
2025年6月4日、ゲームのプロデュースとマーケティングに特化したビジネスイベント「GAME FUTURE SUMMIT 2025(以下、GFS 2025)」が、ベルサール渋谷ガーデンにて開催されます。昨年、約1,000人の来場者を集め大きな反響を呼んだイベントが、今年はセッション数・会場規模ともに1.5倍以上に拡大し、さらにパワーアップして帰ってきます。

今回、GFS 2025を主催するMOTTOの代表取締役を務める佐藤基氏と、ゲームエイト執行役員コーポレート本部長の舘林亮太朗氏に開催直前インタビューを実施。イベント立ち上げの背景から、今年の見どころ、そしてゲーム業界の未来にかける熱い想いを伺いました。
イベント概要
正式名称: GAME FUTURE SUMMIT 2025
開催日時: 2025年6月4日(水)13:00~18:40(12:00受付開始予定)
アフターパーティは同会場にて19:00より開催予定会場: ベルサール渋谷ガーデン
主催: 株式会社ゲームエイト、株式会社MOTTO
参加費: 無料
昨年の実績: 約1,000名が来場
今年のポイント
▶セッション数・テーマともに大幅拡充(昨年比1.5倍以上)
▶会場規模も1.5倍以上に拡大
▶プロデュース、マーケティング、プロモーション、コミュニティ、AI、海外展開、マネタイズなど、ゲーム業界の未来に関する4つのステージで36のセッションとプレゼンテーションを展開
――改めてお二人の自己紹介と、GFSにおけるそれぞれの役割について、教えてください。

佐藤 基氏(以下、佐藤) MOTTOの佐藤基です。普段はゲームのマーケティングを多岐にわたってお手伝いする会社を経営しています。このGAME FUTURE SUMMITは、そうした日々の活動の延長線上にある、いわば集大成のようなものだと捉えています。
舘林 亮太朗氏(以下、舘林)ゲームエイトの舘林です。執行役員としてコーポレート本部長を務めており、普段はいわゆる管理部門の業務が中心ですが、以前は事業側の兼務経験もあります。今回のGFSでは、ゲームエイトとしての総責任者という立場で関わらせていただいています。
――お二人はDeNA時代にご一緒だったんですね。当時のお仕事ぶりなども少し伺えると嬉しいです。
佐藤そうなんです。舘林さんとはDeNAで、もう10年くらい前になりますかね、2~3年ほど一緒に仕事をしていました。僕がマーケティングでお金を使う側で、舘林さんにはその管理をしてもらうという関係でした。
舘林はい、懐かしいですね。当時は事業企画のような立場で、ゲームのKPI管理や広告宣伝費のシミュレーションなどを担当していました。まさかこうして、形を変えてまた佐藤さんとご一緒するとは、本当にご縁を感じます。
GFS誕生秘話:コロナ禍での挫折と、ゲームエイトとの出会い
――GFS立ち上げの経緯についてお聞かせください。佐藤さんは以前からこうしたイベント構想をお持ちだったとか。
佐藤実はGFSには前身となる構想がありました。2019年までマイネットさんが開催されていた「ネクストマーケティングサミット」という、業界内でも非常に評価の高いイベントがあったんです。これがなくなると聞いて、「この灯を消したくない」という強い思いから、スマートフォンゲームのマーケティングに特化したカンファレンスの企画を立ち上げました。ロゴも作り、2020年7月開催を目指して準備を進めていたのですが、コロナ禍の直撃を受けて中断せざるを得ませんでした。正直、一度は完全に心が折れて、諦めかけていたんです。
――そこから、ゲームエイトさんと組んで再始動するに至った経緯はどのようなものだったのでしょうか?
佐藤2023年に、ゲームエイトの方から本当にありがたいお声がけをいただいたのが大きな転機でした。「うちも業界に貢献できるようなイベントをやりたいと考えている。佐藤さんも以前やろうとしていたなら、ぜひ一緒にやりませんか?」と。一度諦めていたことだったので、自分一人ではなかなか再び立ち上がるエネルギーが湧かなかったのですが、このお誘いがあったからこそ、GFSとしてリブートすることができました。
舘林我々ゲームエイトとしても、メディアという立場からゲーム業界にどう貢献できるか、ということを常々考えていました。弊社の企業文化として「ゲームを通じて人に機会を渡す」という強いこだわりがあります。GFSを通じて、業界で活躍されている方々や、その貴重なノウハウに光を当て、この業界で働くことの誇りを持てるような場を提供したい、という思いがありました。
また、ゲームの作り手やマーケターの方々がいてこそ我々の事業(メディア)は成り立っているので、そういった意味での業界への恩返しという側面も大きいです。ただ、社外との折衝経験が豊富な人材が社内にそこまで多くなく、最前線でご活躍されている佐藤さんとご一緒するのが最善だと考え、お声がけさせていただきました。
「裏方のヒーロー」に光を:GFSが目指すもの
――佐藤さんの中では、ゲーム業界の「裏方」とも言えるマーケターの方々に光を当てたいという思いが強いのかなとこれまでの発信や活動を拝見していて感じています。
佐藤僕自身がマーケター出身なので痛いほど分かるのですが、ゲーム業界のスタープレイヤーは、やはりどうしてもクリエイターの方々になりがちです。マーケターは、たとえ素晴らしい仕事をして大きな成果を上げたとしても、なかなか表立って自分の仕事をアピールしたり、正当な評価を受けたりする場が少ないのが現状です。
GFSを、そうした「裏方のヒーロー」たちが主役になれる、自分の仕事や情熱を堂々と語れる場所にしたい――それが結果的に、業界全体の活性化や、個々のマーケターのキャリアアップにも繋がっていくと信じています。目指すは、ユーザー向けの「東京ゲームショウ」、開発者向けの「CEDEC」と並んで、GFSが「ビジネスサイドの人たちが輝ける、年に一度のお祭り」として認知されることです。
――舘林さんは「人に機会を」というゲームエイトさんの企業文化を体現する場として、GFSを捉えていらっしゃるのですね。
舘林まさにその通りです。ゲーム業界は、学歴や経歴に関わらず、本当に多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる、素晴らしい可能性に満ちた場所だと感じています。GFSを通じて、この業界で働く方々が「この業界にいて良かった」「自分はまだまだここで活躍できるんだ」と、改めて誇りを持てるようなきっかけを作りたいんです。また、ゲームエイト自身も、例えばゲーム好きの若いライターを採用し、メディア運営だけでなくビジネスサイドのキャリアも積んでもらうといった形で、人材育成や輩出にも力を入れています。GFSが、そうした人材の流動性を高め、個々の成長を後押しする一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
昨年の手応えと、今年の見どころ
――昨年のGFSは初開催にも関わらず、約1,000人が来場されるなど、大きな反響があったと伺いました。実際に運営されてみて、どのような手応えを感じられましたか?
佐藤正直、蓋を開けてみるまではどうなるか全く分かりませんでしたが、結果として本当に多くの方にご来場いただけました。特に、アフターコロナというタイミングもあってか、リアルイベントへの渇望感というか、皆さんの熱量を肌で強く感じましたね。「こういう場を待っていたんだ!」という声を直接多くの方からいただき、確かな手応えを感じることができました。一番の不安要素だった集客も、ありがたいことに最初のセッションから満員御礼となり、そこでようやく肩の荷が下りたのを覚えています。
舘林スポンサー様や登壇者の皆様からも「ぜひ来年も続けてほしい」「素晴らしい取り組みだ」といったポジティブなフィードバックを多数いただけたのが、運営側として何より嬉しかったです。また、会場のあちこちで活発な名刺交換が行われたり、新しいビジネスの会話が生まれたりしている光景を目の当たりにして、こうした「リアルな場」を作ることの意義を改めて実感しました。もちろん、運営面では、当日の受付対応やお客様の誘導、広大な会場でのスタッフ間の連携など、オフラインイベント特有の物理的な大変さも痛感しましたが、それら一つひとつが貴重な学びとなり、今年の運営に確実に活きています。
――その熱気と手応えを受けてのGFS 2025ですが、今年の特に注目してほしいセッションやポイントについて、もう少し詳しく教えていただけますか?
佐藤今年のGFSの大きなテーマは「トレンドが1日でわかるゲームのプロデュースとマーケティングに特化した業界者だけのイベント」です。これを実現するために、セッションの選定には特に力を入れました。具体的には、我々運営サイドが「今、業界でこれが熱い」「これについて議論すべき」と考えるテーマを企画するもの。そして、業界のキーパーソンの方々に「こんなテーマで話したい」と公募で手を挙げていただき、一緒に作り上げるもの。さらに、スポンサー様と共に、その企業様が持つ知見やソリューションを業界に共有する形で作り上げるもの。この3つの軸で、最新かつ実践的な情報をバランス良くお届けできるよう構成しています。

特に今年は、「海外展開」に関するセッションが前回と比較して大きく増えました。 やはり“グローバル”にどうやって展開するのか、というのはホットなトピックです。また、「モバイルからマルチプラットフォームへ」という大きな潮流も重要なトピックです。モバイルゲームは厳しい、という声もありますが、今は踊り場というのが正確で、ゲームの市場そのものは全然ピンチでもなんでもありません。むしろユーザーの遊び方やニーズが多様化しているチャンスだと思いますし、この状況でどのようにビジネスを展開していくのか、各社の知見やノウハウを通じてヒントを得てもらいたいです。

舘林我々としては、普段は開発に携わっているエンジニアの方がマーケティングの最新トレンドを知ることで新たな開発のヒントを得たり、広告運用を担当されている方がAIの活用事例に触れることで業務の効率化や新しい施策のアイデアが生まれたり、といった具合です。グローバル競争がますます激化する中で、生成AIのような新しいテクノロジーをいかにゲーム開発やマーケティング、コミュニティ運営に活かしていくか、といった具体的なテーマも複数用意しています。
佐藤そして、これは僕の個人的な強いこだわりでもあるのですが、「人材とキャリア」に関するセッションも2つ、しっかりと時間を割いて設けています。 具体的には、「ゲームマーケターとして圧倒的に成長する人の共通項」について各社で議論したり、「ゲーム業界出身者が、その経験を活かして異業種でどのように活躍しているか」といった事例を紹介したりするセッションです。
ゲーム業界はいわゆる職人的な部分もあり、経験こそが最も成長につながる環境ともいえます。一方で、たまたま良い経験ができたからすごく伸びた人、なかなかそういう機会に恵まれず全然伸びない人に分かれてしまうという問題もあります。とはいえ今後も業界全体が成長していくには、より多くの人が成長できる環境、あるいは育成の仕組みを整えていく必要があるというのが僕の問題意識です。こうした話題を複数社でやるというのも非常に珍しいですし、僕自身もモデレーターとして議論に参加します。
また、ゲーム業界で成長したスキルは、実は業界以外でも全然通用するということを事実として伝えたいんです。ゲームがオンラインビジネス化したのと同時に、世の中もほぼオンラインビジネスが主流で、ゲーム業界でのビジネススキルが全然特殊ではなくなっています。
みんな自信を持ってゲーム業界でスキルアップしてほしい。「ゲーム業界でやってるけど、私って他の業種で通用するのかな」と思っている人も多いので、「そんなことないんです」ということを伝えたいんです。

ゲーム業界の未来と、GFSが果たす役割
――お二人が考えるゲーム業界の未来と、その中でGFSがどのような役割を果たしていきたいかお聞かせください。
佐藤ゲーム業界は長い歴史を振り返っても常に変化しており、そしてその変化こそが新たなチャンスを生み出すと確信しています。かつてフィーチャーフォンからスマートフォンへとプラットフォームが移行し、モバイルゲームという巨大な市場が生まれたように、現在の技術革新や市場の変化も、必ずや次の大きな機会を創出するはずです。とはいえ、どれだけ技術が進歩し、市場環境が変わろうとも、ゲーム業界の未来を創り上げていくのは、他の誰でもない「人」であるとも思っているので、単に知識だけでなくキャリア形成や新たな出会いの場としても機能させていきたいです。
舘林日本のゲーム業界は、グローバル市場での競争激化という大きな課題に直面していますが、一方で、生成AIの進化や活用、あるいは決済システムの自由化(プラットフォーマーに依存しない外部決済)といった、その課題を乗り越えるための新しい武器や追い風も現れてきています。GFSが、そうした最新の情報や成功事例、あるいは失敗から得た教訓などをオープンに共有し、日本のゲーム業界全体が一丸となって前進していくための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
――最後に、来場を検討している業界関係者へのメッセージをお願いします!
佐藤昨年以上に多くの方々にご協力いただき、セッションの数も、会場の規模も、そして何よりその熱量も、大幅にパワーアップしてお届けできると確信しています。必ずや、皆さんの日々の業務や将来のキャリアにとって、何かしらの具体的なヒントや新しい出会いが見つかる場になっていると思いますので、ぜひ気軽に足を運んでいただけると嬉しいです。
舘林明日の業務にすぐに役立つ具体的なノウハウから、中長期的な視点でのキャリア形成のヒント、そして業界の未来を展望するような大きな議論まで、本当に多様なラインナップを用意してお待ちしています。参加される皆様にとって、有意義な情報をお届けしたいと思いますので、ぜひお越しください!
ゲームのプロデュースとマーケティングの「今」と「未来」が凝縮された「GAME FUTURE SUMMIT 2025」。業界の最前線で活躍するプロフェッショナルたちの知見に触れるだけでなく、新たなネットワークを築く場でもあります。「ゲーム業界の未来」を一緒に盛り上げる仲間たちとの出会いが、きっと待っているはずです。
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