【カジュアルコネクトアメリカ2013】業界大手のジンガがF2Pのゲームデザインメソッドについて語った | GameBusiness.jp

【カジュアルコネクトアメリカ2013】業界大手のジンガがF2Pのゲームデザインメソッドについて語った

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ゲームデザインはビジネスモデルによって大枠が規定されます。3分100円のアーケードゲームと、一度買ったらすきなだけ遊べる家庭用ゲームでは、「人を楽しませる」という根幹は同じでも、自ずとゲームデザインが異なってきます。同じことは基本プレイ無料のF2Pゲームでも同じですが、まだまだ業界的にノウハウの蓄積が不足しており、真似ゲーが横行しているのが事実です。

こうした中で業界大手のジンガでは、どのようなデザインポリシーを有しているのでしょうか。元EAでジンガに移籍し、看板ゲーム『FarmVille 2』の開発にもかかわったティム・ルトーノー氏は「F2Pゲームをデザインする時に考えている3つのこと」と題して講演し、その概要をあきらかにしました。

はじめにルトーノー氏はミケランジェロの名画『アダムの創造』を引き合いに出し、「この名画もパトロンの発注によって描かれた『コマーシャル・アート』であり、ゲーム制作と変わらない」と切り出しました。商業芸術であるからには、クライアントの意図を無視することはできません。ゲーム開発に引き寄せて考えれば「会社に儲けさせること、少なくとも損をさせないこと」となります。

その上で「古典的な有料ダウンロードゲームとF2Pゲームの最大の違いは、全ユーザーに等しく課金されるか、一握りのユーザーが課金を負担するかだ」と説明し、ゲームデザインもその点を配慮する必要があると解説。具体的には「中長期にわたって運営されることを前提に開発する」「経済感覚を持つ」「ソーシャル要素を考慮する」という3点を気にかけていると語りました。

「中長期にわたって運営されることを前提に開発する」とは、流通に納品したら売上が立つのではなく、ユーザーに長く課金してもらうことを通して、開発費をリクープする必要があることを意味します。そのためにはゲームデザインを拡張可能なものに当初から設計しておかなければなりません。『FarmVille 2』でいうなら、「農場は生きており、水を中心とした生態系の概念があり、プレーヤーは生きたコミュニティの一員である」ことを念頭においてゲームデザインが行われました。「玉ねぎのように芯をしっかりさせ、その周囲に要素を重ね合わせていくことが重要です」

続いて「経済感覚を持つ」では、ユーザーに繰り返し遊んでもらいながら課金できるように、以下のことを考慮に入れて開発する必要があるとしました。すなわち「一日で何回プレイさせるか」「一回のプレイ時間はどれくらいが適正か」「エグくない消費モデルとはどういったものか」「思わず課金したくなる要素とは何か」「運と技術のバランスは適正か」「KPI解析の自動化はどのように行うか」などという事柄です。「事前に考えておく必要がある事柄はたくさんあります。これらをいい加減にデザインすると、あとでしっぺ返しを受けます」(ハビン氏)

最後に「ソーシャル性」については、人と人とのかかわりを「相手に気づく」「一緒に何かをする」「継続してコミットメントする」「コミュニティを築く」という4段階に分けて、より高みに登らせるような仕掛けを入れ込む必要があると語りました。そして最後に「何を作るかは簡単だが、誰に遊ばせるか・彼らはなぜ、そしてどのように遊ぶのかを考えることは難しい」と語り、公演を締めくくりました。
《小野憲史》

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