【Autodesk×Unity】セガが語るUnityで作るiPhoneゲーム、そしてコンテンツ工学 [update] | GameBusiness.jp

【Autodesk×Unity】セガが語るUnityで作るiPhoneゲーム、そしてコンテンツ工学 [update]

オートデスクとユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは23日、「3DCGツールとUnityによるゲーム開発実践セミナー」を開催しました。

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オートデスクとユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは23日、「3DCGツールとUnityによるゲーム開発実践セミナー」を開催しました。
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オートデスクとユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは23日、「3DCGツールとUnityによるゲーム開発実践セミナー」を開催しました。

セミナーで、セガでチーフデザイナーを務める築島智之氏は「UnityでiPhone向け3Dゲームを作る」と題した講演を行い、Unityを実践で使うに当たって得たノウハウを開帳。会場に集まった約500名の開発者が耳を傾けました。

約10年間、業務用のゲーム開発に携わってきたという築島氏。異動となり現在はスマートフォン向けゲームの開発に取り組んでいるそうですが、少人数でのゲーム作りを満喫しているそうです。セミナー用にMaya2012、Unity3.5で作られた南国の島を舞台にしたようなアクションゲームのデモを持参し、それをベースにiPhone4向けにUnityで快適に(高品質なビジュアルかつ60fpsを)動くゲームの手法を紹介しました。

今回使用されたデモステージ


快適に動くゲームを作るには、ハードの特性を知る必要があります。更にゲームエンジンを利用する際にはゲームエンジンの特性を知る必要があります。「他のハードで常識的だったことがiPhoneやUnityでは常識ではないことがある」とは築島氏の弁です。

まずiPhone4の特徴として挙げられたのは「大きなサイズのテクスチャが使える」という点です。レイヤテクスチャはよく使われる手法ですが、iPhone4では1枚の大きなテクスチャを使った方がコストは低いそうです。ライトマップも有効なので(むしろ頂点カラーはシェーダーがないのでコストが高い)、「ライティングを焼いたカラーテクスチャ1枚が最高」とか。Aniso Levelは上げてもコストに関係ないのでは、とのこと。

iPhone4の特徴大きなテクスチャを1枚使うほうがいい


また、ハードとして高解像度のRatinaディスプレイも特色となります。大体の場合、ゲーム開発は大型のモニターで行なっていくのですが、実機は小さいため「ぼやけた画像でも実機で見ると綺麗な場合もある」とか。

では最適化を行なっていく上で参照するポイントはどこでしょう。それは「Draw Call」数です。Unityでは実行中のDraw Call数をリアルタイムに教えてくれます。築島氏によれば、大雑把な目安として、これが200以上だと15fps程度、100以上だと30fps程度、50程度に納めていれば60fpsが出せるのではないかとのこと。

Draw Callを減らすためにはマテリアル数を減らす、テクスチャ数を減らす(複数のテクスチャを1つにまとめる)というような方法があります。

また、これもリアルタイムに数字を見られるBatchの数も有効だそうです。これはオブジェクトのstaticをオンにしておけば、自動的にオブジェクトをまとめてくれるというもの。ただし多すぎると逆に処理が重くなるため、「50以下が良いのでは?」とのこと。ポリゴンの頂点数「Verts」も5万頂点くらいで収めるのが良いとのこと。

そのほか重くなる処理としては、リアルタイムライティングは描画面積が小さければ問題ないものの重いそうです。また、半透明の処理も重いようです。

Draw Callの数に注目リアルタイムライティングは重い半透明も危険


処理を速くするための手法としてはまずカリングです。これはカメラの範囲から外れたオブジェクトを描画しないようにするというものです。Unityでは視界に入っていないオブジェクトは自動で描画しないでくれますが、距離は考慮に入れないため、正面だけど遥かに遠い距離にあるオブジェクトは描画されてしまいます。これは手動でカリングする必要があります。

適切なカリングが最適化には必要


様々な手法が紹介されましたが築島氏が最後に語ったのは「とりあえずやってみよう」ということ。iPhone4以降はハードの性能も上がっていて、とりあえず3D素材を置きさえすればそれなりに動くそうです。ただし、ちょっとしたことで激重になる場合もあり、その場合は特性を知った対応が必要になります。最適化も常識的な範囲で、結局は「どんどん出してみればよいのだ!」

しかし築島氏が強調したのはこの後です。築島氏は米国と同じようにゲームエンジンの利用が盛んになってきた日本において一番抜けているのは「コンテンツ工学」という考え方だと言います。

例えば工学という事を、クルマの生産現場で考えれば、職人技を一般化して誰でも出来るように落とし込むということです(勘に頼る部分を数値化する、学びやすい体系的な情報にする)。

ゲームエンジンはゲーム制作を工学という視点から変えようとするものと言えます。しかし使う側が「コンテンツ工学」を会得しているかというと疑問があります。築島氏は「Unityは便利だけど使い方によって違う場合もあります。そこに工学が必要ではないかと思います」と一冊の本を紹介します。「映像コンテンツの作り方―コンテンツ工学の基礎(金子満)」は2007年の著でコンテンツ工学の分野で広く読まれているようです。

日本で抜けているコンテンツ工学オススメの本


築島氏は最後に、「ここ数年のゲーム業界はコンピューティング技術で欧米勢に追いつ付くのに精一杯で、見た目は追い付いたけれど基本的な工学が抜けていました。しかしディティールにこだわる日本のゲーム開発のあり方はゲームエンジンとは相性が良いのです。ぜひ工学を学び、面白いゲームを作っていきましょう」とエールを贈っていました。
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

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