またUnityとCocos2d-x向けには、それぞれ「SSPlayer for Unity」「SSPlayer for Cocos2d-x」など、各々のゲームエンジン向けバージョンが用意されており、自社のゲーム開発環境にあわせて最適化が可能です。特にゲームエンジン自体がオープンソースで提供されているCocos2d-xでは、タイトルにあわせてゲームエンジン側に手を入れられているケースが多いため、嬉しい仕様でしょう。
もともと「拡散性ミリオンアーサー」はある開発会社によって開発・運営業務が行われていましたが、諸事情によって現在の運営会社が業務を引き継ぐことになりました。ところが、クライアント部分がOpenGL ES 1.xを活用した独自フレームワークで実装されていたのです。そのためツールやプログラムがブラックボックス化し、運営会社が望む追加要素の実装が困難でした。抜本的な変更が不可欠だったにもかかわらず、運営に手をとられて運営会社の社内では対応が難しい事態に。そこでヘキサドライブがサポートすることになったのです。
むしろ問題になったのは、「SSPlayer for Cocos2d-x」の実行速度の遅さです。その遅さは致命的で、まったくゲームにならないほど。そこでコードを検証してみると、フレームごとにスプライトのデータ生成を繰り返していることがわかりました。さっそく事前にまとめて生成するように改良し、軽量化に成功しました。
そこで奥田氏は「アルファブレンドと加算ブレンドしか使用しない」「カラーブレンドは乗算のみ」というように、処理を限定したと説明しました。前述のようにオリジナル版の描画部分はOpenGL ES 1.xベースでプログラミングされており、複雑なブレンド処理をしていませんでした。なまじSSPlayerが高性能だったために、処理の低下を招いていたのです。
続いて「SS5Player」シリーズでは、新たにParadoxEngineへの対応が発表されました。シリコンスタジオが自社開発したゲームエンジンで、モバイルなどに加えてPS4などのコンソール機にも対応しており、オープンソースで配布されます。シリコンスタジオ自身による「SS5Player for ParadoxEngine」の開発が進行中だとされました。
またCocos2d-xでは、当初「SS5Player for Cocos2d-x」をv3.x専用としていましたが、あらたにv2.x系と両対応になるとのこと。UnrealEngine4向けの「SS5Player for UnrealEngine4」の開発も順調に進行中で、ファイルをインポートすると、アセット形式を自動で変換してくれる機能が加わるそうです。
Unityの対応も強化されます。Unity2D向けコンバーター「SS5Converter for Unity2d」です。SpriteStudioから出力される「.sspj」ファイルを、Unity2Dの形式に変換するUnityスクリプトで、これも SDK由来 とのこと。GitHubで公開が予定されています。
最後にDSP Anime用のプラグイン「DSP Anime for SpriteStudio」も紹介されました。DSP(Dynamic Sound Packs)はtsugiが展開するSE作成ツールで、「DSP Anime」はそのアニメ版。GUIベースのシンプルなUIで、アニメ風ゲームに必要な効果音をプロシージャルに作成できます。「DSP Anime for SpriteStudio」を使用すると、SpriteStudioの出力データから効果音を自動生成できるのです。これで、さらなる表現の幅が広がりそうです。