初の東京開催となった「シーグラフアジア2018」を振り返る…CGやインタラクティブのみならず、VRやアートへのクロスオーバー | GameBusiness.jp

初の東京開催となった「シーグラフアジア2018」を振り返る…CGやインタラクティブのみならず、VRやアートへのクロスオーバー

初の東京開催となった「シーグラフアジア2018」。4日間に渡って開催されたこのイベントは、多彩なカンファレンスと展示会がセッティングされていました。今回はそんなイベントを総括します。

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アジア最大のCGに関するカンファレンスと展示会である「シーグラフアジア2018」。2018年12月4日より東京国際フォーラムにて4日間に渡り開催された本展示会では、多様なセッションと展示が行われました。

今回は“クロスオーバー”をテーマに、アニメーションや映画、ビデオゲームに使われるCGはもちろんのこと、VRやAR技術、さらには業界における仕事のスタンスについてのセッションが行われました。

展示会でも各メーカーから技術の展示があったほか、VRの体験会からCGアーティストの展示などバラエティーに富んでいました。今回は初の東京開催となった「シーグラフアジア2018」のまとめをお届けします。

世界各国から参加者が集う


提供: SIGGRAPH Asia 2018

シーグラフアジアは、これまでも日本で横浜や神戸で開催され、今回はじめて東京での開催となりました。東京国際フォーラムの会場には様々な国から参加者が集まっており、会場を運営するスタッフの多くも英語圏の人間です。シーグラフアジアをはじめて取材した筆者が、スタッフに質問するとき会話で少し戸惑うこともありました。

カンファレンスを受講したときも、まわりの受講者を見渡すと韓国や中国から来た方も見受けられました。アジア各国からの参加者も多く、実際にカンファレンスでもアジアでのCG業界の盛り上がりを伝えるセッションもあり、業界の盛り上がりを感じさせました。

各業界にCGに関してのカンファレンス


提供: SIGGRAPH Asia 2018

今回のカンファレンスでは、著名な映画に関わる多くのスタジオが登壇し、CG技術の最先端についてのセッションが行われました。アニメーションから実写映画でいかに使われているかという事例が紹介され、充実したカンファレンスになりました。

今年、日本で公開された「インクレディブル・ファミリー」を制作したピクサー・アニメーション・スタジオからは、キャラクターの作り方やアニメーション制作ツールについて説名。また「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」の裏側についても詳しいセッションが行われました。

「アベンジャーズ/インフィニティウォー」のVFXを担当したWeta Digitalでは、俳優の演技を「いかにCGで作られたキャラクターに反映するか」というテクノロジーについて解説されました。会場でのQ&Aでも「日本とはレベルが違いすぎて……」という意見も上がるほど、レベルの高い内容が伝えられたのです。

またCGや技術が、こうしたアニメーション制作や、ビデオゲームにとどまらないことがわかるセッションもありました。株式会社サイバーエージェントのセッションでは、インターネット時代の広告クリエイティブを行うため、高いクオリティのものを大量に作るために、CG技術を導入していったことを説明。普段スマートフォンやパソコンで見る広告でも。大きな変化が起きていることが伝えられました。

NHKと共同で制作した例もありました。『ファイナルファンタジーXV』を制作したLuminous StudioとNHKが 「NHKスペシャル 人類誕生」についてのセッション行うなど、全体を通して様々な業界とCG技術とのクロスオーバーが見られたカンファレンスとなりました。

CGビジュアルからアートに至るまでクロスオーバーした展示会



シーグラフアジア2018では、豊富な展示も見どころでした。東京国際フォーラムに入って最初に観ることができたのは「映像制作の仕事展」です。これは映画やテレビなどで使用される映像作品に関わる、コンセプトアーティストやマットペインター、特殊メイクアップアーティストたちの作品を展示する区画です。


「ブレードランナー 2049」や「デッドプール2」などに関わったコンセプトアーティストの田島光二氏の作品をはじめ、数多くのアーティストが立体作品や背景美術を展示していました。中にはコンセプトアートに括られない、美術作品にまで手を広げたものもあり、多彩な展示となっていました。


地下1階で行われた展示場では、各メーカーのブースを連ねています。やはり目を引く展示はVRです。ここではVRを体験している人に風を当てるなど、仮想空間をどれだけ現実のように感じさせるかといった技術が披露されていました。

中には実際にVtuberを演じているブースもあり、流行りも反映されています。


AR技術も興味深い展示がいくつかありました。面白かったものは、小学生でもわかるように作られたプログラミングの展示です。これはコードが簡単なパネルになっており、カメラの前に並べることで簡単なプログラミングが可能。プロジェクター上の蜘蛛が、プログラムに沿って図形を描いてくれる仕掛けになっています。パネルの並べ方によってさまざまな図形を描くことができ、ブースの担当者が「子供が遊ぶと、面白おかしく並べるおかげで、思わぬ図形ができて驚きました。」と言ったことが印象的でした。



さらにアートとクロスオーバーした展示も見られました。テクノロジーをテーマにした造形作品などが数多く公開。アートという視点から、テクノロジーの姿を別の形に見せています。中には胡弓に似た楽器を使い、コンサートを行う一幕もありました。このように展示会でもテクノロジーのお披露目に限らない、多彩な視点を提供していたと言えます。

テクノロジーの展示会とは思えない、音楽を披露する時間も


シーグラフアジア2018の取材を終えて


提供: SIGGRAPH Asia 2018

シーグラフアジア2018は、CGやVRといったテクノロジーの最先端がどのようになっているかをうかがうことができただけではありませんでした。業界の現場をいかに良い方向へ持っていくかといった、働き方の問題にも言及されたカンファレンスや、さまざまなジャンルを越境した展示会など、決してテクノロジーのみに括られないテーマをもった点が印象に残るイベントとなりました。
《葛西 祝》

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