ライフシム『Epic Chef』―料理システムのこだわりは「ミスター味っ子」と「食戟のソーマ」の影響も。壮大なストーリーの裏側にある市民生活に光をあてたかった【開発者インタビュー】 | GameBusiness.jp

ライフシム『Epic Chef』―料理システムのこだわりは「ミスター味っ子」と「食戟のソーマ」の影響も。壮大なストーリーの裏側にある市民生活に光をあてたかった【開発者インタビュー】

「ミスター味っ子」がスペインでも放送されていたのは知りませんでした…。

ゲーム開発 インディー
ライフシム『Epic Chef』―料理システムのこだわりは「ミスター味っ子」と「食戟のソーマ」の影響も。壮大なストーリーの裏側にある市民生活に光をあてたかった【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Infinigon Games開発、PC/PS4/XSX/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けに11月12日にリリースされたライフシミュレーション『Epic Chef』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、ゼストという名の主人公を王国随一のシェフへと導く、ストーリー主導型のライフシミュレーション。料理の材料や生計を立てるための手段となる果物や野菜等の栽培や動物の飼育、調理や新レシピのための器具や機械のクラフト、自分の屋敷のカスタマイズや町の探索・釣りなどが楽しめます。日本語にも対応済み。

『Epic Chef』は、2,570円で配信中(Steam)


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Marc López氏(以下Marc)Marc Lópezです。バルセロナを拠点とするインディースタジオInfinigon GamesをCristian Pastorと一緒に設立しました。大抵は同時に3人以上が作業をするようなことはないほど小さなスタジオです。私はずっとストーリーというものに思い入れがあり、当スタジオでもそれが私の役割となっています。私はまずModを作ることで、自分の作るストーリーに命を吹き込むことから始め、それが実際のゲーム開発への興味へと繋がっていったのです。

そういった経緯もあり、私の一番好きなゲームはもちろん、この道に私を惹きつけたゲームの一つである『The Elder Scrolls IV: Oblivion』です。Cristianはゲームシステムを担当しており、ユービーアイソフトなどで長いゲーム開発の経験があります。彼の一番好きなゲームは『ファイナルファンタジーVII』です。

――本作の開発はなぜ始まったのですか?

Marc前作『Zenith』において、私たちはFulgurという世界を作り上げました。このファンタジーの世界では、英雄、衝突、存在の危機や世界の終わりといったストーリーが描かれたのです。私たちはこの世界の一般市民の生活を掘り下げてみようと思いました。危険に満ちた冒険ではなく、Concordiaの首都Ambrosiaに住む普通の生活をする普通の人の視点からのストーリーを描こうと思ったのです。しかし、Fulgurの様な世界において、そもそも「一般的な人」自体がそれほど一般的ではありません。その辺の人でも、魔法使いや冒険者、超自然的存在、そして神々や時々おこる大惨事の影響を受けているからです。

本作の「一般的な人」であるゼストは、街の中にある呪われた屋敷とレストランを手にすることとなります。そこでシェフになるということは、まさにクレイジーな商売に足を踏み入れることでもあるのです。多くの人のエゴが衝突し合い、思いがけないことが起こる毎日となるでしょう。

――本作の特徴を教えてください。

Marc本作は一風変わったゲームです。昔ながらの農業、釣り、クラフトシステムがありますが、同時に、プレイヤーが自分でレシピを作れ、最初から決まっている答えを見つけるのではなく、クリエイティビティを発揮できるという、革新的な料理システムを作ろうと全力を注ぎました。本作のプレイ開始当初はシンプルなシステムに感じますが、先に進むにつれ、より奥深くチャレンジしがいのあるものになっていきます。料理バトルに勝ったり、クエストを達成したりするためには、それぞれのプレイヤーが自分だけの技と戦略を見つけ出さなくてはいけないのです。必勝法のようなものは本作に登場しないのです。

また、ストーリー面で、本作はAmbrosiaの市民との「繋がり」ができる様にデザインされており、予期せぬ事態や衝撃的なシチュエーションを通して、彼らが一つのコミュニティの中にいるように感じられることでしょう。本作では、ゼストが出会う友達(や敵)との関係性を軸に、物語の進行とユーモアがユニークな方法で描かれます。

ユーモアは本作においてとても大事な要素となっていますが、複雑で没入感が高い世界観も重要です。キャラクターのセリフやシチュエーションはもちろん、本作ではプレイヤーを笑わせるような世界観作りに力を入れています。

――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?

Marc農業ゲームやストーリー主導のアドベンチャー、そしてRPGが好きな人は、それらのジャンルをブレンドさせたものが味わえるでしょう。また、本作は昔のゲームからの影響もたくさんあり、昔のアドベンチャーゲームが好きな人にはサプライズが用意されています。ゆっくりとリラックスしながら、クラフトや料理をし、楽しく個性的なストーリーが楽しめるはずです。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Marc当初影響を受けたものの一つが、「ミスター味っ子」です。これは私たちが子供の頃、カタルーニャ地方(スペイン)で放送されていたアニメの一つで(他にも「キン肉マン」「Dr. スランプ」「ドラゴンボール」といった名作が放送されていました)、私たちの世代の心にしっかりと残っています。私たちはこのコンセプトを、ファンタジー世界であるFulgurに落とし込んだら面白いのではないかと思いました。わかりやすく最近のもので影響を受けたもので言うと、「食戟のソーマ」といった方がわかりやすいかもしれません。

他にも多くのものから影響を受けており……少しだけ「モンティ・パイソン」「ブラックアダー」「Monkey Island」の影響もありますし、他にもバリエーション豊かなアニメやファンタジーの本からも影響を受けています。私たちが今までに見て、読んで、遊び、好きになったものすべてが私たちの作るものに影響を与えるのは避けられないことでしょう。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Marcいろいろな面でありましたが、皆さんが思っているものとは異なります。私たちは小さなチームですので、この試練が始まる前からすべてオンラインで作業をしていました。しかし新型コロナは本作のストーリーを書くことに影響を与えたのです。お腹が空いている人が一番上手く食べ物を表現できるように、本作に登場するキャラクターたちの関係性や友情が、当初予想していたよりもかなり素晴らしい出来になりました。皮肉なものですが、人との交流がなくなってしまったおかげですね。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Marc今の時代において、必須だと思います!

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Marc本作の日本語版を楽しんでいただけると嬉しいです!私たちは長年にわたって日本のエンターテインメントを楽しんできており、その何物にも縛られないクリエイティビティの大ファンです。そんな日本の人々に私たちの作ったものを遊んでいただけるなんて、本当に嬉しいです!

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
《Chandler@Game*Spark》

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