トーセは7月9日、2026年8月期第3四半期累計(2025年9月~2026年5月)の連結決算を発表しました。売上高は前年同期比0.8%減の48億2,200万円とほぼ横ばいだった一方、営業利益は同44.8%減の2億8,000万円、経常利益は同35.9%減の3億2,200万円となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比61.0%増の2億円でした。前年同期には長岡京新オフィスビルの建設に関連した既存ビルの減損損失やテナントの移転補償金が発生していたのに対し、当期は特別損失がなかったことが寄与しました。
減益の要因:海外プロジェクト停止とレベニューシェア減
家庭用ゲーム機・PC関連では、前期に開始した海外の大手ゲーム会社との開発プロジェクトが、先方の方針変更により2026年2月末に一時停止(再開時期未定)となりました。当該プロジェクトに従事していた開発スタッフの一部に3月以降稼働の空きが発生しています。
これに加え、第1四半期を中心にゲーム事業のレベニューシェア(開発したタイトルの販売に応じて分配される成功報酬で、原価を伴わない収益)が前年同期に比べ減少したことが、利益を圧迫しました。
一方、その他の複数の主要なプロジェクトは重要な終盤工程に入っており、計画通り順調に進行しています。第2四半期までの活発な開発進行による売上の積み上がりが貢献し、家庭用ゲーム機・PC関連の累計売上高は前年同期比9.6%増の36億9,200万円と、前年同期を上回る水準を維持しました。
セグメント別:ゲーム事業は増収も減益、その他事業は仕込み優先
ゲーム事業の売上高は前年同期比4.2%増の45億3,800万円でしたが、セグメント営業利益は稼働低下とレベニューシェア減少により前年同期比41.9%減の2億6,300万円となりました。
スマートフォン関連は、新規開発を家庭用ゲーム機向けに優先しており、スマートフォン向け新規ゲームの開発はありません。長年運営に携わったスマートフォンゲーム1件が2026年4月にサービス終了したこともあり、売上高は前年同期比14.1%減の8億4,200万円にとどまりました。
その他事業は、教育関連分野やエンタテインメント領域で新規事業の創出に向けた市場調査やビジネス企画に軸足を置いています。前年同期に貢献した教育関連コンテンツ開発やスポーツ関連の試作プロジェクトが前期中に終了した反動もあり、売上高は前年同期比44.1%減の2億8,300万円、セグメント営業利益は同69.5%減の1,600万円となりました。
パイプライン:新規2件を受注、売上貢献は来期以降
受注済みで5億円以上の売上が見込まれる主要開発プロジェクトは6件(A~F)です。当期中にE・Fの2件を新たに受注し、いずれも企画・立ち上げ段階にあります。E・Fの売上への本格的な貢献は2027年8月期以降を予定しています。
先方の方針変更により3月から一時停止しているプロジェクトがDで、再開時期は未定です。稼働中のプロジェクトはいずれも良好に進行しています。
通期予想は据え置き――進捗は概ね想定の範囲内
2026年8月期の通期業績予想は前回発表から変更なく、売上高65億1,000万円(前期比1.9%減)、営業利益4億500万円(同41.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益7億9,000万円(同215.7%増)としています。
海外プロジェクトの一時停止への対策として、中小規模の開発を含む新規プロジェクトの早期受注と立ち上げ、当初は外部発注を予定していた業務の一部を内部リソース活用へ切り替えるなどの施策を進めています。通期の事業見通しに対する3Q累計の進捗は概ね想定の範囲内で推移しているとしています。
なお、長岡京トーセビルの建替えに伴う一部土地の売却により、第4四半期に約7億8,900万円の特別利益の発生を見込んでおり、これが純利益の大幅増につながる見通しです。新オフィスビルは2026年8月に着工し、2027年10月の竣工を予定しています。






