氾濫するレビュースコア、どう参考にする?・・・「小野憲史のゲーム評評」第17回 | GameBusiness.jp

氾濫するレビュースコア、どう参考にする?・・・「小野憲史のゲーム評評」第17回

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突然ですが、皆さんはゲームを買うとき、レビューやスコアを参考にする方ですか? 僕はゲームを買うのも仕事のうちなので、そこまで深く考えずに買ってしまいますが、デジカメやテレビといった高額商品であれば、非常に気にします。買う前は一生懸命、ウェブのユーザーレビューやブログなどを読んで比較検討することも。ネットの発達で一人のプロより、多数の素人の意見の方が参考になる、そう考えた時期もありました。

でも、情報を集めすぎても混乱してしまうんですよね。特に自分がよく知らない、価値判断ができないジャンルほどそうです。そこで次第に、そうした分野ではユーザー評価は参考程度にして、自分の感覚に合った、プロのレビュアーの意見を尊重するようになりました。商品を前に逡巡している自分がいて、誰かに背中を押してもらいたい。その誰かは、顔が見える方が良い。その方がスッキリ、ハッキリする、といった感じでしょうか。

別にプロのレビュアーじゃなくてもいい。自分の周りにものすごくゲームに詳しい人がいて、嗜好が似ているなら、その人の意見を指針にすればいい。そして、みんなの評価と、自分だけのレビュアーの2本立てで商品を選ぶようにすると、正解率が上がる気がします。特にゲームのような嗜好品は、人によって好みが千差万別なので、誰もが納得する客観的な価値基準はあり得ない。あるとしたら、それは売り上げだけでしょうからね。

そんな中で僕がぜひ読みたいと思うのが、ゲーム開発者による実名のレビュー記事。ゲーム作りのプロの視点から読み解いたレビューは、ユーザーとはまた違った、ユニークな内容になるに違いありません。そうした器を作るのも、またメディアの仕事でしょう。別にウェブや紙媒体といった形にこだわる必要はなくて、たとえば近年ではGDCやCEDECが、その役割の一端を担いつつあるような気がします。

もっとも同業者に対する批評は、天につばを吐くようなものと感じる人がいるかもしれませんね。偉そうなことを言って、じゃあ自分の作っているゲームはどうなんだ、と。でも僕はゲーム業界の人が、ゲームの魅力について率直に語り合える風潮が、もっと一般的になればいいなと思います。それは業界内の風通しを良くする効果もあると思いますし、ユーザーに対して、より多くの価値基準を提供することにも繋がると思うのです。
《小野憲史》

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