IFA 2026に合わせ、NVIDIAは家庭内の複数PCにAI推論を自動配分するオープンソースソフトウェア『NVIDIA PAIR(Personal AI Router)』のベータ版の提供について発表しました。
米国世帯の半数以上が2台以上のPCを所有している一方、その処理能力の多くは終日使われていないとされています。PAIRは、そうしたアイドル状態のPCをローカルAI用に連携させる無料のツールで、複数の処理を並行して進めるAIエージェントを使う際、1台のGPUに処理が集中するのを防ぎます。
アイドル状態のPCをAI推論に活用

PAIRは、ローカルネットワーク上の互換性のあるPCを自動検出し、AIの処理を余力のあるPCへ振り分けます。対応する推論エンジンはOllamaとLM Studioで、デバイスがネットワークに参加・離脱しても適応します。
対応ハードウェアは、GeForce RTX 20シリーズ以降のGPU、RTX PROワークステーションGPU(Turingアーキテクチャ以降)、DGX Spark、Apple M4以降を搭載したMac。Windows、macOS、Linuxの混在環境で動作します。デモでは、Hermes Agent上で5つのサブエージェントを3台のPCに分散させ、単一ノード比で約2倍の高速化を示しました。
RTX Spark搭載PCは10月に登場
PAIRの発表と並んで注目されるのが、NVIDIA RTX Spark搭載Windows PCの登場です。10月に発売されるRTX Sparkは、1ペタフロップスのRTX Blackwell GPU、最大128GBの統合メモリ、20コアのGrace CPUを搭載。IFA 2026では、LenovoがYoga Pro 9nとYoga 9n 2-in-1を、Acerが小型デスクトップのコンセプトを発表しました。
ゲームパブリッシャーの対応も広がっています。GamescomではElectronic Arts、Embark、Ubisoftが、COMPUTEXではKRAFTON、NetEase、Riot Games、XBOXがRTX Spark向けにタイトルを提供すると発表済みです。
推論の高速化も進行
NVIDIAは、オープンソースの推論エンジンであるllama.cppおよびvLLMコミュニティとの協業も進めています。
llama.cppはGeForce RTX 5090向けのカーネル最適化などにより最大1.9倍の一定時間あたりの処理性能(スループット)向上を実現。vLLMはRTX PRO 6000 Blackwell Workstation Editionで1.2倍、DGX Sparkクラスターで最大1.4倍の向上です。
『NVIDIA PAIR』ベータ版は、Windows/macOS/Linux向けに無料で公開中です。詳細はNVIDIAの公式ブログおよびNVIDIA PAIRの公式ページで確認できます。






