コーエーテクモホールディングスは、平成28年3月期第3四半期決算を発表しました。 売上高と営業利益は、品質向上のため一部タイトルの発売時期を延期した影響などにより前年同期を下回りましたが、株式相場が堅調に推移したことに加えて、受取配当金が一時的に増加したことで有価証券関連損益が伸長。これらによりグループの当期業績は、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益については第3四半期累計期間としては6期連続の増益を達成し、経営統合以来最高の業績となっています。 ■平成28年3月期第3四半期の連結業績 【期間】平成27年4月1日~平成27年12月31日 ※()内%表示は、対前年同四半期増減率 ・売上高:225億4200万円(△6.4%) ・営業利益:39億3700万円(△19.0%) ・経常利益:95億1700万円(3.9%) ・親会社の所有者に帰属する四半期利益:68億3000万円(4.6%) セグメント別に見ていくと、ゲームソフト事業では、国内においてPS4/PS3/PS Vitaソフト『ソフィーのアトリエ ~不思議な本の錬金術士~』が好調な販売を記録。PS Vita/PCソフト『信長の野望・天翔記 with パワーアップキット HD Version』や、アジア向けにはPCソフト『討鬼伝 極』が発売されました。 グループが開発を担当したスクウェア・エニックスのタイトルでは、国内でアーケード『ディシディア ファイナルファンタジー』が稼働を開始したほか、欧米向けにPS4/PCソフト『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』をリリース。任天堂との共同開発によるWii Uソフト『零 ~濡鴉ノ巫女~』の欧米版も発売されました。 ダウンロード販売は、欧米でのホリデーシーズン向けの施策が奏功し、Steamを通じた売上が伸長。また、PS4/PS3/Xbox Oneソフト『DEAD OR ALIVE 5 Last Round』の基本無料版の累計ダウンロード数が全世界で500万を突破し、コンテンツ販売も堅調に推移しています。 さらに、シブサワ・コウ氏による監修のもと、NHK大河ドラマ「真田丸」に『信長の野望・創造』のCG技術が提供され、戦況説明の映像表現として活用されています。 オンライン・モバイル事業では、ソーシャルゲーム事業は、国内において『AKB48の野望』をMobageへ、『のぶニャがの野望』をコロプラへ新たに提供するなど、マルチプラットフォーム展開を推進。また、有力IPとのコラボ展開やラジオ番組と連携したキャンペーンが好評となり、主力の「100万人」シリーズや『AKB48の野望』が伸長しました。 海外では『大航海時代V』が好調を維持。台湾では『ぐるぐるダンジョン のぶニャが』のサービス展開が決定しています。 オンラインゲーム事業は、PS Vitaソフト『真・三國無双 Online Z』をサービス開始するなどの施策を行い、各タイトルとも底堅く推移しました。 メディア・ライツ事業では、ネオロマンス20周年記念作品としてPS Vita/PSPソフト『アンジェリーク ルトゥール』を発売し、「ネオロマンス・ハロウィンパーティー 2015」、「ネオロマンス 20th アニバーサリー・フィナーレ」など各種イベントを開催しました。第4四半期以降に発売を予定しているタイトルの開発費が先行して発生したことからセグメント損失が生じています。 ■平成28年3月期第3四半期連結累計期間のセグメント別売上高 【期間】平成27年4月1日~平成27年12月31日 ※セグメント間の内部売上または振替高を含む ※()内%表示は、セグメント利益または損失 ・ゲームソフト事業:131億7700万円(26億1800万円) ・オンライン・モバイル事業:53億400万円(9億7400万円) ・メディア・ライツ事業:17億8000万円(△4800万円) ・SP事業:12億1400万円(4億6800万円) ・アミューズメント施設運営事業:9億5800万円(5600万円) ・不動産事業:6億2800万円(2億4500万円) ・その他:9500万円(2400万円) 合計:231億5900万(43億3800万円) 第4四半期は、ニンテンドー3DS『ゼルダ無双 ハイラルオールスターズ』や、PS4/PS Vita『DEAD OR ALIVE Xtreme 3』、PS4/PS3/PS Vita『進撃の巨人』をはじめ、注目度の高い家庭用ゲーム機向けタイトルが多数並んでいます。時代と逆行するように国内における家庭用ゲーム機向けソフトで売上を伸ばし続けるコーエーテクモホールディングスの勢いは第4四半期も続きそうです。
《津久井箇人 a.k.a. そそそ》