【CEDEC 2013】PSVitaでもF2Pのマーケットは成立する〜『拡散性ミリオンアーサー』の事例報告 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2013】PSVitaでもF2Pのマーケットは成立する〜『拡散性ミリオンアーサー』の事例報告

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8月23 日に行われたCEDEC 2013において、株式会社スクウェア・エニックスの古川雄樹氏と株式会社ビサイドの南治一徳氏は「拡散性ミリオンアーサーをPS Vitaに展開した事例について」という報告を行いました。
  • 8月23 日に行われたCEDEC 2013において、株式会社スクウェア・エニックスの古川雄樹氏と株式会社ビサイドの南治一徳氏は「拡散性ミリオンアーサーをPS Vitaに展開した事例について」という報告を行いました。
  • 8月23 日に行われたCEDEC 2013において、株式会社スクウェア・エニックスの古川雄樹氏と株式会社ビサイドの南治一徳氏は「拡散性ミリオンアーサーをPS Vitaに展開した事例について」という報告を行いました。
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  • 8月23 日に行われたCEDEC 2013において、株式会社スクウェア・エニックスの古川雄樹氏と株式会社ビサイドの南治一徳氏は「拡散性ミリオンアーサーをPS Vitaに展開した事例について」という報告を行いました。
  • 8月23 日に行われたCEDEC 2013において、株式会社スクウェア・エニックスの古川雄樹氏と株式会社ビサイドの南治一徳氏は「拡散性ミリオンアーサーをPS Vitaに展開した事例について」という報告を行いました。
8月23 日に行われたCEDEC 2013において、株式会社スクウェア・エニックスの古川雄樹氏と株式会社ビサイドの南治一徳氏は「拡散性ミリオンアーサーをPS Vitaに展開した事例について」という報告を行いました。

ご存知の通り『拡散性ミリオンアーサー』はスクウェア・エニックスが手がけるスマートフォンの人気ゲームです。古川氏と南治氏は本作のキャラクターが大きく描かれたTシャツを来て登場。どちらかと言えば、お固い雰囲気のCEDECですが、カジュアルに聞いて欲しいということから、事前に準備していた特製Tシャツだそうです。

講演の内容は大きく分けて2つ。まず最初に古川氏から『拡散性ミリオンアーサー』の紹介と海外展開などについて説明されました。その後、南治氏からPS Vita向け開発についての報告が行われました。

■海外でも好調な『拡散性ミリオンアーサー』

最初の講演者である古川雄樹氏は、2010年に株式会社ケイブにて箱庭ソーシャルゲーム『しろつく』を手がけ、その後、2011年に『くにつく』をリリース、2012年5月にスクウェア・エニックスに入社。2013年4月から『拡散性ミリオンアーサー』のPS Vita版に携わっています。

スクウェア・エニックスでは名物プロデューサーとして知られる安藤武博氏が率いる特モバイル二部に配属されています。本部署は、モバイルを主軸として、枠組みを超えて様々な市場にいち早く挑戦することをモットーとしているそうです。

次に『拡散性ミリオンアーサー』の紹介がなされました。本作は「とある魔術の禁書目録」などで知られる小説家の鎌池和馬氏がシナリオを、アイドルソングやアニメソングで活躍している前山田健一氏がBGMと主題歌を担当するスマートフォン向けのカードバトルRPGです。

すでに韓国・台湾・中国での海外展開を行っており、2013年7月時点で全世界のユーザー数が600万人を突破。PS Vita版も好調で10万人を突破しています。特に韓国での活躍がめざましく、カカオトーク系のアプリが強い中、App Storeで1位、Google Playで2位を獲得しています。運営会社は各地域によって異なっており、韓国の運営会社はオフラインイベントに力を注いでいるそうです。台湾や中国でもApp Storeで2位を獲得するなど好調。中国市場はAndroid用のダウンロードプラットフォームが多数あるため、非常に混沌としていますが、圧倒的なユーザー数がいるそうです。

今回、PS Vita版をリリースしたきっかけはシンプルなものです。ひとつには、コンシューマ機で何かをリリースしたいというもの、もうひとつはPS VitaでF2Pというシステムに挑戦してみたかったというものです。

2012年の夏に安藤プロデューサーを中心にPS Vita版の企画が立ち上がり、秋から開発開始。2013年4月11日に配信開始しました。配信時期はスマートフォン版の一周年記念に合わせたそうです。

PS Vita向けの開発では、Android版のソースをベースにしています。初めてプレイした人は入りやすく、スマートフォンで遊んでいる人には異なる主人公を遊んでもらうために、スマートフォン版とワールドは別なものにしたそうです。

開発における苦労話としては、スマートフォンからの展開ということでボタン操作に合わせたUIを開発する必要があったこと、画面比率を16:9に調整すること、PS Vitaでリリースするための申請や規約の確認に時間がかかったことが挙げられました。これらの詳細については後半の南治氏の講演で報告されました。

また実際に運営をしてわかったPS Vita市場の特徴についても指摘されました。第一に新規ユーザーの獲得が非常に難しいことです。スマートフォンと異なり、ユーザー獲得には雑誌の純広告がメインとなり、さらにコラボレーションのイベント施策を重視しました。他方、PS Vitaのユーザーの課金率は高く、比較的にゲームに対してお金を支払うことへの抵抗が少ないことがわかったそうです。

さらに利用状況が大きくスマホ版と異なることもわかりました。具体的には自宅のWi-Fi経由で遊ぶユーザーが多く、スマートフォン版とは異なる顧客を取り込めているそうです。そして次々に新しいソーシャルゲームが出てくるスマートフォンプラットフォームと異なり、継続した利用者が多いのも特徴だと指摘されました。

開発に関する反省点としては、クライアントソフトの容量が大きすぎて、1〜2時間という想定以上の初回ダウンロード時間がかかったことです。また配信日を優先としたスケジューリングであったため、デバッグ期間がやや短く、細かい不具合が発生したそうです。

今後の展開としては、スマートフォンと差別化するためPS Vita版独自のアップデートを予定しています。さらに現在の課題は集客であるため、様々なタイトルとコラボレーションも予定しています。また「拡散性ミリオンアーサー」以外にも、今後はPS VitaにF2Pタイトルが増えることを、古川氏は予想しています。

iOS、Androidというスマートフォンプラットフォームの次の展開先にPS Vitaは適しており、今後はスマートフォンの移植作が増える可能性もあるといいます。そのため、特モバイル二部では、これからのスマートフォンアプリではPS Vitaに移植しやすい横画面のゲームの強みが増したと考えているそうです。

最後に、今後のゲーム産業におけるF2Pの重要性を古川氏は指摘しました。月間8,000万円の売上のあるF2Pタイトルは、実質年間10億円の収益を挙げていることになり、単純計算ではコンシューマタイトルが30万本売れたことになります。昨今の日本のゲーム産業では30万本はミドルヒットと呼べる状況であるため、スマートフォンを中心とした多くのF2Pタイトルは成功しているのだと、古川氏は開発者にエールを送りました。

■オリジナルのリソースを生かしたPS Vita向けの移植

講演者は交代して、南治氏からPS Vitaへの移植作業についての詳細が報告されました。株式会社ビサイドの代表取締役の南治一徳氏は『どこでもいっしょ』シリーズを手がけたクリエイター。現在は『拡散性ミリオンアーサー』の開発後、運営を任されております。

「トロ」というキャラクターを生み出した南治氏が『拡散性ミリオンアーサー』の開発と運営に関わるというのは、意外な組み合わせに思われるかもしれませんが、きっかけはUnityのイベントにあったそうです。Unity Asia Bootcampでたまたま側の席に座ったスクウェア・エニックスの方から、『拡散性ミリオンアーサー』の移植についての相談がなされ、トントン拍子で話が進んだそうです。

安藤プロデューサーから「ミッション」としてPS Vita版の短い期間での開発とともに、運営も任され、2013年の春に無事に完成。会場ではPS Vita版のオリジナルPVが公開されました。

次に具体的な移植作業について説明されました。ソースとしては、当初はiOS版のObjective-Cのものしかありませんでしたが、Android版がリリースされ、C++のソースが利用できました。そのため、大幅に工数を減らすことが可能になりました。サーバーのプログラムは既存のものを利用していますが、安定した古いバージョンのものを改良して利用しています。移植の方針としては、できる限り、オリジナルのリソースを活かすことであったと、南治氏は述べています。

グラフィックスに関しては、PS VitaはSCEの独自ライブラリが備わっていたため、OpenGLのラッパーライブラリを制作することで対応。使用しているAPIに限定して、ラッパーを対応させ、なるべく既存のソースを活かす形にしました。グラフィックスに関しては、特別な問題は少なかったそうですが、唯一の障害点としては、フレームバッファの数が、PS VitaのSDKでは制限されており、これを回避する必要があったそうです。またα付きのindexed color PNGの画像を多用したため、OPTPiX imesta7が有用なツールになったそうです。

ネットワーク周りでは、PS VitaのSDKにはUIWebViewがなく、Webのレンダリングに関しては外部アプリを呼び出す必要がありました。また通信エラーや切断時の対処に関して、SCE側が定めた詳細な規定があるため、審査を通過するためには多くの工数がかかったそうです。

PlayStationプラットフォームのネットワークサビースであるPSNのレギュレーションも細かく定まっており、ログイン画面、招待コードの発行などには手間が取られたそうです。これらの細かい規定に沿うのは、スマートフォン開発と比べると非常に大変ですが、通信面での環境はとてもセキュアであるため、チート行為なども防げると南治氏は振り返っています。

また古川氏はスマートフォンで普及している招待コードやチケットコードなどに補足を加えました。現在のスマートフォンアプリでは、特別なコードを発行してアイテムを配るというプロモーションが一般的ですが、PSNでは独自の招待コードを発行することは禁じられています。そのため、SCEにプロダクトコードを発行してもらう必要がありますが、スマートフォンに比べると非常に時間がかかります。雑誌などの付録としてプロダクトコードを発行するためには、1ヶ月前からの準備が必要だと、古川氏は説明しています。

次にPS Vitaならではの追加要素が説明されました。まず、頻繁に使う操作に物理ボタンを割り当てました。さらに画面サイズを16:9にワイド化。背景グラフィックスもリッチなものになっています。またホログラムのように光るカードや新しいスキルのムービーも追加されました。夏に向けたバージョンアップでは、「PPSシステム」と呼ばれるキャラクターの胸が揺れる演出が付加されました。

最後に南治氏はマルチプラットフォームの展開先としてのPS Vitaについてコメントしました。現状、PS Vita版『拡散性ミリオンアーサー』はそれなりに好評であり、ユーザーの継続率も高いそうです。そのため、iOS、Androidの次のプラットフォームとしてPS Vitaを選択することは非常に現実的であると指摘しました。
《今井晋》

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