ゲームと映画から考える海外と日本の感性の違いとは・・・黒川塾(19) | GameBusiness.jp

ゲームと映画から考える海外と日本の感性の違いとは・・・黒川塾(19)

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6月26日、ゲーム業界の恒例イベントである黒川塾が開催されました。第19回目のテーマは「ゲームと映画の創造性と、その未来へ」です。同じエンターテイメント産業として発展してきたビデオゲームと映画ですが、それぞれの世界の共通点と相違点はどこにあるのでしょうか
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6月26日、ゲーム業界の恒例イベントである黒川塾が開催されました。第19回目のテーマは「ゲームと映画の創造性と、その未来へ」です。同じエンターテイメント産業として発展してきたビデオゲームと映画ですが、それぞれの世界の共通点と相違点はどこにあるのでしょうか。

ゲーム業界からはグラスホッパー・マニファクチュア代表取締役の須田剛一氏が参加。先日、ロサンゼルスで行われたE3では謎の新作『LET IT DIE』を発表、世界から注目を集めるゲームデザイナーです。映画業界からは日活プロデューサーとして『ヤッターマン』、『冷たい熱帯魚』、『凶悪』といった話題作を手がけてきた千葉善紀氏が参加。さらに映画、ゲームともに造詣が深いグラフィックデザイナーでありライターの高橋ヨシキ氏も登壇。いつにもまして濃い登壇者が揃った黒川塾となりました。

■大人もハマれる洋ゲー

映画プロデューサーでありながら、最近はもっぱらゲームばかりしているという千葉氏。今日も発売されたばかりの『Watch Dogs』をプレイしたくて仕方ないとのこと。そんな千葉氏がゲームにハマるきっかけは、高橋ヨシキ氏からカプコンのゾンビゲーム『デッドライジング』をオススメされたからだそうです。

「ゾンビ映画好きならデッドライジングは決定版。やってないほうがおかしい」と語る高橋氏。その言葉につられて、XBox360とともにソフトを購入したのが始まりでした。今では高橋氏よりもゲームをプレイすることが多くなった千葉氏ですが、お気に入りはやはり映画的な魅力にあふれている海外のゲームであり、Rockstar GamesのGTAシリーズや『レッド・デッド・リデンプション』といったタイトルです。

西部劇の世界を描いた『レッド・デッド・リデンプション』


千葉氏にとっては、映画は1800円で2時間という比較的コンパクトなエンターテイメントなのに対して、ゲームは10時間以上楽しめるリッチなコンテンツであるといいます。そして、リアルなグラフィックスのAAAタイトルはまさに大人のための極上のエンターテイメントであり、もっと日本の大人の方にも楽しんで欲しいと訴えました。

それに対して、黒川氏はなぜ日本のゲームにはそういった魅力が足りないのかといった質問を投げかけました。高橋氏はRockstar Gamesの独特なライティングに言及。リアル系のグラフィックスは光量を強める傾向があるが、Rockstar Gamesはフィルターなどで人間が実際に見る映像に近づけているのではないかと指摘しています。

また須田氏はRockstar Gamesのグラフィックスの理想はやはり映画にあると説明します。スタジオの創設者であるハウザー兄弟の母は女優であり、彼らは子供の頃から多くの映画に親しんだそうです。またハウザー兄弟は、来日するたびにマニアックな日本映画を探すほど、研究熱心であるそうです。

映画的なゲーム作りで定評のある須田剛一氏


こうした映像に対する意識の差は、映画の世界にもゲームの世界にもあるそうです。黒川氏は日本映画のライティングの弱さを、須田氏は海外のゲーム業界におけるライティングアーティストの地位の高さを指摘。ライティングひとつを取ってみても、映像に対するこだわりの差が浮かび上がってきました。

■絵作りにおける文化の違い
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さらに高橋氏は映像への意識の違いが、西洋と東洋の文化から生まれているのではないかという議論を紹介しました。一般に西洋美術と東洋美術の違いは、影を重視するのか、輪郭を重視するのかといった点で説明されます。こういった議論が通俗的なものであると認めつつも、実際に日本で育つクリエイターには輪郭によって描く漫画の影響が強く、アメリカで育つクリエイターは影を描写するアメコミ等の影響が強いのではないかと、高橋氏は指摘しました。

アメコミの巨匠であるフランク・ミラーなどの作家には、日本の劇画の影響もあるため、それらの分類はそれほど単純ではないと高橋氏は補足します。しかしながら、ライティングやカラーリングの趣味嗜好の多くは、やはり文化から作られているのではないかと指摘されました。

一方、日本で生まれ育ったクリエイターである須田氏も、自身の背景に永井豪などの日本の漫画の影響があることを認めています。しかしながら、いつも独特な表現を目指しており、そこではジャンルにとらわれず、ゲーム、映画、漫画、プロレス、ロック、アイドルというものが並列して存在しているそうです。

千葉氏は映画プロデューサーとして非常に個性が強い日本の監督と仕事をしてきました。彼らを北米向けに売り出すために、千葉氏は過激なアクション、バイオレンス、ホラーといった要素を全面に打ち出してきました。世界のトレンドに合わせるのではなく、海外の日本好きが好きな要素を過剰に取り入れ、それを「スシタイフーン」という映画レーベルにパッケージング。「日本オリジナルものを外人に売りつける」という姿勢で取り組んできたそうです。

映画プロデューサーの千葉善紀氏


そのような千葉氏の活動をゲーム業界の中で真っ先に評価したのが須田氏。千葉氏にとっては、アクが強い世界観で海外での人気が高い須田氏は、自身と同じく「日本オリジナルものを外人に売りつける」ように映ったそうです。意気投合した二人は、ぜひとも一緒にゲームを作りたいと展望を述べています。

■洋画劇場からゴアスプラッターまで多様なコンテンツと才能を求めて
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話はここで地上波テレビの「洋画劇場」に移りました。昨今の地上波では、ほぼ消えてしまった洋画劇場ですが、高橋氏はそれらの番組が与えた影響の大きさを指摘しました。アクション、バイオレンス、ホラー、エロスといった大人向けのコンテンツが渾然一体となっていた洋画劇場ですが、それらの体験があったからこそ、ディープな映画好きになっていったと高橋氏も千葉氏も語っています。

グラフィックデザイナー・ライターの高橋ヨシキ氏


それに対して今の時代は、コンテンツの量も多く、選択肢も多様です。結局、何を摂取したらいいのかわからなくなり、人々はランキングやレビューサイトといった手段に逃げているのではないかと、高橋氏は指摘しています。ランキングやレビューサイトといった中からは人々は安心して楽しめるコンテツを選択する傾向があるため、個性的な作品との出会いが少なくなるのではないかと高橋氏は主張。名画座の三本立てや洋画劇場といった暴力的に与えられるコンテンツの良さもあったのではないかと振り返っています。

ここで須田氏の新作『LET IT DIE』のトレーラーが公開されました。このトレーラーはE3のソニーのカンファレンスで公開されたものですが、須田氏が言うには「ゴア表現を突き詰めた」そうです。この『LET IT DIE』映像は千葉氏も関わった『地獄甲子園』などで知られる映画監督の山口雄大氏が制作しています。



山口雄大氏は現在、海外で活躍しており、彼自身もコアなゲーマーであるそうです。千葉氏によると、彼は登竜門になる映画祭でも過激な表現の映画を撮影していましたが、なかなか認められることがなかったそうです。海外にはホラーやスプラッターといったジャンルから成功したピーター・ジャクソンやサム・ライミといった監督がいるのにもかかわらず、日本国内におけるそれらのジャンルの扱いは非常に低く、結果として多様なクリエイターがなかなか育たないそうです。

さらにゲーム業界の新人育成に関して黒川氏に問われたところ、須田氏自身は日本のゲーム業界をリードしているつもりはないと述べています。たまたま世界のマーケットに自分の作品を届いたことを強調して、自身のルーツはデビュー作であるファイアープロレスリングシリーズにあり、今でもプロレスラーとして戦っていると話しました。

最後に千葉氏の新作である園子温監督『TOKYO TRIBE』の海外向けの予告映像が初公開されました。普段は映画祭などでバイヤーにしか公開されないバージョンで、海外の映画マーケットでは制作会社がいかに作品を高く売ろうかしのぎを削っているそうです。しかし残念なことに日本映画の海外向け配給権は、一本50万円クラスという低価格で買われているそうです。そのような中、千葉氏は海外向けのパッケージやプロモーションを企画、ポスターは高橋氏が担当しています。

映画とゲームという二つのエンターテイメント業界を横断する今回の黒川塾でしたが、ポイントとなったのはグローバルな感性という問題のようでした。ゴア表現やスプラッター表現といったものは映画でもゲームでも世界的にウケる表現ですが、日本ではやましいものとして自粛の対象となります。それらの表現が受け入れられている理由には、育ってきた文化の差といったものはありますが、それ以上に映画やゲームといったエンターテイメントが大人の文化として根付いているという側面が決定的なもののように感じました。

《今井晋》

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