1年ほど前からアニメ業界で話題になっている動画共有サイトに、クランチロールがあります。3月28日までお台場・東京ビッグサイトで開催された東京アニメフェアでCEOのクン・ガオ氏に取材してきました。本サイトは日本製アニメを中心に、さまざまな映像やゲームコンテンツを世界に配信しており、06年にサンフランシスコでスタートしました。最大の特徴はコンテンツホルダーから正規の許諾を得て、テレビアニメの同日配信を行っている点で、「NARUTO−ナルト−疾風伝」では日本での放映後、1時間後に英語の字幕付きで海外向けに配信されます。今年3月にはテレビ東京から75万ドルの投資を受け、日本との結びつきをさらに強めました。その上でクランチロールがユニークなのが、Facebook上でソーシャルアプリ「NARUTO SHIPPUDEN THE OFFICIAL WEB APP」を展開している点です。プレイヤーは修行中のNINJAとなり、仲間と共にミッションをこなしながら、ランキング上位をめざします。ソーシャルゲームに詳しい人なら、「マフィアウォーズ」(Zynga)のイメージといえば、わかりやすいでしょうか。サイト宣伝用という位置づけで、無料で楽しめます。しかも、本ゲームではアイテムの入手方法がふるっていて、なんとクランチロールで配信されている「ナルト」の各エピソードをアプリ経由で視聴することなのです。たくさん視聴すれば数多くのアイテムが手に入り、ミッションを進めるのが容易になる仕組み。一方でクランチロール側はアクセス数が上がって、広告収益につながります。半年前にスタートして、会員数は約150万人。今後は他の番組にも広げていきたいとのことです。ちなみにクランチロールは社員が約20名で、アプリもCEO自らがコードを書いたとのこと。日本では視聴できないのが玉に瑕ですが、放送と通信に加えて、ゲームまで融合させており、発想の柔軟さと動きの早さには驚かされます。ゲーム業界では、コンソールゲームとソーシャルゲームに文化の壁を感じる向きもありますが、この例と同じく何かおもしろい連携が、あり得るのではないでしょうか。
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