4K/8K時代に必要な映像技術と先行事例…これから必要になるものとは【シーグラフアジア2018】 | GameBusiness.jp

4K/8K時代に必要な映像技術と先行事例…これから必要になるものとは【シーグラフアジア2018】

「シーグラフアジア2018」にて、開催された4K/8K技術のセッション「Beyond Human Vision: The Future of 4K and 8K」。人間の視覚を超える超高画質な映像とはどのようなもので、どのような体験を我々に届けてくれるのでしょうか。

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CG・インタラクティブ技術の国際会議「シーグラフアジア2018」にて、4K/8K技術のセッション「Beyond Human Vision: The Future of 4K and 8K」が実施されました。このセッションでは、NHKやNTT、そして名古屋テレビ、大阪芸術大学などからスピーカーが登壇。人間の視覚を超える超高画質な映像とはどのようなもので、どのような体験を我々に届けてくれるのでしょうか。




はじめに登壇したNHKの三谷公二氏は、8KプロジェクターでNHKの「4K8KPR 新しい世界へ~上原ひろみver」映像を披露しました。2018年12月1日に始まったNHKの4K/8K衛星放送は、現時点で4K放送がBSで18チャンネル、8K放送が1チャンネル存在します。



8K映像の特徴としては、従来のディスプレイより高い解像度やHDR(High Dynamic Range)機能に加え、120fpsでの表示、22.2マルチチャンネル、12bitの階調表現、Rec.2020の色域があります。

現在の2K解像度は1980×1080ですが、4Kは2Kの4倍となる3840×2160、8Kは2Kと比べると16倍である7680×4320という高い解像度を持っています。加えて視聴距離と視野角は、2Kが視野角30度/視聴距離3H、4Kが視野角60度/視聴距離1.5H、そして8Kが視野角100度/視聴距離0.75Hと近づける距離と表示範囲が広くなっています。
※Hは(テレビの)画面高を指し、2Kではテレビ画面の高さの3倍の距離が最適な視聴距離であることを示しています。つまり、解像度が高くなるほど、より近い距離で視聴しても画素が気にならずより高い没入感を得ることが出来るのです。



色域も2Kより広く、2Kでは白飛びと黒つぶれしている色が4K/8Kでは濃淡のある色として認識可能。明るさの幅となるダイナミックレンジも2Kより広くなっています。



8K映像を撮影するカメラは、ステディカムとドローンカメラ、スパイダーカメラの3つ。また映像制作から実際に放送するための制作装置には8K OBトラックやオーディオトラック、8Kシステムカメラ、8Kマスタールーム、8K編集ルーム、8Kレコーダーがあげられており、設備投資も必要になります。



現在NHKの4K/8K放送では、エンターテインメントやアート、音楽、ドラマ、スポーツ、科学といったバラエティに富んだ番組が放送されています。BS 8Kは、No.1クオリティのフラッグシップチャンネルと位置づけられており、オリジナルかつ独占プログラムで構成し、1日12時間放送中。一方のBS 4Kは、ハイクオリティの選りすぐりの番組を盛り込み、地デジとサイマルで1日18時間放送しています。


最後に「Amazing Nature in YELLOWSTONE」と、「LOUVRE: The Eternal Beauty」の2作品の映像を披露しました。

4Kコンテンツの作品制作「Amazing Dinoworld」での事例



次に壇上へ上がったNHKの日高公平氏は、「Making the 8K VFX of “Amazing Dinoworld”」と題して、8KVFXの制作事例を紹介しました。初めに、2009年に放送されたドラマ版「坂の上の雲」や4K解像度で制作された2017年放送の「精霊の守り人」を披露。

日高氏によると、8K解像度ではリアリティの高いCGを表現できる一方、表現する部分が細かくなるためHD解像度より16倍もの費用が掛かってしまうのだそう。



ここで2019年に放送予定のドキュメンタリー番組「Amazing Dinoworld(英題)」の映像を紹介しました。制作環境は、MayaやHoudini、Nukeなどを使用しています。8K映像における1フレームのdpxファイルには、127個のjpgファイルが入っているためファイルサイズが膨大になってしまうとのこと。



最後に日高氏は「8K解像度は高いリアリティを持ったCGを表現できますが、簡単に制作できるわけではない」と語ります。しかしながら、「8Kの映像には、2K解像度に戻れないほどの魅力とポテンシャルがある」と述べ、講演を終了しました。


4K/8K解像度時代におけるビデオコーデックとは?


続いて壇上へ上がったのはNTT メディアインテリジェンス研究所の坂東幸浩氏です。4K/8K時代でキーテクノロジーとなるH.265/HEVCのコーデックについて講演が行われました。現在ブルーレイなどはH.264コーデックが利用されていますが、H.265はより動きに強く、同じビットレートでもブロックノイズの画の潰れが目立ちません。



続いてHEVCエンコーディングのベーシックフレームワークを紹介。インター予測については、予想誤差を減らすためブロック分割やサブピクセル分割、そしてマージモードといった技術が使われています。



HEVCとH.264のエンコーダーによるブロック分割にどのような違いかあるかも解説されました。H.264では、最大16×16までのブロックサイズしか扱えず、そのバリエーションも少ないものの、HEVCでは64×64サイズのより大きいブロックサイズまで扱えるだけでなく、多様な形に分割できることも特徴となっています。




ローカルTVによる4K/8Kコンテンツの作成


続いて、ローカルのテレビ局である名古屋テレビから村田実氏が登壇し、地方局における8Kコンテンツの活用例を紹介しました。例として映されたのは、須磨海浜水族園で動物を撮らえた「That’s学スマ~ト水族館」の映像です。



8K映像は高精細な画質であるため見映えは良いものの、一方でノイズの問題が生じることもあります。特に、暗いカットでは画素が荒くなりがちだそうです。対策としてノンリニアプラグインを活用し、暗闇で起こるノイズを処理するのですが、そのプロセスが重くなりがちであると説明しました。



他にもローカル局の試みとしてNCC長崎文化放送によるお祭りの様子を撮影した8K映像も披露。8Kで撮影した映像は、白や黒潰れが起こらず明暗により強くなっていることが示されました。

■水中での8Kカメラを運用した技術を説明


次は大阪芸術大学の赤木正和氏により、8K水中撮影の解説が行われました。大阪芸術大学には直径16mの全天周実験ドームがあり、目下そのドームに投影するコンテンツを制作しているとのこと。そうした取り組みのなかで、歪曲/収差/補正なしのドーム型カメラが開発されました。



大型の8Kカメラと魚眼レンズを収納できる容器を設計。8Kカメラで撮影された、海底の魚群や珊瑚など海の表情をより豊かに映した映像も上映されました。



■8K解像度が作りだすズームアップに耐えるコンテンツ


本セッションの最後は、NHKのCGエンジニアであるKaori Kikuchi氏による8Kインタラクティブアプリケーションの説明が行われました。8K解像度でNMAPS(気象データに関するビッグデータを分析し、天候を可視化するシステム)を用いれば、降水量や範囲を細かく確認できます。



加えて8K解像度でのコンテンツ「8K Searchin’ Safari」や、「Where’s Pedro?」や「8K Brain Tour」のプレイ映像を紹介し、講演を終えました。




映像制作分野だけでなく、ゲーム開発においても見過ごすことができない4K/8Kの技術。テレビでの放送が始まったことで本格的に4K/8K時代が到来しそうです。ちなみに本セッションでは、会場に8Kプロジェクターが設置されプレゼンが行われていました。

《G.Suzuki》

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