4万人分析にみるソーシャルゲーム需要層・・・「データでみるゲーム産業のいま」第20回 | GameBusiness.jp

4万人分析にみるソーシャルゲーム需要層・・・「データでみるゲーム産業のいま」第20回

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本コーナーの連載を開始してちょうど20回目となる今回は、ソーシャルゲームというものに対して世間一般の人々がどういった適性を持っており、またそれがどのように類型化されるかという、マクロ視点によるユーザーセグメンテーションデータをご紹介いたします。
  • 本コーナーの連載を開始してちょうど20回目となる今回は、ソーシャルゲームというものに対して世間一般の人々がどういった適性を持っており、またそれがどのように類型化されるかという、マクロ視点によるユーザーセグメンテーションデータをご紹介いたします。
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本コーナーの連載を開始してちょうど20回目となる今回は、ソーシャルゲームというものに対して世間一般の人々がどういった適性を持っており、またそれがどのように類型化されるかという、マクロ視点によるユーザーセグメンテーションデータをご紹介いたします。

以前にも述べたことがありますが、このようなテーマの調査では被験者それぞれの本人意思を単純集計するような手法ではなかなかその本質に迫ることは困難です。そこで、今回も多変量解析を用いたアプローチを試みました。

対象としたのは10歳から59歳までの男女約38,000名。ソーシャルゲームの経験有無はスクリーニング条件としていません。つまり、ソーシャルゲームを現在プレイしている人(現役ユーザー)、かつてはプレイしていたが今はやらなくなっている人(休眠、あるいは卒業ユーザー)、まだソーシャルゲームをプレイしたことがない人(未経験ユーザー)の全てを対象とした調査データです。

【図1】は少々専門的な表現になってしまいますが、「自己組織化マップ(SOM:Self-Organizing Maps)」というデータ解析手法を用いたユーザークラスタリングの解析結果です。手順としては、上記の約38,000名の被験者に、20問ほどのソーシャルゲームに対する考え方・スタンスについての設問に答えてもらい、その回答データを解析しました。ご覧の通り、4色の打点が銀河のように集合しています。杓子定規に説明すると「多次元空間においてベクトルが類似している回答者を選択し、さらにそのベクトルを調整しながら2次元マップにプロットする」ということになるのですが、これでは非常に難解ですので、ここでは「似たような特性(共通因子)を持ったユーザーを並べ替えた結果」というようにシンプルに捉えて頂ければ十分です。それよりも大事なのは「ソーシャルゲームに対する受容度」と「課金感度」という2軸マップ上にご覧のように4つのユーザークラスターが分布しているということです。以下、それぞれのクラスターの特性をまとめます。

●積極課金ソーシャル受容層(赤)・・・ソーシャルゲームが好きで、より深く楽しむためには課金を厭わない
●嫌課金ソーシャル受容層(緑)・・・課金はあまり行わないが、ソーシャルゲームに対するプレイ意欲は比較的旺盛
●無料前提ソーシャル予備軍(橙)・・・基本的にはソーシャルゲームに対して消極的だが、無料であるならばプレイすることもある
●ソーシャル無関心層(青)・・・無料であることさえもプレイのきっかけとはならず、ソーシャルゲームそのものに対して無関心・否定的

このように、ソーシャルゲームというものに対して世間一般の人々を4つのクラスターにセグメンテーションできることが分かりました。ただ、この段階では今一つそれぞれのクラスターの“ユーザーの顔”が見えません。そこで、【図2】では全体の中における各クラスターの構成比と、さらにそれぞれのユーザープロフィールを[性別][年齢][IPS(家庭用ゲーム機に対する先行性)]の視点でまとめました。

【図2】上部の円グラフを見ると、ユーザー全体のうち半分以上(56%:赤+緑)はソーシャルゲームを受容する、逆に言えばソーシャルゲームを忌避しないマインドを持っていることが確認できました。但し、その56%のうちの30%は課金に対して消極的な態度を示しています。このクラスターが4つの中で最も大きいユーザー群です。残りの44%のうち「基本的にソーシャルゲームに対しては消極的だが、無料であればプレイする可能性があるユーザー」と「課金の有無に関係なく、ソーシャルゲームそのものに対して否定的あるいは無関心なユーザー」が約半数ずつという状況です。

さらに、それぞれのユーザーフロフィールの特徴を以下のようにまとめます。

[積極課金ソーシャル受容層(赤)]
・男性が53%と過半数。年齢分布は40歳前後、いわゆる「アラフォー世代」にピークがある。
・家庭用ゲーム機ユーザーの中ではライトユーザーになるほど構成比が高くなる。

「ゲーム専用機非所有者」は「マジョリティ」とほぼ同規模。

[嫌課金ソーシャル受容層(緑)]
・男性が59%と[積極課金ソーシャル受容層]よりも男性比率が高い。世代のピークは[10代前半]。これはユーザーマインドだけではなく、自己決済できないという制約条件に因るところも大きいと思われる。その他の世代は「積極課金〜」と分布傾向が似ている。
・IPS構成は、基本的には「積極課金〜」と似ているが、[アーリーアダプタ]の方が
[ブリッジピープル]よりも多いなど、「積極課金〜」よりもむしろややコア傾向が強く出ている。

[無料前提ソーシャル予備軍(橙)]
・男性が65%と全クラスターの中で突出して男性比率が高い。年齢分布は基本的に若くなるほどユーザー比率が高い。
・IPSは全セグメントほぼ均等に分布。極めて家庭用ゲーム機寄りの構成。

[ソーシャル無関心層(青)]
・男女がほぼ半数ずつ。僅差ながら女性が51%と全クラスターの中で唯一女性が過半数を占める。年齢分布は20歳から40歳くらいまで幅広い。
・家庭用ゲーム機ユーザー比率は「嫌課金ソーシャル受容層」と同じだが、ライトユーザーになるほど規模が大きくなるところが異なる。

4つのクラスターがこのようにそれぞれ異なる特性を持っていますが、その中でも「無料前提ソーシャル予備軍」が一番特徴的なユーザー群であることは明らかです。その特徴には「家庭用ゲーム機」の存在が密接に関係しているものと考えられます。つまり、家庭用ゲーム機に対する関与度が高いため基本スタンスとしてはソーシャルゲームに対しそれほど積極的ではないが、元来ゲームそのものに対する適性は高いユーザー群であるため無料プレイが前提であるならばソーシャルゲームを今後プレイすることもあり得るというユーザー属性を持っていると考えられます。

先日の「コンプガチャ問題」に端を発し、業界全体の「ソーシャルゲーム市場健全化」に向けた動きがここのところ急激に加速しています。これまで成長路線を優先していたソーシャルゲーム市場が、誰でも“安心・安全”に楽しめるものであるということを世に示しそれが認知されたとき、今回の解析結果もまた大きく変わる可能性があります。当社としても、引き続きソーシャルゲーム市場の動きを注視しつつ、随時ここで調査データあるいはそれに基づく考察をご紹介してまいります。

ゲームエイジ総研
『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』 発行人 光井 誠一

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《光井誠一》

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