花まるグループ(こうゆう)が運営する花まる教育研究所は026年4月15日、保護者を対象に実施した「子供と生成AIの関わりに関する意識調査」の結果を公表した。子供の生成AI利用に保護者の54.3%が前向きである一方、約半数が使わせ方に悩み、家庭内で話し合えていない割合は9割弱にのぼることが明らかになった。
「子供と生成AIの関わりに関する意識調査」は2026年2月15日~3月8日、花まる学習会主催の講演会(東京都、茨城県、兵庫県)に参加した保護者を対象にインターネットで実施した。有効回答数は268名。
保護者自身の生成AI利用について聞いたところ、「よく使っている」(40.0%)と「たまに使っている」(43.0%)をあわせると、8割以上の保護者が何らかの形で生成AIを活用していることがわかった。「聞いたことはあるが使ったことはない」(9.1%)、「使ったことはないが興味はある」(7.5%)といった層も含めると、生成AIの認知と関心はほぼ全体に広がっており、日常生活への浸透が進んでいる実態がうかがえる。
生成AIの利用場面については、「日常の調べもの」(59.2%)、「仕事の効率化」(51.3%)が上位を占め、「日常での文章作成」(35.1%)、「仕事の悩み相談」(28.3%)と続いた。一方、「子育て・教育に関する場面」での活用は20.0%にとどまっており、家庭内での子供への活用はまだ限定的であることがうかがえる。
子供に生成AIを使わせることについての考えを聞いたところ、「積極的に使わせたい」(18.1%)と「どちらかといえば使わせてもよい」(36.2%)をあわせると54.3%と、一定の前向きな姿勢がみられた。一方、「まだ判断できない・考え中」(30.9%)、「どちらかといえば使わせたくない」(10.9%)、「使わせたくない」(3.8%)と、4割以上が慎重な姿勢を示しており、判断に迷う保護者が多いことがわかった。
子供と生成AIとのかかわり方について悩みや迷いがあるかを聞いたところ、「ある」と回答した保護者が55.1%と過半数にのぼり、「ない」(44.9%)を上回る結果となった。約2人に1人以上が、子供への生成AIの関わらせ方について何らかの葛藤や不安を抱えていることがわかる。
子供が生成AIを使ううえでの不安について聞いたところ、「AIに頼りすぎてしまうこと」(66.4%)がもっとも多く、ついで「自分で考える力が育たなくなること」(63.4%)、「間違った情報を信じてしまうこと」(54.7%)が上位にあげられた。
そのほかにも、「勉強や宿題をAI任せにしてしまうこと」(35.1%)、「人とのかかわりやコミュニケーションが減りそうなこと」(24.2%)、「使い方やルールをどう教えればいいかわからないこと」(22.6%)といった懸念が続き、利便性への期待と同時に、依存や思考力低下、情報リテラシーへの不安が広く共有されていることが明らかになった。
子供の生成AI利用について夫婦(パートナー)間での話し合い状況を聞いたところ、「すでに具体的に話し合ったことがある」は11.3%にとどまり、残りの約9割弱(88.7%)は深く話し合えていない、もしくはまったく話し合えていない実態が明らかになった。内訳としては、「少し話題にしたことはあるが、深くは話し合っていない」(27.9%)、「話し合いたいと思っているが、まだできていない」(17.0%)をあわせると44.9%にのぼった。また、「話し合っていない/考えたことがなかった」(40.4%)が最多となった。
子供の生成AI利用状況については、「すでに使っている(親も把握している)」(26.0%)に加え、「使っていると思うが、詳しくはわからない」(17.0%)をあわせると43.0%となり、一定数の子供が生成AIに触れている実態がみられた。一方で、「使ったことはないと思う」(50.9%)、「わからない/把握していない」(6.0%)も存在しており、家庭によって利用状況の把握や認識に差があることがうかがえる。
自由記述では、「AIはもう避けては通れないが、まず子供たちの中に豊かな言葉をもち、その言葉で考える力を育てたい」「答えを出すのに悩む時間がなくなると、脳の働きや精神性が弱くなるのではないかと不安」「これからの時代にAI活用は不可避とは思うが、学業が本業の子供たちがAIと共存していくにはどうすればよいのかについてはいつも悩んでいる」など、子供の生成AI利用や距離感について迷う声が多数寄せられたという。
花まる教育研究所所長の高濱正伸氏は、今回の調査結果について「本来、テクノロジーは子供の成長を支えるための道具であり、それ自体が良い・悪いと単純に判断できるものではありません。大切なのは、『使うか使わないか』ではなく、『どう使うか』という視点です。そのためにも、家庭だけで抱え込むのではなく、学校や社会全体でルールや価値観を共有しながら、子供たちが主体的に考え、使いこなしていける環境を整えていくことが、これからの教育において重要になっていくと考えています」と考察している。







