Anthropicは、これまでEducationユーザー向けに提供してきた「学習モード(learning mode)」を、一般ユーザーや開発者にも提供します。
Claude.aiで、スタイルのドロップダウンメニューに表示される「Learning」の項目をオンにするとこの機能が有効化されます。学習モードは、Claude for Educationに提供される同機能と同様に、ソクラテス式問答法と呼ばれる方法で、与えられた問題をユーザーが自ら解けるようにAIが指導します。

Anthropicが開発者向けに提供するAIコーディングエージェントのClaude Codeでは、「/output-styles」と入力すると、「説明モード(explanatory mode)」と「学習モード」が選択可能になります。
「説明モード」では、動作中のClaudeの意思決定プロセスの要約も表示されるようになり、ユーザーがAIの動作を理解しやすくなります。また「ラーニングモード」では、ときどき「#TODO」と記されたコメントが提示され、条件に合う5~10行のコードを書くようユーザーに促します。
Claudeの学習モードは、ユーザーの作業を完全に肩代わりするのではなく、ユーザーがタスクを完了する方法を学び、より効果的にタスクを処理できるようにすることを目的としています。つまり、AIチャットボットをタスク完了の近道としてではなく、スキル構築ツールとして活用可能なものにします。
Claudeの学習モードに近い機能として、OpenAIは今月はじめよりChatGPT Free、Plus、Pro、Team ユーザーに「学習モード(study mode)」を提供しています。
これらの動きをみると、今後のAI市場は、どんな質問にも答えられる解答生成器から、ユーザーが自身のスキルを伸ばすために活用するツールとしての競争へと変化していくのかもしれません。