動画生成AIツールで知られるRunwayが、米国のケーブルテレビ会社AMCとの協力により、早ければ今週にもゲーム業界向けの生成AIプラットフォーム「Game Worlds」を一般公開すべく準備を進めています。

Game Worldsでは、ユーザーが生成AI技術を用いて、独自のテキストベースのアドベンチャーゲームを作成しできるとのこと。現段階でGame Worldsでできることはまだ限られているようで、ユーザーのチャット画面からの入力に応じて、テキストと画像を生成するだけの非常に簡素な機能しかありません。ただし、将来的には、より複雑な動画生成やゲームプレイメカニズムの導入、AI生成によるBGMの添付により、完全にインタラクティブなゲームプレイ体験が提供できるようになる可能性があるとのことです。
Runway CEOのクリストバル・バレンズエラ氏は、今年後半にはGame Worldsで生成したビデオゲームを公開する予定だと述べており、これがゲーム業界におけるAI活用の拡大に繋がることを期待しているとのことです。
目下のところRunwayは、ゲーム開発会社との提携を通じてGame Worldsの提供~活用の引き換えに、AIトレーニング用としてビデオゲームのデータセットを利用することについて協議しています。
Runwayの動画生成AIはハリウッドでも使われるようになっています。バレンズエラCEOは「映画制作をAIで40%も速めることができるのなら、ゲーム開発もおそらくスピードアップできるだろう」と述べています。
ゲーム製作における生成AIの利用に対しては、特に声優やモーションアクターといった業界関係者から批判の声があります。つい数週間前まで、米国では映画俳優組合および米国テレビラジオ俳優組合(SAG-AFTRA)が、組合員である俳優や声優の同意なく、その肖像や声をAI生成するゲーム企業に対して、約11か月にわたるストライキを実施していました。
一方で、大手ゲーム企業のUbisoftなどは、ゲーム内におけるNPCの会話を生成する「Ghostwriter」と称するツールを導入するなどしており、映画業界に動画生成AIツールを持ち込んだRunwayが、ゲーム業界でも同じことを再現できる可能性も、全くないわけではなさそうです。