『ガリウスの迷宮 リメイク』大賞のならむら氏ミニインタビュー!「KONAMI ACT&STGゲームコンテスト」現地レポ【TGS2022】 | GameBusiness.jp

『ガリウスの迷宮 リメイク』大賞のならむら氏ミニインタビュー!「KONAMI ACT&STGゲームコンテスト」現地レポ【TGS2022】

リメイク開発も新しい解釈の時代へ。

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千葉幕張メッセのリアル会場と、オンラインプラットフォームの両面で開催となった国内最大規模のゲーム展示会「東京ゲームショウ2022」。コナミブースで行われたステージイベント「KONAMIアクション&シューティングゲームコンテスト」の現地レポートと、選ばれたならむら氏へのミニインタビューをお届けします。

今回のコンテストは、「集英社ゲームクリエイターズCAMP」内の企画の一つで、『がんばれゴエモン』シリーズや『グラディウス』シリーズなどコナミが持つIPの80作品ほどを題材とし、続編や新作だけでなく、キャラのみなど多彩なアプローチで企画開発するコンテストです。このステージイベントでは本企画のプロデューサーである上野亮作氏が登壇し、コンテストの最終選考で残った5つの企画を紹介しました。

昨年9月から実施されたコンテストは二次審査と三次審査を経て最終選考に残った5企画が選出されています。最終選考に残ったRF丸山氏の企画である『スターソルジャー リヴァイヴ マルチバース』は、その名の通り『スターソルジャー』をグラフィックやエフェクト含め現代風に作り直したもの。多くが現代化されているものの一目見て『スターソルジャー』でわかる作品であったそうです。他にもゲームだけでなくプロモーションの方法やeスポーツ展開も含めて隙が無く分厚い企画書に盛り込まれていたと語ります。

2人目の大江しんいちろう氏の企画は『令和版パロディウス』でした。大江氏はインディーでシューティングゲームを開発していたことから、上野氏は来るだろうと予想していたそうです。また大江氏は漫画家であることからイメージボードが充実していたことに加え、令和版ということでUber Eatsステージ、路上飲みステージ、男女平等ステージなどがあったそう(それでもすでに古いネタになってしまったものや、そもそも令和ネタでないのもあったそう)。

3人目のケン・ニイムラ氏の企画は『ツインビー Loop! 光と闇の惑星の謎!!』です。ニイムラ氏のチームは海外からの応募でしたがチームの仲間は日本に絡んだ仕事をした経験を持ち、この企画のためにそれぞれ集まったそうです。またゲームシステム的には時が戻って何度も挑戦するローグライトシューティングであるとも解説しました。

4人目のやなぎ氏は『Re:プーヤン ブタさんとオオカミの終わりなき攻防』。この企画の成り立ちは、やなぎ氏の経験でなくチームを組んだ人が小学生の時から遊んでいたとことから生まれたそうです。この『Re:プーヤン』は親豚だけでなく、オオカミ側もプレイアブル化するなどアイデアを入れ込んでいたそうです。

最後は、ならむら氏の企画『ガリウスの迷宮 リメイク』です。一次審査は書類選考なのですが上野氏は「届いた企画書の圧が凄かった。あんなのは初めてでした」と振り返ります。この企画書の特徴は、開発への愛情や熱量が大きいだけでなく、『ガリウスの迷宮』の面白さのポイントやシステムなど分析した内容も盛り込んでいたことから一種の論文みたいになっていたと語ります(それでも企画書の合間に「いいから作らせろよ」と覇気を感じる部分があったそう)。

以上の5作品のなかで大賞に選ばれたのはならむら氏の『ガリウスの迷宮 リメイク』でした。ステージでは登壇したならむら氏へトロフィーと賞金200万円が進呈。進呈が終わったあと、上野氏は『ガリウスの迷宮 リメイク』の表紙をめくると黒に赤字で「ガリウスは渡さない」と脅迫状にも思える迫力であったとコメントしました。また選定理由については、ファイナリストすべて大賞候補であったもののならむら氏の企画が飛びぬけていたからです。

受賞したならむら氏は、去年のTGSから始まったコンテストであったため良かった嬉しい気持ちの前に「長かった……」と山あり谷ありであったことを感じさせるコメントでした。それでも嬉しいことには変わりなく、感謝の気持ちを述べると共に、他にも1次審査と二次審査の間に、「もうちょっと考えを変えて作ってみよう」や「もう少し企画書でこれを訴えてみよう」、「リメイクとしてこれでは足りないのでは?」など様々な気持ちで挑んでいたことも語られました。

ならむら氏

最後に、翌年の開催となるIndie Games Connect 2023を告知しステージイベントを終了しました。最終選考に残った5企画どれも様々なアイデアや新しさが盛り込まれていたことが非常に興味深い内容です。難しいかもしれませんが、最終選考に残った5企画の企画書の一部をイベント中に画像で説明して欲しかったとも思えます。この企画の主旨からすれば、今後に商品化を目指せる作品はオファーがあるとのことなので、大賞に選ばれた『ガリウスの迷宮 リメイク』は是非とも製品化を目指して欲しいと思えます。

なお弊誌では、イベント終了後にならむら氏へ短時間のミニインタビューを実施しました。なお、ならむら氏は『LA-MULANA』を開発したNIGOROのボスで、東京ゲームショウではPlayismブースで過去作『薔薇と椿』をニンテンドースイッチ向けに移植したバージョンをプレイアブル出展しています。インディーデベロッパーとして新たなステージに突入したことを思わせる内容を語っているので是非こちらもどうぞ。


――大賞受賞おめでとうございます!もし本当に開発するとしたら『ガリウスの迷宮リメイク』はどんな作品にしたいですか?

僕らは『LA-MULANA』というタイトルを開発していました。それは、もともと小さいころに遊んだ『ガリウスの迷宮』を僕らなりにオマージュとして作ったもので、「『ガリウス』のああいう部分は良くなかったからこうしたい、もっと○○だったらよかったのに」という気持ちを入れたものでした。そのため、リメイクで過去作と同じことをやりたくないし、例えばですがどうせやるなら等身高いキャラで表現することや、剣も突き刺すことだけでなくちゃんと振るう動作など現代的な要素を取り込みたいです。それでも、『ガリウスの迷宮』の根幹にある面白さがそのまま残っている状態を目指したいと思っています。

――リブートやフルリメイクに近い解釈みたいですね。

そうですね。ただ現在は選考が決まって「おめでとう」という段階なため何とも言えないところもありますが、『ガリウスの迷宮』はコナミさんの作品なためどこまで手を入れていいのか……という悩みがあります。どちらかと言えば昔懐かしいものをそのままというよりか、僕らも新しいものに挑戦したいのでレトロゲームのリメイクの仕方に新しい形を示せればと思っています。

――ならむら氏にとっての『ガリウスの迷宮』はどんな存在なのでしょうか?

影響を受けたゲームというのはいくつかあるのですが、その中の一つが『ガリウスの迷宮』です。僕が気に入ったのは新しいゲームや今現在のゲームの良さをみる視点でなく、TVモニターの中に世界が存在するような雰囲気があったからです。僕は、その世界の中に自分で動かせる小さなキャラクターが、凄く作りこまれた世界を動き回れることに感銘を受けたタイプなのです。また、僕だけでなくメンバーにとってもゲームを作る大きな原点の一つです。メンバーの中には「人生のゴールと思ってもいい」というほど大きな存在です。

皆同じ世代ですし、ファミコンでなくパソコンゲームで育ったので、他の人たちと遊びに入ったルートが少し違いますが、でもその人達が必ず通る大きな道みたいです。また新しいメンバーを一人入れたのですが、その人も『ガリウス』オマージュの『LA-MULANA』を見て僕たちに興味をもって入ってきてくれたので、リメイクに関われると思うと嬉しいですね。

――もし、本当にリメイク版を開発するとしたら今後沢山の困難が待っていると思います。そのため、開発に関する意気込みを教えてください

現時点では「優勝決まりました、おめでとうございます」という段階で、それが商品化されるのはまた別の話らしいのです。TGSでステージイベントを実施し檀上に上がることまでしたので「やっぱりやりません」と言われても気分が高ぶってしまっているために、発表がいつになるのかわかりませんが、その期間もメンバーたちでヒートアップしてしまうために、「どうしよう、ああしよう」と盛り上がりが止まらないと思います。そこは僕ら自身も楽しんで先の展開を待ちたいと思っています!

さらに言及すれば、僕らはレトロゲームなりの不親切さや理不尽さも面白いと思っているために、『LA-MULANA』ではそこも活かして訴えかけてきました。しかし、10年近くずっと同じ作品を手掛けてきていましたが、そういったところは伝わりにくかったことを身に染みてわかっています。そのため不親切さや理不尽を担保するのでなく、さらに根幹をなす広いお城を探索するワクワク感や、主人公と女性キャラの2人で攻略することを活かした探索方法など、いつもと違うアプローチでやれればと思っています。また大きな企業と組んで活動するとしたら僕らの経験にもなります。僕らの一番の弱点である、「作り始めると長い」部分をちゃんと企業の監視下で「上手いこと短く作れる技」を身に着ければと思っているぐらいです。

――『LA-MULANA2』は開発に凄く時間がかかりましたよね。

難産でしたから。だらだらしていたらコナミさんの方から「コラッ!」と怒られることを僕らはちょっと期待しています(笑)コナミさん自身は、インディーデベロッパーと組んで活動すること自体が初の試みだと思うので、様々な懸念があることを僕らは理解しています。

――お話を聞く限り新たなステージに突入した感覚がありますね。

普通のインディーのラインとは違う気もしますけれど、僕らがやりたいと思ったことなのでそのまま突き進んでみたいと思います!

――インタビューにご対応いただきありがとうございました!今後もご活躍に期待しています!

《G.Suzuki@Game*Spark》

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