実際の戦争やSFが入り込んだテーブルトップのゲームプレイの進化とは―Steam Digital Tabletop Fest 2021パネルディスカッションレポート | GameBusiness.jp

実際の戦争やSFが入り込んだテーブルトップのゲームプレイの進化とは―Steam Digital Tabletop Fest 2021パネルディスカッションレポート

ゲームシステム発展の歴史を俯瞰し、「ゲーム」から「ロールプレイング」への変化、業界の今後の展望について議論が交わされました。

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10月21日から25日までの4日間にわたり、ゲーム配信プラットフォームSteamにて、卓上ゲームを題材にした作品のイベント「Steam Digital Tabletop Fest | RPG Edition 2021」が開催されました。期間中は新作ゲームの実況配信とともに、開発者によるパネルディスカッションも行われました。今回はその中から「From Chess to Dragons - The Evolution of Gameplay」をピックアップ、ウォーゲームの起源からゲームデザイン発展のあり方について議論が交わされました。

司会

Wheels/テーブルゲーム情報サイトDicebreaker

登壇者

Tim Fower/Fowers Games「『Burgle Bros.』)

Lynne Hardy/Chaosium(「クトゥルフの呼び声 」「Rivers of London RPG」)

Phil Gaskell/Ripstone(『Chess Ultra』)

Jon Peterson/ゲーム史研究者

ウォーゲームの起源からD&Dまで:実際の戦争がゲームに入り込む

Photo by Joshua Yospyn/For The Washington Post via Getty Images

ディスカッションの冒頭はPeterson氏による「ダンジョン&ドラゴンズ」に至るまでの系譜の解説から始まりました。いわゆる「ウォーゲーム」と呼ばれるジャンルの初期に遡ります。

Wheelsウォーゲームの元祖はSF作家H.G.ウェルズによる「Little Wars」になるのでしょうか?

Jon強いて言えばそうですね。チェスから派生したウォーゲーム自体は18世紀後半からあり、作家のロバート・ルイス・スティーブンソンが1880年に甥とミニチュアを使ったゲームをしたと書き残しています。
市販されたウォーゲームと言う点では「Little Wars」が最初です。ミニチュアの兵士を使って戦場のシミュレーションを行うルールが定められていました。
(参照:Little wars : a game for boys from twelve years of age to one hundred and fifty and for that more intelligent sort of girls who like boys' games and books
市販においてファンタジーの戦闘を導入したのはゲイリー・ガイギャックス(D&Dの共同発案者)の「チェインメイル」でした(1971年、ファンタジーはサプリメントとして同梱)。対戦の枠組みがあり、ドラゴンやオーク、魔法使いの魔法をどのようにシュミレートするかを定義しました。これがデイヴ・アーネソン(D&Dの共同発案者)に衝撃を与え「ブラックムーア」の制作につながります。

Timガイギャックス「以前」と「以後」ではどのような違いがあるのでしょうか?ウェルズはダイスを使いましたか?

10/13/1931-New York, NY: H. G. Wells, novelist of history, seen above abaord S. S. Aquitania on his arrival in New York, Oct. 13, 1931./Getty Images

Jonいいえ、「リトルウォーズ」ではミニチュアに弾丸を詰めて実際に発射させていました。当たって兵士が倒れれば撃破ですね。近接戦では兵士を相殺し合って数の優劣で決まりました。ウェルズの目的は世界大戦でどのような出来事が起こるかを教えるためでした。もちろん彼は平和主義ですし、出版が1913年ということを鑑みてください。
これとは別にダイス自体はチェスから分化した18世紀からあり、ドイツでは19世紀にダイスを使用したシミュレーションモデルを作っています。最も有名なのはCharles A.L.Tottenの「Strategos」ですが、それが市販ゲームに入ってくるのは1960年代、70年代です。

Chess Game Between Bobby Fischer and Boris Spassky/Getti Images

Phil実際の戦争がゲームの性質に影響するということでは、第一次世界大戦の後では、人々がチェス盤の上で「血を流す戦争」をし始めましたね。チェスは勝利だけが重要ではないのに、戦争がルールや戦術に入り込んだのです(冷戦時代、米ソ対立はチェスの勝敗にも及んでいた)。実際に弾丸を発射するのは面白いですね、無くしてしまったら恥ずかしいです(笑)

Photo by Haywood Magee/Picture Post/Hulton Archive/Getty Images

ゲームの題材として登場するものは戦争シミュレートから、「チェインメイル」以降ファンタジー小説にシフトします。大戦後の「指輪物語」ブームもかなり大きかったようです。

Jonトールキンだけではないですが、「D&D」におけるホビット(ハーフリング、初版ではホビットとなっていた)はそのまま「指輪物語」から持ってきたものですし、1966年に文庫本として紹介され、NYベストセラーのトップに躍り出たのは、アメリカにおけるトールキン人気の記念碑的出来事でした。「チェインメイル」にドワーフやエルフを出したらどうなるだろうと考えるのは自然なことです。
他にもポール・アンダースンの「折れた魔剣」、少年時代から様々なファンタジー小説が大好きで、フリッツ・ライバーなど多くの作家の要素をガイギャックスは作品に取り込んでいます。「D&D」出版の2年後には作家と共同で「Tékumel」を制作するなどしています。マイケル・ムアコックやジャック・ヴァンスなどトールキンが引き寄せた波に乗ったスター作家たちですね。トールキンだけではないということです。

Photo by Ollie Millington/Getty Images

WheelsChaosiumのフラッグシップである「クトゥルフの呼び声」もラヴクラフトからですね。現在の作品におけるファンタジー、SFの影響はどのようなものでしょうか。

Lynneたくさんです。面白いのは「クトゥルフの呼び声」で興味を持った人たちがラヴクラフトの小説の方へ「逆流」していったことです。Modiphius社の「Dune」や「英雄コナン」、Chaosiumであればマイケル・ムアコックの「ストームブリンガー」、私が携わったジャック・ヴァンス「終末期の赤い地球」を原作にした作品など、題材として文学作品は密接に関わっています。フィクションとの関わりが無ければゲームが現在のように豊かなバリエーションは持ち得なかったでしょう。

Wheels一方でチェスのようなクラシカルなゲームにはテーマ性はなく、純粋な「ゲーム」として独自の進歩を続けていますね。

Philこちらには時代性がありませんよね。『Ultra Chess』は純粋にチェスであり、何も変えるところはありません。ある種の美しささえ持っています。見た目ももちろんですが、戦略、そしてゲーム性においてもです。「クイーンズ・ギャンビット」を観れば分かるでしょう。チュートリアルを受ける初心者でも、ポーンの成りや駒の動かし方は誰もが知っています。アンパッソンまではさすがに少数ですが、「とりあえずチェスをやってみよう」と言っています。シンプルあり続けること、そして「ゲームの王様」というのが素晴らしいですね。

Photo by Simon Hayter/Toronto Star via Getty Images

機能のみにそぎ落とした抽象ゲームとは対照的に、テーブルトップゲームはビジュアル面がゲーム性と結びつくようになります。ロールプレイングの没入感を高めるために、ルールブックや同梱物はより豪華に、より重く変わります。

Lynneこの50年ほどでゲームは大きく様変わりしました。会社に所属するアーティストは限られているので、追いつかなくなることもありますね。それでもロールプレイングにはビジュアル面がとても重要で、プレイヤーはより美しく凝ったものを求めています。要求のハードルは相当高いですが、プレイヤーが思い描いたことを表現できるようにするため、期待と必要性のバランスをとるのがとても大変です。

Wheelsテーマ性の深さはビジュアル面だけでなくゲームメカニクスなどあらゆる面に関わってきます。Timは「Burgle Bros.」でミッドセンチュリーのクライムムービーを取り上げましたがうまくいっていると思います。実際にゲームにする上でよかったことと苦労したことは何でしょうか。

Photo by Matej Divizna/Getty Images

Timゲームのトーンを決める上でミッドセンチュリーのものに数多く触れました。懐かしさもあってまとめるのは大変でしたが。クラシック映画のようで今振り返っても楽しいものでした。ゲームの中でプレイヤーの違う一面が現れるようにしたのですが、その中で気づいたことがあります。
ロールプレイングでもビデオゲームでも、プレイヤーは仮面をつけて普段の自分とは違う役になりきって遊びます。役を入れ替えて繰り返しているうちに試されるのは、「その状況で自分はどうしたいのか」です。映画の中でもそれを自問自答するシーンが好きですね。違う方法やカタルシスが用意されているかはわかりませんが。

Wheelsテーマ性が重視されるようになったことはゲーム史における転換点だといえるでしょうか?

Jonアヴァロンヒル時代のウォーゲームでは複数のシナリオが同梱されており、それが後からモジュールを追加できるように発展しました。システムと舞台設定の間にモジュール性を設けた場合、得られる特性と失う特性が出てくるのです。
1980年代に見られるのは、「ベーシック・ロールプレイング」(Chaosium社におけるTRPGの基本システム)のような大枠を用意し、そこから「クトゥルフの呼び声」などのルールブックを作ってその世界を深掘りするというやり方です。これによって同時代のスーパーヒーローものからゲーム市場の勝者が根本からシフトし、追随して「ガープス」も登場します。これらのゲームデザインは、プレイヤーが体験したい物語を紡げるように作られています。

Lynne「River of London RPG」では「BRP」ベースを強くし、よりシンプルで初心者になじみやすいものを目指しています。私たちは新規プレイヤーの獲得に滅入っていて、欧米では「D&D」が幅をきかせていますし、日本ではTRPG=「クトゥルフの呼び声」と思われている節があります。

オリジナルゲームにアレンジを加えて様々に派生させられる可能性が示されると、ファンコミュニティでハウスルールが積極的に作られるようになります。「『D&D』で遊んでいるものは誰もいない」という言葉に表されるように、プレイヤーが自由にルールをカスタマイズして遊んでいます。

アレンジと盗作の境界線 :ゲームデザイナーは「泥棒カササギ」?

Photo by Matthew Lloyd/Getty Images

次のトピックはデジタルゲームとテーブルトップの関わりについて。『Ultra Chess』のようなデジタル化においても、ゲーム展開を巻き戻してやり直せるなど遊び方に大きな変化をもたらしました。

Wheelsデッキ構築型ゲームの登場は『Slay the Spine』のように、テーブルトップ、デジタル両方において大きな変革でしたね。どちらも経験したTimはどう感じましたか?

Timテーブルトップ業界の良いところはパブリックドメインが豊富にあり、誰でもそれらを健全に利用できることです。2008年の「ドミニオン」からデッキ構築を誰でも取り入れられるようになったことは、関連するあらゆる分野において革命的な出来事でした。『Slay the Spire』がデジタルにしかないのでれば、それをテーブルトップ側に取り入れてみようと、今私は「Paperback Adventure」のKickstarterを始めています。デジタルと実物はコインの表と裏のようにお互いを高め合っているのです。
デジタルと実物には一つ大きく違いがあり、デジタルの場合はゲームの処理が「ブラックボックス」となって、プレイヤーは結果しか確認できません。実物の場合は処理はプレイヤーかゲームマスターが行い、その過程を見られます。テーブルトップが面白いのは、全てが目の前に揃っているにも関わらず、組み合わせ次第で予想もしなかったことが発生するからです。

WheelsビデオゲームのシステムにもTRPGが関わっているのは明確で、『バルダーズ・ゲート』は「D&D」に基づいていますし、最近では『Disco Elysium』がまさしくTRPGをプレイしているような感覚です。それらのシステムに影響を及ぼしたことについて何か思うところはありますか?

Lynne実を言うと、私も様々なところから影響を受けながら作っています。ゲームデザイナーは“泥棒カササギ”みたいなものでしょう?(笑)様々なところからアイデアを借りたり盗んだりして、もちろんビデオゲームの影響も大きいです。“交雑”の機会を狙ってお互い何をしているか見ていますし、「クトゥルフの呼び声」の公式ビデオゲーム化にはChaosiumも携わって要素を落とし込んでいます。

JonTSR社(「D&D」の版元)は『The Pool of Radiance』でデジタル進出のパイオニアになっていますね。D&Dをベースに小説やコミックを出版し、デジタルゲームにもなっている。源泉は共有していても、異なるターゲット層に向けて異なるアウトプットをしています。それが1990年代における会社の拡大戦略で、後の『バルダーズ・ゲート』にも繋がるのです。
もう一つの良い例が「D&D」の第4版です。『World of Warcraft』やそれに続くMMOにおいて、パーティーを組むときにタンクやアタッカー、ヒーラーなどの明確な役割分担が設けられました。これは間違いなくTRPGから持ち込まれた概念です。すると今度は「D&D」第5版でクールダウンが導入され、これは逆にビデオゲームからTRPGへ入ってきたものですね。

Wheels「ゲームデザイナーは“泥棒カササギ”」という話が出ましたが、ポップカルチャーの好きな作品から影響を受けてゲームを制作することについてどう思いますか?

Timゲームデザインは料理をするのと同じで、ゲームデザイナーでなくても新しいアレンジや組み合わせを試してもいいんです。何か新しい味、例えばピーナッツバター味やチョコレート味が食べたいと思ったら、素直にそれを加えていいんです。繰り返しますが、パブリックドメインやクリエイティブコモンズであればとても健全ですし、お互いに高め合うことでビデオゲームにおける「クローン」を作るようなことはまずしないでしょう。少なくともボードゲームギークの世界においては「盗作」は滅多に起こりません。

Jonクリエイティブ・コモンズと盗作の線引きは難しいところですが、もちろんゲームメカニクスにも特許と著作権はあります。コンピューターゲームではいくつも訴訟が起きているものの、独自のグラフィックスやテキストを用意するなら自前で出版してもいいという20世紀からの暗黙の了解があります。特に私が研究している同人カルチャーにおいて、セルフパブリッシングのアマチュアデザイナーたちはそこに自分のアイデアを注いでいます。戦闘システムをこうしたらどうか、こう変えてみては、など、私が見たところガイギャックスの「チェインメイル」もそれらを集めたものだと言えます。「パクリ」とは誰も思わず、皆で共有する「クリエイティブ・コモンズ」だったのです。

Tim「D&D」第3版(d20システム)がオープンになったときにも、山のように自由な創作が生まれてとても驚きました。

Wheel一方でこのところ「D&D」や「Warhammer」はIPを守る方向に入っているようですが、これまでのような自然な進化の機会が失われてしまうことはないでしょうか?

Philゲームデザイナーならより創造性を発揮させるまでです。既存のものから影響を受けるのは構いませんが、明らかな盗用はだめでしょう。そこから学び、もっと変えてやろう、もっとうまくやれるとしなくては。音楽におけるコード、映画における物語の類型と似たようなもので、ゲームデザインが似ていると誰かが怒ったとしても「違うゲームメカニクスだ!」と言い張りますよ(笑)

Lynneオープンゲームライセンスにする企業もあり、その枠組みの範囲でならセルフパブリッシングも可能です。あえて自由にすることでブランドを強くする方法も理に適っています。

Wheelダイスにも裏の面があるように、数多くのコピーキャットがあるのも事実です。オープンになっていない「D&D」第5版や2d20システムを明らかに模倣しているものも見受けられます。

Jon「M:tG」が登場したときにも似たようなカードゲームがたくさん現れました。結局のところそこから新しいイノベーションが起きるかどうかによるでしょうか。公式の範疇にせよそうでないにせよ、ヒットしたものは真似したくなるものです。IPをどうやって守っていくかは各社それぞれに違う姿勢があるので、私からはなんとも言えませんね。

テーブルトップゲームのこれからについて、まず挙がったのはARでした。Oculus Quest 2の普及もあり登壇者たちも興味はあるようですが、ソフトウェアに委ねてしまうことにはまだ懐疑的なようでした。

Tim興味深いものではあるけれど、この『仮面』を被ってしまったら仮面の奴隷になってしまいそうです。AIがダンジョンマスターになり台詞まで用意してくれて、AI相手に冒険ができる。新しいと同時に変な気分です。

Lynneインディーゲーム市場から見れば面白いフィールドです。この技術を利用すればインディーマーケットの領域を広げられますし、後でメインストリームに引き上げられる可能性もあります。

Photo by Mat Hayward/Getty Images for Dungeons & Dragons

Phil私たちはあくまでもボードゲームにこだわっています。ボードゲームは摩耗させてもいっても構わないもので、また遊ぶときにはそれが積み重なっていきます。ロックダウンが終わって久しぶりに家へ人を招いたとき、彼らは盤や駒を神聖なもののように教わってきたのでしょう、破れたりしないようためらっていました。思い切り千切ったりマーカーで塗ったりしたり、それらがメディアで遊ぶ醍醐味だと思いますし、面倒だと思ったルールは破っても構わないんです。

Timゲームの扱いに慣れていない人にとっては少々勇気がいることですね。私がAmazonにいたときはそれを研究していて、プレイヤーにスマートフォンへキスさせようとしていたんです。実際にあるものを手に取ることで情感が洪水のように溢れてきて、童心に返ったような気持ちになりますね。

ディスカッションの振り返り

Photo by David Jennings/Digital First Media/Boulder Daily Camera via Getty Images

Wheel広いスパンでゲームの系譜を辿ってきましたが、テーブルトップゲームの流れを変える上でマイルストーンとなる重要なものは何だったと思いますか?

Phil私としては「Warhammer」とそのバトルルールの登場だと思います。余裕がさえあればどこまでもミニチュアの数を増やせますし、そうでなければペラ紙で代用します。私は友人たちと貯金をしてルールブックを購入しましたが、後になって遊ぶためのミニチュアがないことに気づいたんです。

Lynne出版形式の変化です。セルフパブリッシングプラットフォームの急速な普及ですね。ゲームデザイナーの敷居を低くし、アイデアさえ持っていれば多額の投資をせずとも、居心地のいい自宅に居ながらにして多くの買い手に頒布できます。

TimKickstarterは大きな変化です。今まではゲームを作るとなればまず銀行へ行き、売れ行きの予測などを立てていましたが、これはかなりのリスクが伴います。今ではどれくらいの人が興味を示すのか直接見ることができ、実力主義の世界に変わりました。

Jon「D&D」と言いたいところですが、ここではライスヴィッツの話をしましょう。1824年に軍事演習教材として考案した「クリークスシュピール」には現在のゲームに通じる特徴が2つありました。1つは中立の審判がいて、プレイヤーは駒を直接動かさずに、部隊をどのように動かすかを審判に申告します。審判は戦術戦略に長けた人物で、指示の結果どのような結果になったかを計算し報告します。この会話のやりとりに加え、ダイスによるランダム性を取り入れたのがもう1つ。遠距離から弓兵やライフル兵が射撃を行ったらダメージはどうか、ダイスを振ってダメージ表に反映させます。これらが全ての起源であると位置づけられるでしょう。


Photo by Keystone/Getty Images

1時間という短い時間でしたが、歴史を遡ることで戦争シミュレーションからファンタジーへの移行、そしてゲームデザインがプレイヤーに委ねられていく過程が紐解かれました。そして、ビデオゲームとテーブルトップが両輪のように遊びの発展を牽引しており、ビデオゲームのRPGのデザインにはTRPGが欠かせなかったと言っても過言ではないでしょう。日本ではテーブルトップは狭い市場ですが、その中に次世代の遊びを生み出すお宝が見つかるかもしれませんね。

YoutubeではDigital Tabletop Festで行われたその他のパネルディスカッションも掲載されており、酒をテーマにしたゲーム、アーサー王神話について取り上げた会もあります。こちらもぜひご覧ください。

《Skollfang@Game*Spark》

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