プレイ時間に大きな変化…新型コロナがゲームユーザーに与えた影響をデータから読み解く | GameBusiness.jp

プレイ時間に大きな変化…新型コロナがゲームユーザーに与えた影響をデータから読み解く

ゲームのマーケティングリサーチとコンサルティングを手掛けるゲームエイジ総研のコンサルタントに「新型コロナウイルス感染症」がどのようにゲーム市場に影響を与えたか、貴重なデータを元に分析してもらいました。

市場 調査
(Photo by Carl Court/Getty Images)
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(Photo by Carl Court/Getty Images)
(C)Getty Images

E3やgamescomといった大規模なゲーム見本市のオフライン開催が中止になり、いくつかの作品では開発にも直接的な影響がでるなど、ゲーム業界にも甚大な影響を与えている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

一方で、海外では外出制限や教育機関の休校措置で余暇時間が増え、ゲームをプレイする時間が増えているといった報道も散見されるようになりました。はたして日本においては、実際どのような影響があったのでしょうか?

ビフォーコロナとの変化が分かりやすい1~3月期のユーザーの動きを深掘りすべく、編集部ではゲーム業界のマーケティングリサーチやコンサルを手掛けるゲームエイジ総研のシニアコンサルタント堀浩也氏、コンサルタント木戸篤志氏にインタビューを敢行しました。激動するゲーム市場において、家庭用ゲーム、モバイルゲームの個別タイトルの動向を追いつつ、市場全体を俯瞰して分析してもらいました。

本インタビューはZoomを通じて収録。スクリーンショット左上が堀氏、下が木戸氏、右上は筆者。

なお、本取材で公開されたデータの一部はゲームエイジ総研の公式サイトにて無料で公開されています。あわせてご覧ください。

資料のダウンロードはこちら

コンシューマーゲームに目立った変化はないが『あつまれ どうぶつの森』でスイッチユーザーが大幅増


――改めてゲームエイジ総研について教えてください。

堀浩也氏(以下、敬称略)ゲームエイジ総研は、40万人以上のゲーム調査専用のリサーチパネルをもち、ゲーム業界特化のマーケティングリサーチとコンサルティングをしています。コンシューマーゲームにおいてはパネルを活用したインターネットリサーチに加え、日本全国1200サンプルの郵送留置も毎月行い、市場分析をしています。

また、後ほどお話するモバイルゲームのデータ分析については、2019年より「iGage」というサービスの提供を開始しました。このサービスでは、パネルを通じたインターネット調査だけではなく、許諾を得たユーザーのアプリの起動ログを掛け合わせることで、今までよりも精度の高い分析を行っています。

――お二人ともリサーチ畑のご出身なんですか?

私は、元々コンサルティング調査会社にいたんですが、そこからゲーム会社に移ってゲームエイジ総研にきました。今はデータ解析とマーケティング全般に携わっていて、「iGage」のシステム開発も担当しています。木戸くんは、もともとネット系のマーケティングリサーチ会社出身だよね?

木戸そうですね。2019年の9月に入社しまして、立ち上がったばかりの「iGage」を拡販するコンサルティング営業をしています。

私も木戸もリサーチベースのマーケティングというものをメインでやってます。

――では、早速コンシューマーゲームの市場動向について伺います。ちょうどコロナウイルスが騒がれ始めたのが1月末から2月上旬、そして多くの学校が休校措置となった3月とビフォーアフターがよく分かると思うのですが、家庭用ゲームにはどのような影響があったのでしょうか。

木戸まず前提として、コンシューマーゲームにおいて重要な指標は二つあります。一つは我々が独自で調査している「アクティブユーザー数」、そしてもう一つがよくメディアでも取り上げられる「販売台数と販売本数」です。後者についてはKADOKAWA Game Linkageさんが保有しているデータなので、今回はアクティブユーザーの変化から、コロナウイルスがどのような影響を与えているかを分析してみます。


上のグラフは各プラットフォーム別のアクティブユーザー数の推移を時系列で追ったものです。アクティブユーザーの定義は「ゲーム機を保有していて、月一回以上起動したユーザー」となります。基本的に家庭用ハードは、ご想像のとおり年末年始(主に年末商戦)で、販売台数を伸ばします。例えば2019年の12月だとニンテンドースイッチが約57万台、ニンテンドースイッチライトもほぼ同じくらい売り上げていて、PlayStation 4は約25万台売り上げています。PS4の数字は11月と比べると約6倍と大幅に販売台数を伸ばしました。

しかし、ユーザー数に大きな変化は見られません。つまりPS4に関しては販売台数がダイレクトにユーザー数に影響するというわけではなく、ほぼ変化がないことが分かります。

――そうですね。PS4については、売上ではスイッチと差はあれど、アクティブユーザーについてはほぼ変化はないと。

木戸それに対してスイッチは12月で爆発的に売れて、その影響を分析していますが、やはり1月、2月で大幅にアクティブユーザーが増加しています。

――ざっと100万人近いユーザーが増えている計算ですよね。このグラフでは過去最高を記録しています。

木戸3月のデータがグラフに反映されていませんが、後ほどお話する『あつまれ どうぶつの森』の効果でさらにこのユーザー数は増えていると考えています。

ここでコンシューマーゲームについてまとめておくと、新型コロナウイルスが指定感染症となった2月時点ではそこまでユーザーの動向に大きな変化は見られません。ハード別には、PS4はアクティブユーザー数で見ればほぼ横ばいであまり販売台数に影響は受けておらず、スイッチについては年末商戦を好調に終えたことが、その後のユーザー数に大きなインパクトを与えています。

そして3月ですが、正直PS4とスイッチに関しては目立った販売台数の変化はありませんでした。一方で、スイッチライトはあり得ないほどに売れています。数値にすると平常月で20万台程度、年末年始で40万台程度の売上だったのが、3月では62万台の売上を記録しました。これは新型コロナウイルスの影響だけではなく『あつまれ どうぶつの森』のリリースが大きく寄与しているのではないかと。


――スイッチライトが好調なのはスイッチの供給が間に合わないことも影響しているのでしょうか?それともソフトのインパクトが大きいのでしょうか。

木戸私の分析では、ソフトの動きが大きいと思います。やはり2週間足らずで260万本売り上げるモンスタータイトルですからね。スイッチライトを購入するユーザーが同時に『あつまれ どうぶつの森』を購入しているというデータもあるので、そのように考えています。もう一点、スイッチライトのアクティブユーザーは女性が非常に多いことも、それを裏付けるデータになるのではないかなと。


――確かに他のハードと比較しても女性のユーザーが多いですね。

木戸PS4だと男女比は8:2くらいで、スイッチも女性は多いのですが4割には届きません。唯一4割を超えるのがスイッチライトなんです。(2020年1月時)装着率の高さも考慮すると、多くの女性ユーザーが『あつまれ どうぶつの森』をプレイしたくて本体と一緒に購入した結果、アクティブユーザー数の増加に繋がったという仮説が立てられると思います。

PS4は男性ユーザーが圧倒的

あと、実はスイッチは10代のユーザー多くて、スイッチライトは20代~30代のユーザーが多いんですね。

ニンテンドースイッチのユーザー層

――結構意外なデータですね。ニンテンドー3DSなどをメインにプレイするユーザー層(10代前半)をイメージしていたので逆の印象です。

木戸会社員が多いのも特徴で、腰を据えてテレビでプレイするというよりは、手元で気軽に遊べるという点でも作品の特性とマッチしているのかもしれません。

――貴重な情報をありがとうございます。そのほか3月には学校の休校措置も全国的に本格化した時期だと思いますが、そのあたりの影響はあったのでしょうか?

木戸このあと堀からモバイルゲームの動向もお伝えするのですが、両方に共通して言えるのは、結果的にアクティブユーザーの数に変化はなかった。ただしプレイ時間に大きな差が出てきているということですね。コンシューマーゲームについてはそこまで厳密にプレイ時間まで取得できていないのですが、販売台数やソフトの売上含めそこまで「これがコロナの影響だ」と言い切れるほど明確な差は出ていないというのが現状です。ただ、モバイルゲームの分析もあわせると、確実にプレイ時間には影響があるだろうと推測されます。


《宮崎紘輔》

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