実践する企業が語る「グローバルゲーム開発の現状と、その可能性」(前編) | GameBusiness.jp

実践する企業が語る「グローバルゲーム開発の現状と、その可能性」(前編)

国際ゲーム開発者協会日本グローカリゼーション部会は、8月27日、株式会社サイバーコネクトツー東京スタジオにて「グローバルゲーム開発の現状と、その可能性」と題した第9回目の勉強会を開催しました。過去8回にも及ぶ勉強会はローカリゼーションに関する課題でしたが

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国際ゲーム開発者協会日本グローカリゼーション部会は、8月27日、株式会社サイバーコネクトツー東京スタジオにて「グローバルゲーム開発の現状と、その可能性」と題した第9回目の勉強会を開催しました。過去8回にも及ぶ勉強会はローカリゼーションに関する課題でしたが
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国際ゲーム開発者協会日本グローカリゼーション部会は、8月27日、株式会社サイバーコネクトツー東京スタジオにて「グローバルゲーム開発の現状と、その可能性」と題した第9回目の勉強会を開催しました。過去8回にも及ぶ勉強会はローカリゼーションに関する課題でしたが、この度、はじめてゲーム産業のグローバル化について勉強会を開催。第一部ではインドのGameshastra、中国に本社をおく国際企業、Virtuosがそれぞれの視点からグローバル開発について、中東市場にモバイルコンテンツを展開するシンガポールのMozatが中東モバイルゲーム市場の現状について解説しました。

■アウトソーシングだけでなく、インド市場開拓としても協働する意義のある−Gameshastra

まず冒頭では、Gameshastaの川上博志氏が同社における国際開発事例を説明。現在同社は、220名の正規開発スタッフがいることですが、これらの人たちがプロジェクト毎に契約社員やパートナー企業を用い常に1000人もの人たちが常駐している状況にあるとのこと。業務内容は、ゲーム開発タイトルから、移植、テスティングなどあらゆる業務に渡っています。この様は、デジタルコンテンツ開発のプラットフォームの様で興味深いです。創業当時から米国企業の業務を多数請け負ってきた同社。今回紹介したプロジェクトも米国企業との共同プロデュースに関する事でした。

SCEとの共同で開発した『Cart King』。同作品はインド市場をターゲットに開発がされた、PSPならびにPS2用ゲームです。「Cart」とはインドでおこなわれている牛車による庶民的競技です。これをテーマとした映画にインスピレーションを受け開発に着手したとのこと。Gameshastraのほうで仲介に入り開発を進め、SCEとGameshastraとの共同でインド国内で販売したとのことです。

9か月の間、2人のデザイナー、7人のプログラマー並びに6人のアーティストを中心にアウトソーシングスタジオを適宜活用しつつ完成にまで導いたとのこと。また、音楽などのコーディネーションも果たしたとのことです。英語とヒンディー語版が開発され、開発の中盤以降は、ターゲットである子供たちにもユーザーテスティングに参加してもらうなど、一般的なゲーム開発のプロセスをほぼ踏襲する形で進みました。

システムとしては、牛やプレイヤーキャラクターの選択などまさにインドという感じで、現地の二―ズを主眼に開発されたというのがゲーム画面を見るだけで分かります。

インドで販売する際は、SCEによる全面的な協力のもと展開され、プロモーションもGameshastraが担当。SCE側からのインプットはありながら、自身が開発したコンテンツとして展開し、最初の週だけでも15万〜20万本の売上を達成したとのこと。PS2ユーザーが800万人と言われる中でのこの数値は凄いですね。

この他に川上氏が紹介したのが『Desi Adda Games of India』というミニゲーム集。こちらはデザイナー3人、プログラマー9人、アーティスト10人で9カ月の開発期間というプロジェクト規模。インドで2000年にも渡ってプレイされているゲーム「Pachisi」をはじめ、インドで伝統的なゲームが収録されています。更に注目なのが世界観設定。

メインプレイヤーはインド系アメリカ人の敏腕ビジネスマン。自身の先祖が生まれたと言われるインドのとある村を訪れたところ、現地の文化に興味を覚えた主人公は、数々のゲームをプレイする中で、Gowri とGopalに出会う。二人は恋人同士で結婚をしたいと願っているものの、父親からの承認を得られないために結婚が出来ない状態だった。主人公は、ゲームを勝ち進め、二人の結婚を承認させることが出来るか

というもの。ある意味『Cart King』よりもインドローカルを意識しているということもあり、ヒンディー語に加え、タミール語ならびにカシミール語にも対応しています。バンドルが盛んと言われるインドでは、PS2と本作品をバンドルで販売もしたとのこと。結果、発売されてから2カ月間で20万本が。そのうち20%がバンドル版で販売されているとのことです。Gameshastraはインド国内だけでなく現在3000万人と言われている印僑にも関心を抱いているとのこと。これらの人たちの多くが先進国におり一般的なゲームをプレイしているものの、インド文化にも強い関心を示し、インド文化を色濃く反映しているコンテンツに興味を持っているとのこと。インドのひとたちはもともとエンターテインメントが好きなのでこのような市場を狙うという場合もコラボレーションが可能と川上氏は述べました。

現在、日本国内で進めているプロジェクトの中には、既存のコンテンツをスマートフォン向けに開発するとのことですが、ゲームデザインドキュメントも存在しないうえに、各種アセットは5−6年前のものであることから本質的にゲームの要素をすべて確認し、作り直していると川上氏。この辺の苦労は、スマートフォン向けでも変わらないということが発表でも明らかになりました。

■ゲーム産業唯一のブルーオーシャン−中東モバイルゲーム市場を狙え!−Mozat
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■ゲーム産業唯一のブルーオーシャン−中東モバイルゲーム市場を狙え!−Mozat

次に登壇したMozatの田村啓氏は開口一番「中東においてゲーム開発には適していない」としながら、「中東こそがモバイル・コンテンツのブルーオーシャン」として同地域の可能性について述べました。Mozatは創業者が中国出身。シンガポールの大学に留学してから卒業後に同国にて起業。現在は、上海、シンガポール、ならびにサウジアラビアに拠点を構えているとのことです。

Mozatが展開しているのは携帯上のSNS的サービスとコンテンツ開発用ミドルウェア。特に携帯向けSNSは、OEMとして提供するのが特徴。中東キャリアへの採用率が高く、サウジアラビアテレコムやクウェート、バーレーン、並びにボーダーフォンエジプトなどがMozatからSNSプラットフォームのOEM供給を受けているとのこと。

更に特徴的なのは課金のためのソリューションも提供している点。従って、Mozat経由でコンテンツを提供すると、中東1600万人、100万人の課金ユーザーへのアクセスが可能になると田村氏。現在中東は、2.5Gが主流。通信環境はいまだに脆弱なうえに、SIM Freeであるうえに課金方法もプリペイドカードであるが故に消費者にとってのスイッチングコストは限りなく低いのが特徴と田村氏。

使用されているOSも多様であり、フィーチャーフォンやスマートフォンのOSは、ブラックベリーが主流。ただ、高機能なこれらの携帯電話はあくまでも金持ちのものという意識が強いようです。従って、中東ではリッチなコンテンツの提供は不可能。Mozatが提供しているミドルウェア、Mozat Studioもそのようなコンテンツ開発には対応していないとのこと。コンテンツの受容状況は日本で言えばi-modeのサービスがはじまった頃のそれに近いと田村氏は比較しました。

従って、現在であれば日本製の競争力のあるコンテンツであればどの様なものも受け入れられるはずと田村氏は自信を示しました。ただ同時に検閲もあり、例えば、女性キャラクターの露出は一切出来ないなどの成約があります。また、3Dも中東における80%の端末では未対応であるとも。これらをクリアすれば大きなチャンスが待っていると中東市場の可能性を改めて指摘しました。

■欧米AAAタイトルの実績を有し、ハリウッドとも渡り歩く上海Virtuos

海外企業を代表する最後の登壇者が、Virtuosの日本総代理店を務めるカイオス株式会社の記野直子氏。04年12月にPS2、Xbox360向けゲーム開発の需要が高まるのを見据え、いずれゲーム開発には人海戦術が必要になるであろうと確信したGilles Langourieux氏が全ての開発スタッフを専任で雇用する選択は極めて困難になる可能性が高いことから、その二―ズを捉えるべく、「You Make、We Produce」をモットーに立ち上げました。その後、記野氏がエージェントをはじめた09年は400人だった人員も11年には800人と急速に成長しており、「その成長には自身も驚いている」と記野氏。

ます最初に解説したのがVirtuosの特性。同社は本社が上海にあるものの、中国企業というよりは、外資系デベロッパーであると記野氏。経営陣やマネジメントを担うデベロッパーも欧米人であることから、欧米式のマネジメントで中国人を管理しているとのこと。800人のうち、500名が上海、250名が成都におり残りの50 名が営業・マネジメントスタッフで構成されているとのことです。更に最近はベトナムで米国向け3Dアニメーションを制作する実力を持つ企業を買収し更にその競争力を高めているとのこと。10カ国以上から優れた人材を集めたグローバル組織であり、日本人の正社員も2名いるとのことです。

過去にゲーム開発をしていた人たちをトップに据え、中国の地場のひとたちは美術学の卒業生の中から100倍から1000倍の高い競争倍率を厳選して採用。更にそこから、3カ月間集中的に訓練をしてそこで優れた人材のみを正規雇用するという体系になっているとのこと。

業務としておこなっているのは、モーションキャプチャ−以外の全てと記野氏。実際のモーションキャプチャ−は行わなくても、データさえもらえればモーションのクリーンアップも全て行っているとのことです。欧米企業からAAA級のコンテンツを請け負い、リポート受託も多いことから、安定したクオリティには自信があるとのこと。受託方法も全プロジェクトといった大規模から、一部のアセット、時にはプログラマー数名を派遣するという要望にも応えるとのこと。また、自社エンジンを持つとともに、第三者エンジンを使った開発、クライアント独自のエンジンも提供さえしてもられば対応。150人のプログラマーの多くがUnreal Engine、CryENGIE、Gamebryoなどでの開発経験があることからこれらが実現すると記野氏はVirtuosエンジニアの幅広い対応力の理由を述べました。

また、記野氏がVirtuosの特徴として挙げていたのが、自らオリジナルの企画書を提案することがないという点。これは競争相手になることを防ぐため。同社が開発した『Epic Mickey』の2Dステージは企画から全てVirtuosが開発したものの、これらはクライアントから指示を受け、それに合わせて企画を作り込んで始まったプロジェクトであったとのこと。アウトソーシング企業の中には、いずれはパブリッシャーといった、目標があるのが常としながらも、Virtuosは一貫して、クライアントの人海戦術部分でコラボレーションをするアウトソーシング専門業者に徹している事が強みであると記野氏は指摘しました。共同開発という視点においてもVirtuosは全てのメジャープラットフォームから正規ライセンスを受けているため可能と記野氏。

なお、グラフィックのアウトソーシングについては、ビークル(機械)、人物、背景などそれぞれ明確に切り分けられていると記野氏。また、ロシアのGRAFITというコンセプトアート専門スタジオを買収したことからコンセプトアートを専門におこなう部署も設立したとのこと。この部署は多種多様なコンセプトアートに対応し、一般的なコンセプトアートから、テクスチャー未貼付の簡単な3DCG素材を組み合わせたグレイボックスをもとにコンセプトアートを作り、最終のテクスチャーデザイン業務を改めて請け負うというケースもあったとのこと。コンセプトアート部門は20人のうち10人がロシア人、10人が中国人ですが、それぞれ欧米企業をクライアントとしていたことから、欧米志向のコンセプトをデザインするのが得意であると記野氏。

これらゲームアセット関連の実績としては『Uncharted3』や『Kill Zone3 』、『Medal of Honor』など名だたるプロジェクトを挙げていました。また、これまで、「Star Trek」、「Terminator Salvation」、「Ironman」、「Transformers Dark Side of the Moon」などに関わってきたことから、シネマ部門を独立して立ち上げたとのこと、ゲーム関連コンテンツの開発と同様に今後は、劇場用映画のVFXにも力を入れていくようです。

主なクライアントは、欧米が6、7割、残りはヨーロッパ、アジアで、日本は現在、そのうちの5%とのこと。今後は日本企業ともどんどんパートナーとして業務をしたいと今後の展望を述べました。

■ゲーム開発からバーチャルキャラクターまで常に3DCGのフロンティアを目指すプレミアムエージェンシー
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■ゲーム開発からバーチャルキャラクターまで常に3DCGのフロンティアを目指すプレミアムエージェンシー

一方、既にグローバル開発に取り組んでいる日本企業としてプレミアムエージェンシーの山路和紀氏が登壇。現在、ニコファーレとともにバーチャルキャラクターを独自技術でリアルタイム合成をしていると、その時の模様を披露。ゲーム開発の多様化が進む中、このようなプロジェクトを推進することの意義についても改めて述べました。現在は、そのような新規事業に加え、ゲーム、映像、3Dインターネット、スマートフォンなどの開発請負をおこなうと同時に、ガラパゴス携帯向け自社アプリなどの開発も進めており、月、20人〜50人相当のプロジェクトをアジア各国に業務委託しているとのこと。

また、教育という視点では、既に中国、香港、台湾、ベトナム、シンガポールでゲーム・CG制作に関わる教育事業を進めていると山路氏。インタラクティブなコンテンツを開発するうえではより踏み込んだ形で意識共有が出来ないとパートナーとするには不十分であるという思いから推進してきたとのこと。教育手法は現地の企業の人を集めて行うトレーニングから、学生をチーム編成し、小規模プロジェクトの開発を実際に日本人クリエイター指導のもと行わせるなど多岐に渡ります。

また、JETROによる中堅エンジニアの給与比較において、日本の給与が、アジア他地域よりも抜きんでている香港、シンガポール、韓国などと比較しても更に著しく高いという事実を挙げ、「ゲームは大丈夫という神話があったが、ゲームも作り手、経営者、消費者までもが新たな改革を模索しないと、製造業やアパレル、アニメなどと同様に空洞化が起こる」 と問題点を指摘しました。だが同時に『逝きし世の面影』という幕末から明治初期にかけて日本を訪れた外国人による記録集において、それぞれの人たちが日本人の誠実さや匠の力を挙げていた事を引用し、日本としての強みを改めて認識することの必要性を述べ講演を締めくくりました。
《中村彰憲》

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