NVIDIAのAIを使った新技術「DLSS 5」が『NBA 2K27』で初登場しました。AIを用いており様々な議論を巻き起こした同技術ですが、今回はその有無でどれほどグラフィックに変化があるのか、そしてPCパフォーマンスへの影響を見てみましょう。
◆AIを使ったグラフィックの新境地
「3D-Guided Neural Rendering」と銘打たれた新技術「DLSS 5」は、ゲームのリアルタイムレンダリングにおける長年の課題であった「フォトリアリズム(実写のような質感)」をAIを活用することで実現しようというアプローチです。
最大の特徴は、テキストプロンプトではなく、レンダリング済みのフレームそのものを入力条件として受け取る点。レンダリングフレームには、キャラクターの肌の色や位置といった情報がピクセル単位で含まれており、DLSS 5はこれをもとに、アーティストが意図した画づくりを尊重しながら、よりフォトリアルな映像を生成するため、出力されるグラフィックや動きに一貫性があるとされています。
◆「DLSS 5」で『NBA 2K27』はどう変わるのか?
そんなNVIDIAの新技術「DLSS 5」が初めて使用されたゲームタイトル『NBA 2K27』は、リアルなバスケットボールが体験できる人気シリーズの最新作。
首やジャージの襟に沿ったより正確なコンタクトシャドウや、髪のディテール向上によるリアリズムが強化されたりと一目で分かる違いが生まれています。






肌ひとつをとっても、「DLSS 5」オンはぐっと情報量が増え、一見でのCG感が大きく減っているのがわかります。
人間の肌ならではのなんともいえない小さな凹凸や質感の違い、生活の中で蓄積された肌のダメージやシミが見えることで現実の人間のような印象を受ける仕上がりになっています。


髪の毛も「DLSS 5」をオンにすることで、髪と髪のあいだのシャドウや短く刈り上げられた後頭部の中にも微妙な長さの差異や毛束感のようなものが見えるようになり、現実感を一層高めています。


そして最後は横顔。まず目に入るのが耳ですが、「DLSS 5」オフでも十分にリアルな耳に見えますが「DLSS 5」オンと見比べてみるとこちらはさらにリアルです。
血が流れてるのを感じるような赤みや、耳の中の陰影がはっきりすることでより写実的に見えます。


そして、なんといってもそれらがAIでまったくの別人になったりするのではなく、同一性が保たれつつもしっかりと「クオリティアップしている」のがわかります。
しかし、それは今回が実写的なクオリティアップと比較的相性の良い作品というのもあるので、もう少しファンタジー要素の多いタイトルの場合は(あるいは学習に用いられるデータセットが変わることで)どうなるのかといったところ。


人間以外にも、違いが顕著だったのが植物です。陰影が少なくどこか造花のような印象を受ける「DLSS 5」オフに比べ「「DLSS 5」オンは、葉1枚1枚の陰が表現されることで1枚1枚の陰影がしっかりとした輪郭になっているのがわかります。


こちらの銀色のマネキンも違いを感じるオブジェクトです。「DLSS 5」オフは、ややうっすらとガウスぼかしが掛かったようなぼやけた表現になっていますが、「DLSS 5」オンは素材の質感がわかるような映り込みに陰影がつきリアルな表現になっています。


一方で、バスケットコートでは「DLSS 5」ありにすると確かに若干の陰影やライティングの差異は感じられますが人の肌ほどの違いは感じられません。
■動きに違いはでるか?


「DLSS 5」を使用する上で心配されていた動きの一貫性に関しては軽くプレイしてみたところ異変は感じられず。しっかりと、元の動作を維持したままフレームやグラフィックを補完している模様です。
◆「DLSS 5」使用のハードルとPCパフォーマンス
今後のゲーム業界に多大な影響を与えそうな新技術「DLSS 5」ですが、ここで気になるのが要求スペックです。今回は下記の性能、設定で検証。
■PCスペック
プロセッサ Intel(R) Core(TM) i7-14700F (2.10 GHz)
実装 RAM 64.0 GB (63.8 GB 使用可能)
グラフィックス カード NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti (16 GB)
■ゲーム設定


「DLSS 5」は基本的にGeForce5000番台を前提としているようなのでスペックとしては合格点ですが最高ではないといった感じの性能です。
■「DLSS 5」オフの動作状況


FPSは240前後をキープ。CPU使用率が40%前後とやや高いながらもGPU使用率も55%前後とかなり安定した動作。
いたって快適なプレイ環境といった感じです。
■「DLSS 5」オンの動作状況


FPSは平均110前後で動作しますが、DLSSによるフレーム補完によって230前後をキープ。
CPU使用率は30%と安定していますが、GPU使用率がまさかの95%に上昇。一時は99%になることも。
オンにして数分でグラフィックボードの温度が上昇したのかファンが大きな音をたてて回り始めるなど、明らかにPCへの負荷を感じる結果に。
今回はNVIDIAの推奨する設定で検証しましたが、PCへのダメージを考慮する場合はもう少し設定を下げたほうがいいかもしれません。
■今後のパフォーマンス改善について
「DLSS 5」の高負荷については、NVIDIAも「これまでで最も演算負荷の高いモデル」と認めた上で、3月の初発表時にはRTX 5090の2枚刺し構成でデモしていたものをわずか6ヶ月の間に5倍にまで高速化するなど目まぐるしい速度で最適化が進んでいます。
今後もGeForce RTX 50シリーズのパフォーマンス最適化に注力しており、2026年秋後半にはモデルの更新を予定。RTX 50シリーズのパフォーマンス調整がさらに進んだ後、GeForce RTX 40シリーズへの公式サポートの拡大に取り組む予定のため、今後のパフォーマンス改善に期待して待ちましょう。
プレイ方法
『NBA 2K27』でDLSS 5を体験するには、日本時間9月4日午後1時にリリースされた最新GeForce Game Ready Driverを、NVIDIAウェブサイトまたはNVIDIAアプリからダウンロード・インストールする必要があります。ゲーム内では「ビデオ設定」から「DLSS Neural Rendering」をオンに設定し、DLSS Super Resolution、Frame Generation、NVIDIA Reflexなどの他のDLSSオプションを好みに応じて設定できます。キーボードのF9キーでゲームプレイ中やリプレイ中にDLSS Neural Renderingの切り替えも可能です。
DLSS 5は、記事執筆時点では、GeForce RTX 50シリーズPC・ノートPC、およびGeForce NOW Ultimateメンバー(NVIDIA運営のGeForce RTX 5080搭載ゲーミングリグからストリーミング)向けに提供されます。
今後数週間から数か月以内に、より多くのタイトルでDLSS 5が統合される予定です。








