価値の多様化におけるコンテンツの新しい挑戦・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第2回 | GameBusiness.jp

価値の多様化におけるコンテンツの新しい挑戦・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第2回

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7月中旬、日本オンラインゲーム協会が、2010年のオンラインゲーム市場の調査結果を報告した。ゲーム事業社は前年対比で106%と微増。この分は、従来のゲームサービスに加えて、ソーシャルゲームサービスの事業者が参入したことが要因。また、同年度のオンラインゲーム市
  • 7月中旬、日本オンラインゲーム協会が、2010年のオンラインゲーム市場の調査結果を報告した。ゲーム事業社は前年対比で106%と微増。この分は、従来のゲームサービスに加えて、ソーシャルゲームサービスの事業者が参入したことが要因。また、同年度のオンラインゲーム市
  • 7月中旬、日本オンラインゲーム協会が、2010年のオンラインゲーム市場の調査結果を報告した。ゲーム事業社は前年対比で106%と微増。この分は、従来のゲームサービスに加えて、ソーシャルゲームサービスの事業者が参入したことが要因。また、同年度のオンラインゲーム市
  • 7月中旬、日本オンラインゲーム協会が、2010年のオンラインゲーム市場の調査結果を報告した。ゲーム事業社は前年対比で106%と微増。この分は、従来のゲームサービスに加えて、ソーシャルゲームサービスの事業者が参入したことが要因。また、同年度のオンラインゲーム市
7月中旬、日本オンラインゲーム協会が、2010年のオンラインゲーム市場の調査結果を報告した。ゲーム事業社は前年対比で106%と微増。この分は、従来のゲームサービスに加えて、ソーシャルゲームサービスの事業者が参入したことが要因。また、同年度のオンラインゲーム市場規模は1329億円、PCと携帯電話におけるソーシャルゲームは1036億円、全体の市場規模は2365億円。特にソーシャルゲームの伸長が著しく前年対比448.5%、1036億円と急成長となった。

そもそものソーシャルゲームの定義は曖昧だが、「人間関係を消費させること」をコンテンツに盛り込んだ部分は孤立化が進む現代社会の傾向のなかで、各個人の存在を確認するうえでゲーム参加者の興味を惹いたことが収益伸長の要因となった。

一方、家庭用ゲーム市場はエンターブレイン社に拠る調査に拠れば2010年のハード・ソフトの合計市場規模は4936億6000万円。前年対比10%の減少。家庭ゲーム市場もその減少トレンドに歯止めをかけるべくPSP VITAやWiiUの導入を控えている。どちらも通信がキーワードになっており、オンライン・ソーシャル傾向のコンテンツ創りになっていくだろう。中でも、任天堂の岩田聡社長がE3の記者発表で発言した・・・「ソフト開発者たちというのは、これからますます自分たちが創るものの価値を高く維持することをちゃんと意識していないと、簡単に低いものに引きずり降ろされていくのではないか、そこには注意すべきだ」という言葉が印象深い。特に「低いもの」という部分をどう読むか・・・によって大きく変わってくる。

さて、個人的には日本のゲーム創りの企画力や開発力は素晴らしいポテンシャルを今でも持っていると思う。かつてデジキューブでコンビニ向けのゲームソフト流通を手掛けていたときのことだが、外資系パブリッシャーのコンテンツをテストプレイしたときに、ユーザーインターフェイスやキャラクターのアクションなどでずいぶん違和感をもった。当時は、一部の有名なタイトルを除けば、「洋ゲーは、ちょっとねぇ・・・」というネガティブな受け入れられかたをされるコンテンツが多かったと思う。しかし、その後、海外のパブリッシャーも大きく成長し、世界中でミリオン越えをするコンテンツが現れてきた。最近では「LAノワール」が話題を集めた。おそらく彼らも日本製のコンテンツから多くのものを学んだに違いない。

日本のゲーム・コンテンツ市場が再び輝くことはあるのか?・・・と問われれば、それはあると思う・・・。今夏、NHNジャパン・ハンゲームとして、家庭用ゲームのパブリッシャーと共同開発のコンテンツを導入する。過去にバンダイナムコ社と共同開発で「ファミスタオンライン」を立ち上げている経緯からすれば珍しいことではないが、新しいフェイズに入ったと言えるだろう。95年、アートディンクよりリリースされた「カルネージハート」をオンライン向けにアレンジした「ブラウザ カルネージハート Programming Soldier」を8月に導入、その後、PSPのソフト「パタポン」などで知られるピラミッド社と共同開発で「プラネットフロンティア」という宇宙開拓コンテンツを導入予定だ。また、イメージエポック社とはタクティクス系コンテンツとして「シュヴァリエサーガタクティクス」を導入予定。いずれも、それぞれのパブリッシャーが得意とするカテゴリーでハンゲームはオンラインでの企画、運営ノウハウを提供するという、双方の強みを活かしたコンテンツを展開する。

ゲームを始めたとしたエンタメは副次的な産業である。突き詰めればなくても良い産業と言われかねない。しかし、国民生活が向上し、所得が増え、余暇が増えることで文化的な多様性が増すことからそれは発展する。わかりやすい例は、アジアの独裁国家を見ればよい。国民は皆同じ服と生活様式に統制され、そこには文化、創造面での多様性は感じられない。逆説的に言えば、産業や文化の振興は価値観や文化の多様性、細分化を実現する。つまり、現在の日本のゲームやコンテンツ市場は単に価値観の細分化が起こっているに過ぎないと思う。

ただし、焼畑農業のように、ひとつがダメになれば、その次へ・・・というようなソーシャルゲームとは異なり、本来のゲームが持っていた、遊ぶ楽しさやコンテンツにおける正統的な面白さを追求したものを追求し提供するのはゲームというエンターテイメントを愛し、愛するものとしての責任であると思う。その部分を踏まえてさきの岩田氏のコメントを改めて読み返すとその意味はよくわかる。


※画像は上から『ブラウザ カルネージハート プログラミングソルジャー』『プラネット フロンティア』『シュヴァリエ サーガ タクティクス』

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■著者紹介

黒川文雄 (くろかわふみお)
メディアコンテンツ研究家
1960年・東京都生まれ。武蔵大学卒。レコード会社を経て、株式会社ギャガコミュニケーションズ(現・ギャガ)、株式会社セガエンターピライゼス(現・セガ)、株式会社デジキューブを経て株式会社デックスエンタテインメントを起業。映画製作配給、オンラインゲーム企画開発運営に携わる。その後株式会社ブシロード副社長、株式会社コナミデジタルエンタテインメントを経て、現在は株式会社NHNジャパンにてオンラインゲームの企画開発運営に携わる。一方で数々のエンタメ産業への造詣が深くメディアコンテンツ研究家としてコラム執筆を行う。ブログもご参照ください。Twitterアカウントはku6kawa230
《黒川文雄》

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