Live2D「alive 2023」4年ぶりの現地開催―アニメーションへのこだわりが目を惹く企業/個人クリエイターの展示が並ぶ【会場レポート】 | GameBusiness.jp

Live2D「alive 2023」4年ぶりの現地開催―アニメーションへのこだわりが目を惹く企業/個人クリエイターの展示が並ぶ【会場レポート】

Live2D社が主催する年に一度のイベント「alive」。4年ぶりとなるリアル会場でおこなわれた今回のイベントの、熱気あふれる現地のもようをお届けします。

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Live2D「alive 2023」4年ぶりの現地開催―アニメーションへのこだわりが目を惹く企業/個人クリエイターの展示が並ぶ【会場レポート】
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Live2D社が毎年開催するLive2Dの祭典「alive」は、クリエイターによるセッションや交流を目的としたイベントです。

2023年は開催10年目の節目を迎える年となっており、2019年以来、オンライン開催を余儀なくされていた本イベントにおいて、4年ぶりに現地開催となった今回、会場は大盛況でした。

Live2Dといえば、一枚絵のイラストを加工することでアニメーションさせる映像表現のこと。現在は配信用のアバターとして使用されることが多いLive2Dですが、その用途は広く、ゲーム素材、PR動画、さらにはLive2Dだけでアニメ作品を制作する試みも行われています。

まだまだ可能性を秘めたLive2Dがどのように活用されているのか?その一端がリアル会場の各出展者からもうかがえました。

本稿ではそんな「alive 2023」会場の様子をレポートするとともに、Live2Dの「今」が見えてくる出展者の一部をピックアップしてお届けします。

4年ぶりに設置された展示コーナー。企業出展のみならず、個人クリエイターも「クリエイターマーケット」のカテゴリで出展していました。※案内板の「CM」がクリエイターマーケット、「a」が企業展示

秋葉原UDXに21の出展者が集う

2023年12月1日に実施された本イベントの会場は、アニメ・ゲームの中心地として知られる東京・秋葉原。秋葉原UDXには3つの会場があり、そのうち2つはセッションを、残り1つで企業展示とクリエイターマーケットが実施されました。

セッションはこのコロナ禍でもオンラインで実施されていましたが、リアル会場でしか実施できない展示ブースは見送られていたため、まさに4年ぶり。企業展示/クリエイターマーケットとカテゴリは分かれていますが企業も個人も垣根がなく、同じ会場内でテーブルを並べていました。また展示はなくセッションのみ参加という企業担当者も会場を訪れて挨拶をする姿も見受けられました。

展示・クリエイターマーケットの会場風景
午前中は余裕があった会場も、午後は一時、人が入れないほどに!

展示エリアの出展者は合計で21。そのうち企業や団体からの出展が8、クリエイターマーケットは13です。

企業や団体の出展社には主催のLive2D社も含まれていることもあり、その内容はLive2Dの紹介やサービスの紹介がほとんど。一方、クリエイターマーケットは自身の技術をアピールする場となっており、自作のLive2Dモデルや自作トラッキングの紹介、Live2Dを用いたゲームの出展などが見られました。

気になる出展をピックアップ

各出展はいずれも興味深くおもしろいものでしたが、中でも注目したいのは、やはり主催であるLive2D社のコーナーです。

Live2D社は「CubismG」「nizima LIVE」「Live2D Creative Studio」の3コマで出展。

「CubismG」は美少女キャラクターの等身大モニターでモーションシンクを実演するほか、立体表現アプリ用キットを会場限定で配布するなどしていました。

モーションシンクの実演コーナー。マイクの音声に合わせて、キャラクターが精度の高いリップシンクをしてくれます

モーションシンクとは、入力された音声を読み取り、美少女キャラクターのリップシンクと同期させる技術で、より自然な口の動きを実現するもの。立体表現アプリは組み立て式のキットを使用したもので、Live2Dのアバターを表示させたスマートフォンをセットすることで疑似的な立体映像が楽しめます。

立体表現アプリは「こんな遊びもできますよ」というLive2Dの用途のひとつとして紹介するもので新商品の類ではありませんが、視点の異なる活用法がおもしろく、思わずキットを受け取ってしまいました。

「Live2D Creative Studio」ほかLive2D社の出展コーナー
立体表現アプリの展示。ペーパークラフトのボックスを使用する簡素なものではありますが、お気に入りのLive2Dを立体表現するのはおもしろく、版権キャラクターのグッズとして各社が販売してくれたら嬉しいものでした

そのほか「nizima LIVE」ブースではフェイストラッキングアプリ「nizima LIVE」の体験コーナーを、「Live2D Creative Studio」ブースではLive2D Creative Studioが運営するオンラインスクール「Live2D JUKU」の紹介などをおこなっていました。

イクリエの出展コーナー。過去の実績としてLive2Dで制作したプロモーションアニメを展示していました

イクリエの出展コーナーでおもしろかったのは裸眼立体視に対応したフィギュアの出展です。

イクリエといえば、これまでLive2Dを用いたゲームのプロモーションムービーを多く制作してきました。今回はその実績の紹介として展示コーナーを設けたのですが、フィギュア制作も事業のひとつということでフィギュアの紹介コーナーも設置。それがたまたま裸眼立体視に対応したモニターだったことから、予想外にそちらの反応が大きかったようです。

「限られた素材でリッチな映像を作るには、Live2Dはとても有効なツールです。弊社の強みはクリエイターの制作力とLive2Dの性能をフル活用すること。それによってリッチな表現ができることだと思います」

そう語るのはイクリエのブース担当者。預かった作品の魅力を最大限表現するのが強みとのことで、確かにパーツや髪の揺れなど、大胆な動きが目を引くプロモーションムービーとなっていました。

裸眼立体視のモニター内に展示されたフィギュアの原型。通常、写真だとあまり立体感が出ないものですが、モニターの精度が良いのか写真でも立体感が出ています

自作のLive2Dモデルを出展することが多いクリエイターマーケットの中で、モデルのみならず自作のトラッキングも併せて展示していたのがラビットモンスターさんです。

スマートフォンで動きを読み取ってLive2Dに反映させるものですが、リアルな手の動きは来場者も思わず立ち止まって「凄い!」と声を上げるほど。そのほかブースでは自作のアニメーション動画も公開していました。

「二次元キャラクターならではのデフォルメが効いた大げさな動きだったり、服が光ったり、そういった自分が思う『可愛い』を追究してモデルとトラッキングを制作しました

個人で活動するVTuberのアバターや待機画面、配信で使用する動画などを手がけているというラビットモンスターさん。SNSでは現在、依頼を受け付けているそうです。

ラビットモンスターさん Xアカウント:https://x.com/Colagabunomi

YouTubeチャンネルではモデルも公開中:https://www.youtube.com/@Colagabunomi

ラビットモンスターさんの出展コーナー。華やかなキャラクタームービーもモニターで展示していました
トラッキング体験ができる自作のLive2Dモデル

クリエイターマーケットで異彩を放っていたのが、唯一のゲーム作品参加というザクロスケさん。インディーゲームを制作する個人サークル「ザクロ弁当屋」の運営をしており、Live2Dをフル活用した「クズ囚人観察ADV 『Romp Of Dump』」の試遊コーナーを設置していました。

『Romp Of Dump』はワケあり囚人の男性キャラたちが罰ゲームありの賭けトランプをするアドベンチャーゲーム。

プレイヤーは囚人のひとりとなってその賭けトランプに参加するのですが、相手の表情を読み取って嘘を見抜いたり、ブラフを仕掛けて相手を惑わしたりするなど心理戦に主眼を置いたシステムとなっています。

また罰ゲームでは対戦相手の過去を聞き出すなど、キャラクターの掘り下げができる内容となっている点にも注目です。

「ゲームの立ち絵としては珍しい、指まで動く可動域の広さに注目してほしいです。表情も指の動きも、それぞれ100種類以上用意しました。キャラクターが表情豊かに活き活きと動き回る、そんなゲームを目指して精魂込めています。

また参考展示している『アニマロイドガール』では、『Romp Of Dump』とうってかわり、アニメを視聴しているかのような体験ができるよう、シチュエーションを重視したLive2Dにするつもりです。発売はまだまだ先ですが、今から注目してもらえると嬉しいです」

なお『Romp Of Dump』は2024年1月配信予定。Steamでは早期アクセスするとなんと無料に!ご興味があればぜひチェックしてみてください。

ザクロスケさん Xアカウント:https://x.com/zakurobento

『Romp of Dump』Steam製品ページ:https://store.steampowered.com/app/1951520/Romp_of_Dump/

ザクロスケさんの出展コーナー
『Romp of Dump』は試遊することもできました
ザクロスケさんが制作チームに加わっているという少女育成アドベンチャー『アニマロイドガール』のPV

4年ぶりのリアル開催ということで新たな一歩を踏み出した「alive2023」。11年目を迎える2024年は、はたしてどれだけ多くの、そしてどれだけユニークなクリエイターたちが活躍するのでしょうか。

(C) 2023 Live2D Inc.

《気賀沢 昌志》

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