実は「若者ほど著作権意識が高い」んですよ!―カプコンとコンピュータソフトウェア著作権協会のイベントで「ゲームの音作り」と「著作権」を学んできた | GameBusiness.jp

実は「若者ほど著作権意識が高い」んですよ!―カプコンとコンピュータソフトウェア著作権協会のイベントで「ゲームの音作り」と「著作権」を学んできた

カプコン本社で開催されたゲーム開発の裏側を知りながら著作権について学べる学生向けイベントに潜入!

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実は「若者ほど著作権意識が高い」んですよ!―カプコンとコンピュータソフトウェア著作権協会のイベントで「ゲームの音作り」と「著作権」を学んできた
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世間はすっかり夏休み。筆者にとっては宿題も自由研究もはるか昔の思い出ですが、学生にとっては遊びの季節でもあり、学びの季節。

今回は、そんな夏休みを迎えた中高生を対象に「サウンド制作」と「著作権」を楽しみながら学べるイベントとして、カプコン大阪本社で実施された「カプコンのスタジオで学ぼう『ゲームサウンド制作体験と著作権2026』」に潜入してきました。

普段入ることのできないカプコンのゲーム制作スタジオ見学や、イベントのためだけに準備された講演を体験し、ゲームを通じた“学び”が得られたイベントの模様をレポートします。

カプコン本社の「フォーリーステージ」に潜入!

本イベントは、一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)主催、カプコン協力のもと、今年で3年連続の開催です。2026年は筆者も参加すべく、早速大阪にあるカプコン本社ビルへとやってきました。

入り口では、『プラグマタ』の全世界販売200万本突破をお祝い中でした

イベントは2部構成となっており、前半はカプコンの開発ビルを訪れての「ゲーム大会」と「サウンドづくり体験」を実施。そして後半では、それまでの体験を踏まえての著作権に関する講演が行われる流れでした。

最初に行われたゲーム大会では『ストリートファイター6(以下、スト6)』を使用し、その場で参加者同士による即席トーナメントを実施。

楽しく遊びつつも、コラボキャラクターを例に「クロスライセンス」にも触れるなど、さまざまな著作物が集まっているゲームの紹介としても一役買っているというわけですね。

2日間で各日2回ずつ開催され、それぞれ16名の学生が参加していました

筆者が見学した班ではプレイ経験者は1人だけでしたが、『スト6』にはボタンを押すだけでAIが状況を判断しコンボや技を選択してくれる「ダイナミック」操作が搭載されているので、ハンディキャップは不要。最終的にはダイナミック操作の「キンバリー」が大暴れとなり、未経験プレイヤーが見事優勝を果たしていました。

しっかり対戦前には挨拶をする、eスポーツマンシップも見られた大会の優勝者には、なんと本イベントのポスターをクリエイターのサイン入りでプレゼント。普通に羨ましい……!

なかなかの大接戦も

続いては開発ビルからまた別の開発ビルへと移動し、ゲームの効果音作りを行っているスタジオ「フォーリーステージ」へ。

ここでは実際に『モンスターハンターストーリーズ3 ~運命の双竜~』における「エレーヌ」の料理シーンに合わせて、さまざまなアイテムで音を鳴らしていく「フォーリー制作」を体験します。

△こちらのシーンにおける、ほぼ全ての効果音を参加者で分担して制作

「床を叩いて包丁の音を演出」「水を壺に流し入れて液体の音を作る」あたりは、なんとなくイメージできるでしょう。しかし、映像と合わせて聞くと見事に炒め物の音になるのですが、細切りになったペーパーをワシャワシャと掻きまわして炒め物の音を作っている光景だけを見ると、不思議そのもの。

水を入れた氷枕で鍋の「グツグツ音」を表現しているシーン

最後にサウンドチームによる調整を加え、自分たちの手で作り上げた効果音が組み込まれた映像が流れると、参加者からは自然と拍手が巻き起こりました。

続く質疑応答の時間ではさまざまなアイテムが紹介され、刀の効果音を録るための特殊な「音響効果刀」の実演など、スタジオならではの貴重な経験が詰まった時間を楽しませていただきました。

時間があれば、置いてあるアイテムすべてを何に使うのか聞いてみたかった

体験から学ぶ「著作権」の役割

そして最後は、ACCSによる著作権に関する講義へ。著作権の範囲や役割などが解説され、ここまでゲーム大会やサウンド制作体験で触れてきたカプコンの著作物も題材に、誰が聞いても分かりやすい説明が行われました。

一口に著作権といっても、複製権や翻案権など、さまざまなものがあります。本講義では、これらが具体的にはどのような内容で、普段ゲームに触れる際はどのように関係し、著作権を侵害しないためにはどうすればいいかなど、今すぐ実行しやすい内容が語られます。

特に、本イベントのためにカプコンと協力して制作されたオリジナル冊子「ゲームユーザーのための著作権入門」では、「インターネットで画像を保存した場合は著作権侵害になる?」「文化祭でゲームの曲を演奏しても良い?」と、身近なケースを例に取った親しみやすい内容に。

表紙イラストは、このイベントのためのメインデザイナーによる描き下ろし。スタッフTシャツにも使用されていました

参加者の学生さんは著作権に関して「学校で少し習った」と基礎知識のみを備えている方が多く、「複製した場合はどこから問題になるのか」「なぜ許諾が必要になるのか」と、少し踏み込んだ内容にも頷きながら聞き入っている姿が印象的でした。

講習の後半では、カプコンが実際にリリースしている「動画ガイドライン」「二次創作ガイドライン」について、知的財産部の担当者が解説。夏休みなどの機会を利用しながら「しっかりとルールを守って創作活動を楽しんでほしい」と、権利者を保護するだけでなく、ルールの範囲内での文化の発展に寄与するという、著作権の本質にも触れられる機会となりました。

「カプコン二次創作ガイドライン」(https://www.capcom-games.com/ja-jp/fan-content-guidelines/)より引用

そんな楽しいひと時を過ごした参加者の皆さん。その中から『大神』や『ゴーストトリック』が好きというカプコン愛溢れる中学1年生の方に代表してお話を聞いてみると、「自分の学校では著作物を借りて発表をすることも多いので、今日知ったことを活用していきたい」と、素晴らしいコメントが飛び出しました。

ゲームの対戦や体験で楽しみつつ、誰もが当事者となる著作権について学びが得られるイベントで、これに無料で参加(応募者多数の場合は抽選)できるとあっては、「最近の学生さんが羨ましい」と思わされてしまいます。

カプコンは“ルールを守った”創作を心から応援しています!

イベント終了後、講習にも登壇した、カプコン知的財産部、商標著作権室・室長の保田祐子さんに、イベントの背景や著作権講演の感想について聞きました。

――このイベントは今回で3年目になるとのことですが、改めてカプコンさんがACCSさんと協力して本取り組みを続けている背景や狙いについて教えていただけますか?

保田さん:我々としてはゲームコンテンツの制作体験を通じて、次世代を担う中高生の方々に「創作に対する敬意・意欲」を育んでもらい、同時に著作権に関する理解も高めてもらいたいと思い、ACCSさんと相談して取り組みを続けています。

特に企画の内容については、学生の皆さんに興味を持ってもらえるよう色々と試行錯誤があり、著作権に関するクイズ形式なども採り入れてきました。今回はサウンド制作体験という“ゲーム会社ならでは”の内容を楽しんでいただけたのではないでしょうか。

――参加された皆さんを見ていても、すごく盛り上がっていましたし、少し羨ましかったです。

保田さん:私も社内の人間ですが、フォーリー制作を体験できる機会はありませんので、アテンドをしながら「楽しそうだな」と羨ましく思っていました(笑)。

ランドセルで「ハンターの装備の音」を実演しているシーン

――短い時間でも楽しめる体験だったと思います。この企画については、どちらからのアイデアだったのでしょうか。

保田さん:体験の内容はサウンドチームの方で企画されたものです。社外に発信する内容ですので、プロデューサーなど社内での承認を取る手続きは私たちが行いましたが、クリエイターの目線で楽しい企画を作ってもらえて、良かったです。

――カプコンという会社として、中高生という若い世代に向けての発信についてはやはり重要だと考えているのでしょうか。

保田さん:はい。これは他部署の取り組みにはなりますが、教育支援活動として、ゲームができるまでにどのような人々が携わっているかを解説するキャリア授業など、他所へお伺いする「出前授業」も行っています。

――ACCSさんの担当者さんとのお話でも、「実は若い世代ほど著作権への意識が高い」とのコメントをいただいたのですが、確かに講習の反応を見ていても、自分が学生の頃に比べて意識も知識もしっかりしているような印象でした。

保田さん:私自身も、学生の頃はそうでした。著作権意識は高くなかったですし、それでも特に困ることがなかったのは、まだ「自分でプレイするだけ」の世代だったからですよね。

ただ、今はSNSを通じて簡単に発信できるようになっているので、若い世代にとっては「知らないうちに著作権侵害をしてしまう」リスクが身近にあります。

ですので、学校でも情報教育で著作権にも触れているそうなのですが、実は「先生が思う著作権の要点」と、我々「ゲーム会社が思う守ってほしいポイント」は少し異なることがあるんです。

講習でガイドラインについて解説する保田さん

――「情報の授業で習った」との声もありましたが、改めてゲーム会社として発信する意義があるのですね。

保田さん:皆さんにはぜひ創作活動に励んでいただきたいとの想いがあり、その中で守ってほしいルールを説明させていただいた、というのが今回の講習でのメッセージと言えます。

――私にとっても、改めて勉強になるイベントでした。本日はありがとうございました!


ゲーマーなら知ってみたいゲーム開発の裏側と、知っておきたい著作権について、楽しく学べたイベントは2時間ほどで終了。筆者もライターという発信側の立場として、改めて著作権に対する意識や学習の機会をしっかり持たねばと、身が引き締まる思いでした。

オンライン上でもACCSの「著作権Q&A」ページなど、さまざまなルートで学ぶことが可能ですので、ゲーマーの皆さんはご自身で、あるいはお子様と一緒に、一度チェックしてみてください。


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《ハル飯田@Game*Spark》

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