『PICO PARK』を開発した三宅俊輔氏が教える、インディーで協力型ゲームを作るときのパターンと注意点【IDC2023】 | GameBusiness.jp

『PICO PARK』を開発した三宅俊輔氏が教える、インディーで協力型ゲームを作るときのパターンと注意点【IDC2023】

他のプレイヤーとの協力プレイを特徴とするタイトルは、いまインディーゲームでも活発に開発が続いています。そこで、協力プレイの大ヒット作『PICO PARK』を開発した三宅氏が、協力プレイの種類について語りました。

ゲーム開発 インディー
『PICO PARK』を開発した三宅俊輔氏が教える、インディーで協力型ゲームを作るときのパターンと注意点【IDC2023】
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友達や家族と一緒にプレイする協力型ゲームは、近年はインディーゲームでも増えてきています。その中でも『PICO PARK』は全世界で400万本を超える販売本数を誇り、ビデオゲームを扱うTV番組でもよく登場するほどのヒットを記録しました。

「Indie Developers Conference 2023」では、そんな『PICO PARK』を開発した、TECOPARKの三宅俊輔氏が登壇。講演「『PICO PARK』で見る協力プレイの形」にて、協力型ゲームを作りたいクリエイター向けに、どのような協力型の遊び方があるか、そして協力プレイで問題を起こさないようにするための工夫などを解説していきました。

協力型プレイのバリエーション

三宅氏は『PICO PARK』のさまざまなステージの事例を紹介しながら、協力型プレイには現在どのような種類があるかを解説しました。

■フォーメーションプレイ

初めに言及されたのは、プレイヤー全員で特定の形を作ってクリアを目指すプレイです。『PICO PARK』では他のプレイヤーの上に乗っていって、橋を作ってスイッチを押しに行くなどの遊びを提供していました。このフォーメーションプレイでは、多数のプレイヤーの協力を促すために、ステージのギミックやアイテムの配置などがポイントになるようです。

■ロールプレイ

こちらは目的を達成するために、プレイヤーそれぞれが異なる役割でプレイしていくもの。多くのメジャータイトルでもおなじみの協力プレイで、『Dota 2』や『League of Legends』といったMOBAや、MMORPGで敵を引きつけるタンクや攻撃のDPS、回復のヒーラーを担当するゲームプレイなどなど、多くのプレイヤーが理解しやすい協力プレイの形です。

■複数人駆動プレイ

たとえばゴールの前に一人では動かせないような大きな岩が立ちふさがっており、他のプレイヤーと協力することで動かしていくようなプレイのことです。非常にわかりやすく、協力プレイに誘導しやすいものでしょう。

■シェアリングプレイ

参加プレイヤー全員で、体力など共通したリソースを運用しながら、目標を達成するプレイです。こちらはプレイヤー全員がリソースに注意しながら、仲間うちで相談しつつ遊べる魅力があります。

■合算プレイ

プレイヤーひとりひとりの行動の結果を合計して、最終的な合否を判定するプレイです。本作の具体的な事例として、プレイヤー全員がストップウオッチを止めたときの合計タイムが、指定されたタイムを越えないようにできるか、というステージが紹介されました。こちらは一人一人のプレイヤーの努力を促す協力プレイが作れると見られます。

■連鎖プレイ

プレイヤーそれぞれの行動に干渉し、連鎖させ、目標を達成するプレイです。『PICO PARK』ではボールのバウンドをつないでいって目標まで持っていくという、連鎖プレイの事例が紹介されました。

■タイミング合わせプレイ

名前の通り、プレイヤー全員が特定のタイミングに合わせて操作するプレイ。プレイヤー同士が「せーの!」という掛け声で合わせやすく、わかりやすい協力プレイが魅力になります。ただし、オンラインでのこういった協力プレイを提供したい場合、タイミングをシビアにしすぎるとラグの問題があるため注意が必要とのことです。

■大縄跳びプレイ

参加したプレイヤーの誰かがミスしてしまうと、やり直しになるシビアな協力プレイです。これは、たとえば『ファイナルファンタジーXIV』のようなMMORPGにおけるハードなゲームプレイのときに発生するプレイであり、プレイヤー個々人のプレイスキルに依存しやすく、協力している感覚は他と比べて低めになるそうです。

■拡張分割プレイ

もともとシングルプレイで遊べるようなものを、多くのプレイヤーと協力しながらプレイするもの。たとえば『PICO PARK』ではブロック崩しに似たステージがあり、これをたくさんのプレイヤーで攻略していくものとなっています。ダイナミックで楽しいゲームプレイが期待できるでしょう。

■『PICO PARK』には実装していない、その他の協力プレイの事例

講演ではその他にも『PICO PARK』にはない協力プレイのかたちも紹介されました。たとえば「効率化プレイ」は、一人でもできるが複数のプレイヤーと協力することで効率が良くなるもの。『マインクラフト』の資源集めなどが分かりやすいでしょう。また、「情報補完プレイ」という、プレイヤーそれぞれが持っている情報が違うため、ボイスチャットなどで情報を伝えあってクリアを目指すものも紹介されました。こちらは2人プレイ専用のパズルアドべンチャーゲーム『違う冬のぼくら』が該当するそうです。

失敗の責任で面白さが損なわれないようにするには?

以上の協力プレイのバリエーションは、プレイヤー同士が協力して目標を達成する面白さを説明していますが、一方でチームの誰かのミスが他のプレイヤーのストレスになってしまうリスクもあります。


《葛西 祝》

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