoneアプリなどで予習の上、レッスンに挑戦。コンピュータ相手ではわかりにくい「囲碁らしい打ち方」が無意識のうちに実践でき、非常に驚かされました。

将棋・麻雀と並ぶ三大ボードゲームの囲碁ですが、今ひとつ敷居が高く感じられるのも事実。しかし、ルールは一番シンプルです。基本ルールは「一手ずつ打ち合う」「相手の石を囲めば取れる」「『陣地』の多い方が勝ち」の3つだけ。これに「打ってはいけない場所がある」「同型反復(コウ)の禁止」という補足ルールがあります。わずか5項目のルールが生み出す、無限の展開と奥深さ。『ポン』を創り出したアタリの社名が、囲碁の専門用語「アタリ」に由来しているのも、よく知られたエピソードでしょう。

会場の一角で行われた予選の様子。受講者には『ゼビウス』の遠藤雅信さんの姿も見られた。


決勝戦に進んだのは前述の『nomitan』に加えて▽電気通信大学・池畑望さん制作『hope』▽電気通信大学OBの矢野洋平さん製作『tombo』▽電気通信大学で紅一点・真鍋和子さん制作『kasumi』の4本です。フロム・ソフトウェアの三宅氏が司会、万波さんと王さん解説で対戦が行われました。準決勝では『nomitan』が『hope』を撃破。同じ電通大の先輩・後輩対決となった『tombo』対『kasumi』では、『tombo』が快勝。先輩の貫禄を見せつけました。

そして迎えた決勝戦。予選では一勝一敗だった『nomitan』と『tombo』ですが、先手・後手を決めるじゃんけんで橋本さんが勝利し、勝ちを拾った先手を選択。これが勝因というわけではないでしょうが、結果として序盤で勢いの乗った『nomitan』が終始相手をリードし、『tombo』を圧倒しました。どちらも囲碁AIのトレンドであるモンテカルロ法(1秒間で1万回ほど手を試行して答えを出す考え方)にもとづくアルゴリズムでしたが、『nomitan』は1秒以内という短時間に即したチューニングが行われており、これが勝敗の決め手となったようです。

『hope』を制作した池畑望さん(左)。決勝戦に進んだ『tombo』の矢野洋平さん。紅一点で勝ち進んだ『kasumi』の真鍋和子さん。


もっとも、その後に開催されたエキシビジョンで万波佳奈四段に挑んだ『nomitan』でしたが、あっさり撃破。実力の差を見せつけられていました。解説の王四段も「コンピュータは1秒以内という時間制限のもとでは、全体のバランスよりも、石をとることを優先する傾向にあるようだ」とコメント。万波四段も「個々の局面と盤面全体のバランスをとりながら進めている」と述べていました。ただし、時間制限がなければコンピュータ側の実力も上がるとのこと。今後の動向が楽しみです。

講評で三宅氏は「ふだん自分たちが作っているのはアクションゲームが多く、ステージもでこぼこしていて、リアルタイム性が特徴。一方で囲碁AIはボードゲームで、ステージが格子で整然と区切られていて、非リアルタイム系」と違いを解説。その一方でステージ上をメッシュで区切って有利・不利を判断するなど、囲碁的な部分もあるので、その相似形が興味深かったとコメントしました。自身も碁会所に通っており、9路盤を卒業して正規の碁盤で腕を磨いているそうです。

決勝戦の投了図。黒の『nomitan』が勝利した。万波四段(白)との投了図。このままでは黒は全滅だ。左から王四段・三宅氏・橋本さん・矢野さん・万波四段。


ちなみに、興味深かったのは決勝に進んだ橋本さん、矢野さんが、共に囲碁はあまり強くないと語っていた点です。橋本さんの所属するサークルには囲碁の実力者もいて、打ち筋についてアドバイスを受けているとのこと。矢野さんは他の囲碁プログラムと自動対戦させて、勝率が上がるようにAIを改良している程度だと語りました。これに対して王四段は「囲碁が上手くなると、より強い囲碁AIが作れるようになるのでは」と語り、囲碁の魅力をアピールしていました。

また万波四段は自身と、同じくプロ棋士である妹の万波奈穂二段が声の出演をしている囲碁ソフト『天頂の囲碁2』(毎日コミュニケーションズ)をアピールしました。本ソフトは囲碁ゲーム界で最強といわれており、九路盤に限れば、万波四段も二勝二敗だったとのこと。ちなみに本ソフトは優勝賞品ともなっており、『nomitan』VS『天頂の囲碁2』の対決やいかに・・・などと妄想が沸いてしまいました。手応えのある囲碁ソフトを探している方にはオススメです。
《小野憲史》

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