ゲーム開発者によるレビューという勇気ある挑戦・・・「小野憲史のゲーム評評」第18回 | GameBusiness.jp

ゲーム開発者によるレビューという勇気ある挑戦・・・「小野憲史のゲーム評評」第18回

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前回「ゲーム開発者によるゲームレビューが読みたい」と書いたところ、さっそくゲームリパブリック企画推進部の簗瀬洋平さんが、社員ブログで『スプリンターセル コンヴィクション』のレビューを発表されました。

特殊部隊の隊員サム・フィッシャーが活躍するステルスアクションで、本作ではワンボタンで敵を倒せる「マーク&アクション」が加わっています。三人称視点アクションゲームの根幹を揺るがしかねない新システムの理由について、個人的な推察と断られながらも、わかりやすく解説されています。僕も実際に遊んだことはなかったので、さっそくAmazonで注文しました。

こうしたゲームデザインの勘所は、ある程度時間を費やして、ゲームを遊びこんでこそ理解できるものです。それを第一線のゲーム開発者が自ら解説してくれるというのは、非常にありがたい話です。

これを読んで僕は同社代表の岡本吉起さんによる、GDC2008の講演を思い出しました。終了後に講演受託の理由を尋ねると「昔はアーケードゲームが主流で、100円で遊べて、短時間でクリアできた。だから数多くのゲームが遊べて、無意識のうちにおもしろさのツボが理解できた。しかし今ではゲームが大作化し、価格も上がったので、なかなか難しい。若い子の手を引いてあげるのも、年長者の務め」と答えられたのです。

このゲームは、なぜおもしろいのか。そのメカニズムを研究しながら遊ぶことは、開発者にとって非常に重要です。一方でゲームばかり遊んでいても、おもしろいゲームは作れません。ゲームをたくさん遊んで、ゲーム以外でもたくさん遊ぶ・・・。しかし、1日は24時間と限られています。その手助けとして、こうしたレビューは重要でしょう。特にアマチュアのうちは、ただ漫然とゲームを遊んでしまいがちです。分析的な遊び方って、なかなか難しいですからね。

これまでゲーム会社では、こうした内容は雑談や飲み会などで、上から下に自然に共有されてきました。しかし開発現場の世代交代に加えて、海外との協業が進む昨今では、それらを文書にして共有することが求められそうです。ゲーム開発者の基礎教養としてのレビュー集というのも、あり得るのではないか。そんな可能性を感じさせる取り組みでした。梁瀬さんも継続的にレビューを書かれる予定とのことで、今後に期待です。
《小野憲史》

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