【CEDEC 2011】Mobageのデータによるゲーム改善サイクルの一端を見た | GameBusiness.jp

【CEDEC 2011】Mobageのデータによるゲーム改善サイクルの一端を見た

ソーシャルゲームにおいてはアクセスログなどのデータマイニングを通じてゲームを絶えず改善するPDCAサイクルを回しているというのはつとに知られていますが、その実情は余り語られる事はありません。しかしCEDEC 2011のディー・エヌ・エーのスポンサーセッションで同社

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ソーシャルゲームにおいてはアクセスログなどのデータマイニングを通じてゲームを絶えず改善するPDCAサイクルを回しているというのはつとに知られていますが、その実情は余り語られる事はありません。しかしCEDEC 2011のディー・エヌ・エーのスポンサーセッションで同社
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ソーシャルゲームにおいてはアクセスログなどのデータマイニングを通じてゲームを絶えず改善するPDCAサイクルを回しているというのはつとに知られていますが、その実情は余り語られる事はありません。しかしCEDEC 2011のディー・エヌ・エーのスポンサーセッションで同社の山田憲晋氏が「Mobageの大規模分析基盤」と題してその一端を明らかにしました。

もはやMobageの紹介は不要でしょうが、Mobageとはモバイル(フィーチャーフォン、スマートフォン)を中心に展開するソーシャルネットワーキングサイト。中でもゲームに注力しており、オープン化後の積極施策もあり、会員数は3000万人近くまで拡大しています。ページビューも大ヒットした『怪盗ロワイヤル』を期に急拡大。これらの膨大なユーザーデータを適切に解析して更なる成長に繋げることが山田氏らの分析チームの役割です。

■Mobageの開発体制

Mobageの開発体制は当初、企画とエンジニアがペアになり、開発から運用を行う形でした。その後に分析の重要性が認識されるようになりますが、基本的に二人が行うというものでした。こうした場合、分析の負担というのはどうしてもエンジニアに偏ってしまいます。山田氏によれば開発も含めてエンジニアの工数が破綻してしまい、専門の分析チームを設けて、各タイトルのチームと共同で分析に当たる体制に変えたそうです。これにより余裕を持って分析は行えますが、今度は各タイトルのチームとの距離感が問題となってきます。十分なデータが用意されなかったり、分析したもののフィードバックが課題になります。そこで現在では各タイトルに分析メンバーが入り、企画・エンジニア・分析、という体制で運営がされるようになっているそうです。

この場合の分析チームは各タイトルの収益を最大化するのがミッションです。しかし分析の仕事はそれだけではありません。ディー・エヌ・エーではMobageというプラットフォーム全体の改善を目指すプラットフォーム系の分析チーム、そしてライブラリやツールの整備など分析の基盤となる部分を対応する分析基盤のチームという計3つの分析チームが存在するそうです。それぞれスキルや志向は違いながら連携を取りながら仕事を進めています。

■Hadoopの導入

Mobageにおけるデータ分析において重要な役割を果たしたのはHadoopの導入です。導入以前は膨大なログの転送だけで10時間以上かかりバッチ処理の負荷や処理時間が大きな負担となっていました。Hadoopは大規模データの保存・分散を簡単に実現するオープンソースで開発が進められているソフトウェアで、ヤフー・アマゾン・楽天・フェイスブックなど大企業でも導入が進んでいます。MobageでもHadoopを導入することによって、ログを15分以内に格納できるようになり、随時分析ができるようになりました。またデータベースのスナップショットも転送・保存することで、ゲームのステータスの分析も容易になりました。

ただし、Hadoopの導入自体は単なる移行ではなく、考え方を直していくプロセスでもあるようです。山田氏によれば移行前はサービスによってログの形式が異なり、サーバー毎の保存場所もバラバラだったそうです。これでは分析担当者は実作業に入る前の、ログを探したり、ログの形式を読み取る部分に時間を割かれてしまいます。また、いざ分析して比較しようにも形式が異なればそれも困難です。Hadoopの導入を進めると同時に、こうした部分の統一化や啓蒙活動も進めていったということです。

講演の中で筆者がおっと思ったのはHadoopをゲームパラメーターの動的調整にも活用しているという言葉。Mobageではユーザーのステータスやサービスの利用状況によってゲームパラメーターの最適化を行っているそうですが、ゲームパラメータを一度Hadoopクラスタに持ってきて、ここで演算を行い、その結果を実サービス用のデータベースに戻すことで実現しているそうです。

■実際にどのように分析を改善に繋げるのか

後半では実際に『怪盗ロワイヤル』で発生した問題点を分析を通じて改善していった事例が紹介されました。

まずは多くの関係者が頭を悩ます「離脱率」という問題です。『怪盗ロワイヤル』の離脱率を下げたい、というのは誰もが望むことですが、山田氏が最初に話したのは「言葉(KPI)の定義をきちんとする」ということです。どのようなユーザーを指して「離脱した」と言うか、という事です。定義が曖昧では物事も解決しません。ここでは2週前は遊んだけど、1週前は遊ばなかったユーザーを「離脱した」と定義付けています。

実際に分析したのはレベル別の離脱率です。通常であればレベルが上がれば離脱率は減っていきます。しかしグラフにすると特異点が見つかります。レベル10で離脱率が跳ね上がっていのです。その先の分析では各レベルでのクリアに要した時間を並べてみます。するとレベル10だけ所要時間が格段に長い事が分かります。これは難易度が高いということです。難易度が高いため、ユーザーがそこで諦めて離脱していってしまうのです。これは難易度を下げ、所要時間を下げることで離脱率を低下させることができたといいます。

次に挙げられた課題はイベントを活性化させるということです。『怪盗ロワイヤル』ではバトルの回数を増やすにはどうしたらいいか、というものが当てはまります。『怪盗ロワイヤル』では貴重なお宝を奪うためにバトルを挑むわけですから、バトル回数はお宝の流通数に左右されます、これは難易度と言ってもいいかもしれません。お宝の付与数をどのように設定するかという課題です。

失敗した改善案としては(1)ユーザー当たりの流通量を決める (2)バトル当たりの手に入る量を決める というものがあったそうですが、前者は時間帯による依存があり、後者はバトルによっても質の違いがあることから失敗したそうです。山田氏らのチームはバトルの回数を最大化するお宝の付与率を決めるKPIを発見したそうです。しかしそれは企業秘密で明かすことはできないとの答えでした。何らかのKPIを30〜40%にするということですが、それは何なのでしょうか。


最後に山田氏は分析アナリストに必要なものとして、データの中から発見ができ、そしてそれを解釈し、改善の提案へと繋げる事が出来る人、と語りました。ディー・エヌ・エーとしてはこの分野にはかなりの投資を行っており、全体の人数を明かすことはできないながらも拡大している最中で、一緒に仕事をしてくれる人も探しているとのこと。気になる方は公式サイトをご参照のこと。
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

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