ゲームを辞めてしまう、その要因を分析する・・・「データでみるゲーム産業のいま」第16回 | GameBusiness.jp

ゲームを辞めてしまう、その要因を分析する・・・「データでみるゲーム産業のいま」第16回

その他 その他

今やゲームがエンターテインメント産業において重要な位置を占めていることは言うまでもありません。しかしながら、このエンターテインメント(娯楽)というものはコモディティ(生活必需品、日用品)ではありません。したがって、加齢や生活環境の変化、あるいは自身の
  • 今やゲームがエンターテインメント産業において重要な位置を占めていることは言うまでもありません。しかしながら、このエンターテインメント(娯楽)というものはコモディティ(生活必需品、日用品)ではありません。したがって、加齢や生活環境の変化、あるいは自身の
  • 今やゲームがエンターテインメント産業において重要な位置を占めていることは言うまでもありません。しかしながら、このエンターテインメント(娯楽)というものはコモディティ(生活必需品、日用品)ではありません。したがって、加齢や生活環境の変化、あるいは自身の
今やゲームがエンターテインメント産業において重要な位置を占めていることは言うまでもありません。しかしながら、このエンターテインメント(娯楽)というものはコモディティ(生活必需品、日用品)ではありません。したがって、加齢や生活環境の変化、あるいは自身の価値観の変化によってゲームをやらなくなる(やれなくなる)ということは誰にでも起こり得ることです。現実に、さまざまなメディアにおいても、昨今のソーシャルゲームの隆盛と家庭用ゲーム機離れを結び付けて語る論調も目立ってきました。果たして実際のところはどうなのだろうということで、今回はこの家庭用ゲームの“離脱要因”に対し「性別」および「世代」を軸に考察いたします。

こういったユーザーの深層心理に関する要因は通常の集計レベルではなかなか顕在化しません。そこで、今回は[コレスポンデンス分析]という解析手法を通じてアプローチを試みました。データの見方・捉え方については、具体的な内容とともにご説明いたします。なお、今回はデータが少々細かいので、別ウィンドウ(別タブ)を開く、あるいはプリンターをお持ちの方はグラフや数表をプリントアウトした上でこの記事を読まれると理解しやすいかもしれません。

最初に【図1】をご覧ください。これは[性別・年齢]と今回の調査設問の選択肢である[家庭用ゲーム機の離脱要因]をクロス集計したものです。一番目につくのは「A:ライフスタイルの変化によるプレイ時間の減少」の比率の高さです。男女ともに10代を中心に若年層ほど比率が高くなっています。10代や20代は、進学(受験)や就職、結婚などライフスタイルに大きな変化が訪れる年代ですので、30代以上の年齢層よりもゲームをしなくなった(しなくなる)理由としてこのライフスタイルの変化が大きな影響を与えていると考えられます。その他では、年齢が高くなるほど、こういった環境面の変化(外的要因)ではなく、「I:ゲームの優先順位が下がった」「J:ゲームに飽きた」「K:時間やお金の無駄だと感じる」といった、家庭用ゲームそのものに対するネガティブ感情(内的要因)が目立ってきます。

このように、全体の大まかな傾向をつかんで頂いた上で、今度は【図2】の[コレスポンデンス分析]に移ります。

まず、この分析手法についてご説明いたします。
[コレスポンデンス分析]は商品イメージのポジショニングなどに使われることが多く、複数の変数間の類似度や関係の深さを調べることに長けた分析手法で、アウトプットとしては散布図によって表されます。“複数の変数”というのは今回の場合でいうと、[性別・年齢]と[家庭用ゲームの離脱要因]の2種類のデータを指します。ちなみに変数が3つ以上でも解析は可能です。こういったグラフを普段見慣れていない方にとっては一見すると複雑で敷居が高いものに映るかも知れませんが、専門的なところはさておき、近くにプロットされているマーカー(要素/変数)ほど類似性・関連性が高いというように直感的に捉えて頂いてほぼ間違いありません。

これらを踏まえて具体的に見ていきます。先ほど【図1】で確認した、若年層ほど「A:ライフスタイルの変化によるプレイ時間の減少」の比率が高いという傾向ですが、コレスポンデンス分析の結果からも「A」の近くに[10-14歳][15-19歳][25-29歳]がプロットされており、関連性が高いことが示されています。しかし逆に言うと、これらの年代ユーザーの近くには「A」以外の離脱要因は見当たりません。つまり、この年代にとっては「ライフスタイルの変化」以外には家庭用ゲームをやらなくなる理由がないということを意味しており、彼ら(彼女たち)は家庭用ゲームに対しポジティブなユーザー群であるということが言えるでしょう。

その上に目を移すと、[20-24歳][30-34歳][35-39歳]の女性の近くに「C:一緒にゲームを楽しむ友人や知人が減った」「D:携帯電話やスマートフォンのゲームを楽しむことが多くなった」の2つの要素があります。しかもこの2つの要素は非常に距離が近く、お互いに関連性が高いことを示しています。この年代の女性にとっては、実際に対面しなくても他ユーザーとのコミュニケーションが図れ、なおかつ手軽に楽しむことができるソーシャルゲームの登場が彼女たちの家庭用ゲームからの大きな離脱要因となっているということが考えられます。

その右を見ると、[35-39歳]男性の比較的近くに「B:ゲーム以外にお金がかかる(本当はプレイしたい)」と「L:恥ずかしい」がプロットされています。こちらは先ほどの女性ユーザーとは違い、本音の部分ではプレイしたいが、それを経済的理由や周囲の目といったものが阻害しているという意味において本質的な離脱要因とは言えず、彼らは基本的には家庭用ゲームに対してポジティブなマインドを持っているユーザー群であると考えられます。

これらの関係性は【図1】の単純なクロス集計では把握しきれませんでした。さらに、ここで注目すべきは先ほどの「A」の近くには同じ世代の男女が集まっていたものが、この年代になると男女間の傾向差が明確に表れていることです。また、20代のうち男女とも[20-24歳]はこちらのエリアに属し、10代から20代の若年層の中でも特異な属性を持っている可能性が高いことも押さえておきたいところです。

その上の40代、50代になると、また男女の差はそれほどなくなり、「K:時間やお金の無駄だと感じる」や「J:ゲームに飽きた」など家庭用ゲームそのものに対し否定的な感情が表面化してきます。

最後に、全体を俯瞰して以下の通り総括します。
・10代と20代後半の男女・・・基本的に家庭用ゲーム機に対して肯定的な感情を抱いている。唯一「ライフスタイルの変化」という外的要因のみがプレイ障壁となっている。
・30代後半の男性・・・潜在的には家庭用ゲームに対するプレイニーズを持ちつつも、経済的理由や周囲の目が阻害要因となっている。
・20代前半と30代の女性・・・ソーシャルゲームという新興マーケットが家庭用ゲーム機離れを誘発している。
※なお、[20代前半の男性]もどちらかというと似たような傾向を示している。
・40代、50代の男女・・・家庭用ゲームそのものに対する否定的感情が目立っている。

このように、通常のクロス集計では顕在化しなかった「家庭用ゲーム機からの離脱に関するユーザーマインド」がコレスポンデンス分析を通じて浮き彫りになりました。ソーシャルゲームが家庭用ゲームに与える影響も一部では確かに見られたものの、それが全てでは決してなく、それぞれの世代が異なる価値観を持っていることが分かりました。これらは、マーケティング戦略はもちろん、ラインナップ編成やゲーム制作にとっても非常に有益な情報であると考えます。

ゲームエイジ総研
コンテンツアナリスト 池田 敬人

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《池田敬人》

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら