
ゲームのリバースエンジニアリングとコードの整理といった「デコンパイル」に関する情報交換を行う場として活動していたコミュニティdecomp.devの活動を終了すると同サイトの発起人である@encounter氏が発表しました。
“合法”な範囲でのデコンパイル向けコミュニティも悪用事例排斥できず
ゲームの仕組みを理解し、オリジナル作品に敬意を払いながら研究を行う場として、デコンパイル情報の共有を目的に2024年より活動を行ってきた同コミュニティ。しかし、今回の発表によると最近のAI技術の飛躍的な発展に伴い、オープンソースを基本とするコミュニティ活動が悪用される事例を排斥できないことを理由に段階的なサービスの終了を予定しているとのことです。
発表内では、かつてはAIを利用したデコンパイルそのものが明らかな問題や不正行為を内包したものであることが多く、その修正も含めると結果的にタスクあたりのコストは通常を大きく上回る物だったと評価していた一方で、最近のAIモデルはその状況を一変するだけの問題処理能力があると判断していることを表明。それ自体はデコンパイルを大幅に加速できるとしてその有用性を認めつつも、貢献を促し、コミュニティ全体に利益をもたらすことを目的として活動をしてきた同コミュニティの理念に反する利用例が既に目立っているといいます。
進行中のプロジェクトの過程を飛ばして勝手に完成
その代表例として進行中のプロジェクトの“派生”としてAIを使った完成版のプロジェクトが発表される場合や、デコンパイルの結果を利用したいわゆる“勝手移植”が横行していることを指摘。元のデコンパイルプロジェクトに一切の貢献が無いのはもちろん、出力される成果物の品質検証も担保されていない場合が多く、コミュニティの基盤を揺るがす行為だと断じています。
また、本コミュニティにおけるデコンパイルは主に研究目的であると位置づけてきたとし、その確立に努めてきたことも明示。オリジナル作品への敬愛の下、その仕組みを理解することに重きを置いていたと自身の考えを語りながら、Reddit等を含む最近のデコンパイルコミュニティにおいてはデコンパイルという言葉そのものが「PC移植」を意味して使用されている状況を憂慮しているとの意見も示しました。
サイトの複製は認めないと釘刺し。AI自体は問題ではないとの立場も表明

これらの意見を統合し、decomp.devがその悪い側面を助長する点でより目立つようになったとの考えから今回の決定に至ったとのこと。インデックスと新規プロジェクトの追加は既に無効となった一方、既存のプロジェクトのトラックと個々のプロジェクトページおよび履歴データの提供は継続されるとのことです。
なお、decomp.devそのものがオープンソースとなったことは無くその権利は@encounter氏が留保していることも明確にし、いかなる複製も認めないとの立場も表明。また、AIを活用したプロジェクトを禁止すればいいとの意見については「AI自体が問題なのではなく、正しく使えば非常に役立つ」と意見しつつその善悪の定義と管理が非常に困難であると語りました。
今回のように既存コミュニティからも悪用への懸念が絶えない一方、Mod作成ツールとして期待される側面もあるなどAIの発展に議論が追い付いていない様相のゲーム業界。技術や法の整備が期待されるのはもちろん、利用者の倫理観が強く試されている時代と言えそうです。












