数々のユーザー制作コンテンツによって世界中のプレイヤーたちを熱狂の渦に巻き込んでいるゲーミングプラットフォーム「Roblox」。その名前こそ耳にしてはいたものの、これまで同プラットフォームに一切触れてきていませんでした。今回は話題の買い切り型3Dプラットフォームアドベンチャー『Egg Hunt 2026: The Grand Eggspress』をご紹介します。
『Egg Hunt 2018: The Great Yolktales』の精神的続編と銘打たれた本作。ユーザーが自由な発想で体験やゲームを形作るRobloxにおいて、本作は単なる一コンテンツの枠を超えて有料買い切り作品として2026年7月29日にリリースされました。
プラットフォーム特有の手軽なマルチプレイ文化やコミュニティの熱量を背景に持ちつつも、インディーゲーマー目線で見たときに純粋な1本の3Dアクションゲームとしてどれほどのクオリティを秘めているのでしょうか。

カートゥーン調のNPCが彩る広大な世界!
不思議な力を持つ「センチュリーエッグ」が割れてしまった未来を救うため、笛がモチーフの相棒「ピップ」と共に、イバラで覆われたキノコの世界や吹雪が吹き荒れる氷河の世界などの6つのチャプターに分かれたワールドを駆け巡ります。各ワールドには独自の環境メカニズムやプラットフォームアクション、NPCが用意されています。
本作は、トップコンテンツ(UGC)クリエイターによって独自に作成された100個以上のユニークなテーマの卵を集めるチャプターベースのストーリー主導型ゲーム。ダッシュ、回避、ローリングなどのアクションを駆使し、キャラクターたちとの出会いや人間関係を楽しみながら冒険を進めるのが特徴です。



物語は、最初のエリアである広場を探索していると研究者である「サルフラス(ローン・スターゲイザー)」と出会うところから始まります。突如空から降ってきた隕石の落下地点に向かうと壊れてしまったセンチュリーエッグのかけらとともに、センチュリーエッグの守り手と名乗る「ピップ」と出会います。ピップと一緒にしばらく探索を進めると、廃駅で動かなくなった列車「グランド・エッグスプレス」を発見。かけらの力によって再び動き出すことで、壮大な「卵集め」の旅が始まるのです。




主人公に同行してくれる相棒の車掌「ピップ」をはじめ、プレイヤーの集めた卵を奪おうとする泥棒団「ブレア&ピアース」など、物語を盛り上げる顔ぶれがとにかく賑やかで魅力的です。全体的にカートゥーン調で統一され、年代問わずRoblox初心者でも親しみやすいデザインとなっています。





特筆すべきはその圧倒的なスケール感と密度であり、列車の中をひとつとっても細かく装飾が施されていて探索心をくすぐるワクワク感があります。ただ目的もなくのんびりと歩き回っているだけでも、いたるところでユニークなキャラクターや趣向を凝らした建物と遭遇するため、世界の隅々まで見て回る楽しさがあります。




各ワールドのストーリーを進めるとピップの変身能力が段階的に解放され、特殊なアクションを取得することができます。これにより以前の探索では行けなかったエリアを開拓できるという、往年の3Dアクションゲームを強く彷彿とさせる王道の探索システムが実に手堅く組み込まれています。




本作にはメインストーリーを進行するためのクエストだけでなく、世界をより深く楽しむためのサイドクエストやアクションの腕試しができるチャレンジステージなどが豊富に用意されています。
ただ、ゲームの軸となる体験はどうしても探索やお使いと手軽なミニゲームなどがメインとなってくるため、この圧倒的な密度とオープンな作りの世界を「隅々まで冒険できるやりがいのある大冒険」と捉えるか、あるいは「少し単調な作業の繰り返し」と捉えるかについては、プレイスタイルやアクションゲームに対する好みによって個人差が生じるように感じられました。



ひとりでじっくりとシングルプレイをこなしていくのも充分楽しいですが、やはり「友達と一緒にワイワイと大勢で卵を集める」というマルチプレイの環境でその真価が発揮されるでしょう。一人で黙々と画面に向き合うのもいいですが、仲の良いフレンドとボイスチャットを繋ぎながら賑やかに攻略していくスタイルこそが本来の魅力を最大限に引き出す最強のカギと言えそうです。
気になる操作性とローカライズのクオリティは?
実際にゲームパッドのコントローラーをしっかりと握りしめ、キャラクターを意のままに操作していく中で、全体的な手触りとしては非常に軽快で遊びやすい仕上がりになっていると感じました。しかし、その一方でいくつかの細かいクセを感じる場面も少なくありませんでした。
特に移動面においては非常に顕著で、通常のダッシュ移動を行うよりも、「ローリングダッシュ」を連続でリズミカルに繰り出すのがゲーム内において一番速い移動手段となっています。そのため、タイムアタック形式のミニゲーム攻略や効率的なマップ探索を行おうと考えたりすると、自然とローリングをメインとした移動プレイスタイルは避けられないでしょう。
スピーディーにマップを駆け抜けられるという大きな利点がある反面、細かな足場の調整やシビアな位置取りを行う際には慣れるまでにそれなりの時間とコツが必要になるかもしれません。




また、英語圏を中心に世界規模で開発されている本作は、Robloxが提供する翻訳サービスを活用したローカライズが行われています。全体的な印象としては、日本語化に向けて開発チームがしっかりと努力を重ねてきたことが十分に伺え、ゲームの随所に「卵(Egg)」というモチーフにかけたクスリと笑えるユーモラスなセリフ回しが散りばめられている点が印象的です。



しかし、キャラクターごとの口調に微妙なズレや違和感があったり、翻訳ができていない箇所がところどころに散見されたりなど、どうしても中途半端さを拭えない部分は残されていました。とはいえ、作中で使用されている英語表現自体がそこまで難解で複雑なものというわけではないため、世界観の理解を致命的に損なうほどのゲーム進行に関わるほど深刻なものではなく、インディーゲームのローカライズとしては許容範囲内と言えるでしょう。
Robloxのイメージを塗り替える一歩に
『Egg Hunt 2026: The Grand Eggspress』は、これまでのRobloxというプラットフォームに対して持っていたイメージや先入観を、良い意味で鮮やかに覆してくれる、非常に手堅く作り込まれた本格的な3Dプラットフォームアドベンチャーでした。
カートゥーン調の温かみのあるタッチで描かれる魅力的なNPCたちとの一期一会の出会いや、隅々まで探索しがいのある広大でボリューム満点のワールド、そしてトップUGCクリエイターたちが持てる技術の粋を尽くして手がけた100個以上のユニークな卵を探し出す旅は、純粋なアクションゲームのファンであれば思わず夢中になってしまうほどの確かなポテンシャルを秘めています。
これまでRobloxというプラットフォームに一切触れてこなかったゲーマーや、かつての思い出深い名作アクションの雰囲気を味わいたいという人こそ、ぜひ気の置けないフレンドを誘って「グランド・エッグプレス」での大冒険に飛び出してみてはいかがでしょうか。
『Egg Hunt 2026: The Grand Eggspress』はRobloxにて発売中。Xbox、PlayStation、iOS、Android、PC(Windows/Mac)およびRobloxがサポートするその他のプラットフォーム向けに現在展開中です。









