早期に上場する、イメージエポックの戦略・・・御影社長&宇田プロデューサーインタビュー 後編 | GameBusiness.jp

早期に上場する、イメージエポックの戦略・・・御影社長&宇田プロデューサーインタビュー 後編

「JRPGセカンドステージ」を掲げてパブリッシャ宣言を行ったイメージエポック。会社設立からわずか5年間で、急速な成長を遂げています。本インタビューでは同社の社風や、求める人材像、経営戦略などについて、より突っ込んだ話を伺いました。

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「JRPGセカンドステージ」を掲げてパブリッシャ宣言を行ったイメージエポック。会社設立からわずか5年間で、急速な成長を遂げています。本インタビューでは同社の社風や、求める人材像、経営戦略などについて、より突っ込んだ話を伺いました。
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「JRPGセカンドステージ」を掲げてパブリッシャ宣言を行ったイメージエポック。会社設立からわずか5年間で、急速な成長を遂げています。本インタビューでは同社の社風や、求める人材像、経営戦略などについて、より突っ込んだ話を伺いました。

御影良衛:イメージエポック代表取締役。
宇田洋輔:開発プロデュース・広報担当。「最後の約束の物語」プロデューサー。


■「会社も作るし、ゲームも作る」がモットー


―――デベロッパには経営状態が火の車という企業も多いですが、その中で御社はパブリッシャにまで成長された。成功の秘訣はなんでしょうか?

御影:単純にうまくいったという思いはなくて、無理矢理やっている、という感じでしょうか。すべて完璧にこなしてきて、何も問題のない会社かというと、そうではないので。ただうちの会社が優れている点というのは、未来に向かって「会社も作るし、ゲームも作る」。その一体感が非常に強いことが、成長率の高さだったり、チャンスに対するアプローチの速さにつながっていると思います。

―――具体的に言うと、どういうことですか?

御影:作品を作るだけなら、十億円単位のお金を調達して、大作ゲームを作られるデベロッパさんも、かなりあると思うんです。でも、それがきちんと望まれた形で市場に出ているかという点が疑問でして。パブリッシャとしては、投資したお金を回収しなくてはいけませんが、僕の見立てだとほとんど回収できていないんですね。元カプコンの稲船さんが一時期よく話をされていましたが、「作りたい、作りたいだけだと、じり貧になっていく。ちゃんと経営と現場が仲良くならないといけない。」まさにそこなんです。イメージエポックは、そこのバランス感覚が、群を抜いて高いんじゃないかと感じています。

―――なるほど。

御影:おもしろいゲームを作って、ユーザーさんに喜んでもらうだけでなくて、会社ですから、社会的な存在意義も示さなくちゃいけない。その中でイメージエポックが関われるのはJRPGだったので「JRPGセカンドステージ」というキーワードを使わせて頂いたんですが、ゲーム産業自体が実はセカンドステージに来ていると思うんです。常に新しいやり方を模索しないといけない。右へ倣え、でうまく行く時代は終わったと思っています。そういう意味で「会社も作るし、ゲームも作る」んです。

―――御影社長はクリエイターであり、経営者ですよね。

御影:僕はあまり自分のことを純粋なクリエイターだと思ったことがないんです。モノ作りではなくて、モノ作りをしたい人たちを生かす箱作りにワクワクするタイプなんですよ。「最後の約束の物語」でも、原案やシステムの案など立ち上げはやらせてもらいましたが、今は宇田や池(ディレクター)が全体的に引き継いでくれて、良いゲームに仕上がりつつあります。実際、僕だけが生み出したという感覚はあまりないんです。それよりも、ゲームを育ててくれている宇田以下の開発スタッフがすごく可愛くて。1本でも多く売れて、1人でも多くのユーザーさんが楽しいと言っていただければ嬉しいですね。そのための箱を作るのが、僕はものすごく楽しいんです。最高に幸福な役職だと思っています。

―――はっきり経営側だと。

御影:ええ。「会社も作るし、ゲームも作る」と言いましたが、一人で二役やる必要があるとは思ってないです。僕はユーザーさんにアプローチするための箱作り。宇田は実際にモノを作って、ユーザーさんにアプローチ。そこでそれぞれ、違った幸福感が得られる。実際、優秀な仲間も増えてきましたので、僕がクリエイターをやる必要性は、少なくなってきていると感じています。それよりも泥臭い仕事を沢山やって、会社が良くなっていくというのが、今必要なステップだと自分は思っています。僕らは「JRPGセカンドステージ」を掲げましたが、正直、今の実力ですぐに実現できるとは思っていません。ただ、将来の僕たちはできると思っています。その未来像に近づくための会社作りをするのが僕の仕事ですね。

―――宇田さんから見た社長像というのは?

宇田:御影は僕の弟よりも年が若いんですよ。まず、それが衝撃でした。だからといって御影を軽んじたりといったことは、全社員一切なくて、すごく尊敬しています。もうバイタリティがすごいんですよ。一体どこから、こんなパワーがわいてくるのか。あとは判断が速いので、すごく助かっています。今、パブリッシャというポジションにまでなれたというのは、そこが一番のキーになっていると感じています。


■全職種的に人材を大募集中ですので、ぜひ応募してください!


―――パブリッシャになる上で、相談がありましたか?

宇田:ありましたね。もともと僕は『ブラック★ロックシューター THE GAME』のディレクターをしている、新納一哉の紹介で入社したんです。彼から「今度パブリッシャになるから、ぜひ来てくれ」と串揚げ屋でナンパされたんですが、その時も1時間くらい呑んだだけで、御影から「うちに来てよ」と決断してもらえて。それが直接のきっかけでしたね。また見ているポイントが的確なので、逆らえないんですよ。それはホントにスゴイですね。ただ、欠点を言うと・・・。

―――欠点を言うと?

宇田:会社の規模が120人くらいと、けっこう大きくなってきたのに、まだちょっとベンチャー気質が抜けないんですよね。そろそろ会社としては次のステージに進まないといけないんですが。それでも、ふらっと現場に行っては、中途入社の新しい方や新入社員にふらっと話しかけにいったり。そういうのは、そろそろ卒業して欲しいなと。もっとも、それもスピード感ゆえやっていることで、僕らがついて行けてないだけなんですが。

―――中間管理職としては、悩みどころですね。

宇田:ええ。正しいことしか言わないんですが、それだけに直接指示されても、現場としてはどうやって反映させればいいか、迷ってしまうことがあるんです。でも僕らが御影の意図をくんで下におろしてあげれば、よりスムーズに進められる。これは会社の問題でもあって、ミドルの厚みがまだまだ足りないんですよ。それで大々的に募集をかけています。35歳前後の、ゲーム業界になれてきて、ちょっと余裕が出てきたメンバーは社内に結構いるんですが、28歳くらいの働き盛りが若干薄いんです。

御影:それだけでなく、新人をはじめ、全職種的に人材を大募集しています。おかげさまで新人募集は例年3-400人くらい応募が来ていたんですが、発表会の直後だけで2-3000人くらい募集が集まりました。本当に嬉しい悲鳴でして、全力を以て採用面接に当たらせていただきます。

―――新人では、どんな人に来て欲しいですか?

御影:僕がそうだったんですが、技術は後から何とかなります。それよりもゲーム作りに対する情熱が、体中からほとばしっているような人に来て欲しいですね。それからゲームを作るには「引き出し」が非常に重要です。自分も含めて引き出しって、モノを作っているとビックリするくらい早く枯れていくんですよ。だから学生の間はゲームばかりじゃなくて、映画をたくさん見たり、音楽をたくさん聴いたり、旅行にたくさん行ったりして、小さい価値観に凝り固まらないで欲しいんです。そうして自分の引き出しに、たくさんのモノを詰め込んで、応募してきて欲しいですね。5年もすれば、その引き出しも空っぽにしてあげます。そうしたらまた、引き出しにモノを詰めてもらう。その繰り返しです。

宇田:新卒は技術があるのに越したことはないですが、それよりも「ガッツリした気持ち」を見せて欲しいですね。それから僕はクリエイターだけでなく、プロデューサーや広報などのビジネス的な仕事も兼務しているので思うのかもしれませんが…社会常識を身につけたいという意思がある人が欲しいです。たまに目上の方と名刺交換するのに片手で渡すゲーム開発の人、いたりするんですよね…(笑)若いうちは不足していても良いんですが、一人のビジネスマンとして、地に足をつけてやっていきたい、という意思が感じられる人が欲しいですね。

―――パブリッシャとしては、非開発スタッフの充実も急務ですよね。

宇田:ええ。『シュバリエ サーガ タクティクス』でオンラインゲームも始めますので、バックオフィスも充実させていきたいと思っています。他にも「この職種は募集していないのか」という問い合わせでも良いので、いただければと思います。ぜひ、この職募集してねえなあ、なんてと思わないで、応募して欲しいという感じですね。

御影:弊社は今、東京のゲーム会社で一番おもしろい会社だと思っています。これはひいき目抜きで、現時点では日本で一番チャンスがあって、おもしろい瞬間にあると思いますよ。まだ5年目の会社なので、1年生みたいな感じで現場に入ってこれますし、先輩後輩の上下関係も、そんなに強くない。もっといえば派閥がない!


■リスペクトのバトンを引き継ぐのが僕らの世代の使命


―――御影社長より年齢が上のスタッフが多いと思いますが、その辺の大変さは?

御影:僕は会社の中での接し方として、年齢を判断基準としては用いません。。ですのであまり大変だと思ったことはないですね。昔、先輩に言われたことなんですが、会社は劇場と例えると社員は役者。その中で代表取締役は主役のいう「役」柄なんだと。主役がきちんと役を演じていなかったら、取締役というヒロインも、新人という脇役も、きちんと演じられない。だから堂々と主役を演じなければならないんだと。実際、主役に抜擢されればTVや映画でも子役も堂々と主役を演じていますよね。だから僕も意見を言う時や相手の意見を聞く時は、かなり率直にアプローチします、

宇田:確かに、御影が年齢に対して困っている所や意見を変えている所は見た事がないですねいま最年長は営業で入ってきた、55歳の超ベテランの方です。それに対してもストレートに意見を言いますし、逆に年齢に関係なく意見を聞く人間でもあります。

御影:僕は知らないことは、知ったかぶりしないで、教えてくださいと言うんです。だって知らない事をそのままにしておく事の方が恥ずかしいから。ただ僕に教えると、理解が完了したと思うやいなやあたかも自分が昔から知っていたかのように、自分の言葉で他人に喋るんですよね。そこは僕のずるいところでもありますね(笑)。でも、知らないことを部下に丸投げするのではなくて、ある程度の知識を得てサポートできるようにした上で、全件委任をするようにしています。だからお金の制約以外では、わりと自由にやってくれているんじゃないかなあ。

この考え方の根本は過去アルバイトで働いていた会社の何社かで何を言っているか分からない上司がいて、そこの社員さん達の困りようを見ていて的を外した意見は会社を駄目にするって思いまして。成功体験や思考は年代と共にoverwrite(上書き)して頂かないと現場で戦っている最先端の感性と経営が乖離して駄目になるケースも多々あるので。年齢を重ねるという事は経験という武器も手に入る変わりにそれが足かせになることもあるという事を注意しないといけないと思っています。

宇田:overwrite、そうですね。実際御影は『シュバリエ サーガ タクティクス』の立ち上げでは、ずーっと僕と、「ドルアーガの塔オンライン」も手がけた社員に、「オンラインゲームって何?」と聞いていましたよね。御影がオンラインゲームについて語っていたことは、実は僕らのレクチャーの結果なんです。

ただ御影は自分が完全に理解するまでひたすら聞いてくるので相当しつこいですよ(笑)。それと凄いと思うのは表面的な知識だけでなく数字と根拠を洗い出そうとする所です。

人のいうことをそのまま全部取り込んだ上で本当かどうかを自分で分析しだすんですね。
あれは純粋に偉いなと思います。

御影:ありがとうございます&物覚えの悪い子ですみません(笑)2ヶ月位ずーと聞いてましたもんね。けどおかげであたかも自分で考えたことのように語れるようになりましたよ。

―――目標の会社はありますか?

御影:昔のスクウェアみたいになりたいですね。今のスクウェア・エニックスがどうこうという意味ではなくて、僕は昔のスクウェアのゲームを、ホントに熱中して遊んだんです。『サガ』『ゼノギアス』『ファイナルファンタジー』・・・。どの作品にも、はかりしれない憧れを抱きました。僕はスクウェアのゲームを遊んで、スクウェアに憧れて、ここにいます。あの頃に僕がもらった、はかりしれない希望や夢を自分たちが頑張って次の世代にバトンを渡していきたいですし、その頃に感じた「スクウェア像」を、僕らも再現し、且つ超えていきたいですね。

―――希望や夢、ですか。

御影:ええ。今はレベルファイブさんが、すごく気を吐いていらっしゃいますよね。業界活性化の一助に、絶対になっていると思います。そんなふうに、ゲーム業界全体に恩が返せるような会社に育てたいんですよ。発表会では「愛」という言葉を使いましたが、ホントに僕たちが先輩達に抱くリスペクトと同じか、それ以上のものを次の世代から受けられるように、引き継いでいかなくちゃいけない。それが僕らの世代の使命だと思っています。僕もそのバトンを引き継ぐ。僕が倒れたとしても、また誰かが引き継ぐ。そのためのステージに乗るという覚悟でやらせてもらっています。

―――リスペクトのバトンですね。

御影:あと社員によく言うのは、イメージエポックがもし倒れたとしても、悲しんでくれる人たちが100万人いたら、絶対になくならないようにがんばると思うんです。ただ、今のイメージエポックがなくなっても、悲しんでくれる人って、たぶんそんなに沢山いないと思うんですよね。だから悲しんでもらえるような会社、ゲームの歴史の中で、きちんと語っていただける会社に成長させないといけない。でなければ、会社の存在意義がないですよ。よく他社さんから御影さんはチャレンジャーだとか、ギャンブル性に富んだ経営をすると言われるんですが、ゲームの歴史に名も刻めないような仕事をして、会社や自分に何のプライドが残るんだろう、何の自分の人生だったんだろうと思うんです。そんな思いはしたくないし、社員にも味あわせたくない。そういう気持ちで、社長をやっています。

―――宇田さんはどうですか? そうはいっても、安定も重要だとは思いませんか?

宇田:この会社に入った時点で、腹はくくっています。安定が必要なら、そういう会社に入るので。

御影:たぶんうちの上層部の社員は履歴書を出せば、どこでも一発で合格する力があると思います。そういう子たちが、わざわざうちの会社に安定を求めに入って来るわけがない。なので、そこはあまり気にする必要性がないんじゃないでしょうか。・

宇田:何をもって安定しているのか、その基準にもよりますよね。でも今の時代、どこの会社も、それなりにやばいので、あんまり変わらないですよ。そう考えれば、ある程度きちんと仕事があって、給料は毎月必ず支給されて(笑)、かつ挑戦的な仕事内容なので、何の問題もないんじゃないか、とは思います。なので、その御影の思想に不安を感じることはないですね。少なくとも僕の周り、社内のミドルレイヤーの人間は、けっこう楽しんでやっていると思います。もっとも、むちゃくちゃな量の仕事が降ってきて、現場が混乱することがたまにあって。そんな時に「御影さん!ちょっとペース早すぎ!」と思う人はいるでしょうけど。この会社が潰れるなとか、つまらなくなると感じている社員は、あまりいないんじゃないでしょうか


■ゲーム史に残る大作を作るために、上場を目指します


―――パブリッシャ宣言での社内での盛り上がりはありましたか?

宇田:それはありますね。はじめて自分たちのメーカーとしての名前で、ゲーム雑誌に3−4ページも記事が載るというのは、みんなものすごい感慨があったらしくて。かなりモチベーションアップに効果がありました。この瞬間、業界の一画を占めているんだという自負は、やっぱりパブリッシャでないと得られないと思います。それをみんなで共有できたのは大きかったですね。なくなったら悲しまれる会社を目指すべく頑張るための第一歩として、十二分なモチベーションじゃないかなと思います。

―――自社開発と受託のバランスは、どうとりますか?

御影:おもしろい仕事か否かで、バランスはあまり考えてないです。半々といった気持ちは、さらさらないです。他社さんで発売されたシリーズの続編が遊びたいという声が大きければ、当然受託で作らせていただきますし、会社なので利益の確保も必要です。大前提として僕等はエンタテインメント産業にいるので、お客様が求めている商品を、おもしろく作って提供する信念は確固としてあるので、そこはぶれたくありません。自分たちの思いではなくて、その時々のお客様の声をひろいながら、ゲーム作りを進めていきます。

―――では最後の質問です。上場は考えていますか?

御影:はい、2-3年後の上場を目指して、その準備はしています。

―――なぜ上場したいんですか?

御影:パブリックカンパニーにしたいからです。僕のやりたいことは一つで、将来記憶に残るような、でっかい作品を作りたいんです。そしてそれが永続的に生み出されていく会社を目指します。そのためにニッチなゲーム会社でい続ける必要性はないです。小さな会社で世界的なゲームを作れますか? かなりの確率で作れませんよ。小数精鋭という言葉が使える開発会社は世界的に見ても両手で数えるくらいじゃないですかね?まずデベロッパではパブリッシャが必要ですし、パブリッシャでも100人程度の規模の会社では、世界的なゲームは作れません。そのためには一定以上の規模感が必要で、そのためには上場しなければ残念ながら無理です。「上場したらゲームが作れなくなる」のは、アマチュアの考え方です。上場を目指します!と宣言した時に周りのクリエイターの人にやめたほうが良い、とかうまく行った例が無い、とよく言われましたが。それはゲーム会社創世期に上場していった会社が沢山あって、経営と現場のバランスが現状崩れ始めている事をさして皆さんおっしゃっていると思うのですが。

もちろん課題は山済みです。ただ、時間をかければ、解決不可能な課題はないと思ってます。むしろ、解決しよう!と努力をしなくなる危うさが上場には含まれているんじゃないかと思っています。

―――それはなんでしょう?

御影:それは、上場すると経営者は上場益(創業者利益)を手にするので、たいていユルみます。そうすると、大体会社はおかしくなります。だから上場して僕がユルんだら、皆さん僕を叱りに来てください。

―――上場益の使い道を公言しておけば良いんじゃないですか?

宇田:ああ大丈夫です(笑)。御影は入ってきたお金は、ゲーム作りにしか使いませんから。「なんでこいつ、上場益を貯蓄しないんだ」と社員は思うかもしれませんが、支えてくれるお客様がガッカリすることはないかと思ってます。

―――ゲームで儲けたお金は、ゲームにしか使わんと。

宇田:少なくともうちの会社は、儲かったお金を、皆様を楽しませる以外の目的では使いませんよと。それ以外に興味はないですよね?

御影:ええ。10年以内にゲーム史に残るような、でっかい作品を作ります。

僕が20歳の時に、父が自己破産(※JRPGサイトコラムを参照)したんです。その時父は最後の金で僕をアメリカに連れて行ってくれて「俺はアメリカのエンターテイメントの規模を日本に根付かせたかったけど駄目だった」とぽろっと言ったことは今でも脳裏に残っています。 映画のアカデミー賞のあの凄さ。日本の映画では無理ですね。。しかしゲームなら出来ると僕は思っています。自分の個人資産とかメージエポックという会社が日本で一番でかくなるとか、そういう事が最終的な目的ではないんです。。

ゲームという産業が文化になる過程において「最高のエンターテイメントが生み出され続ける企業」それが日本に誕生してくれさえすれば成功だと思っています。

ソフトという意味では任天堂さんがいます。任天堂に並ぶ企業が後数社並ぶと良いなと思っています。 任天堂という会社のソフトは古くなりにくいという意で、永続的という表現をしても違和感がないのですが他の大手サードさん達は今会社を支えている経営者やクリエイターの次代が全く見えてない状況です。そういう意味で永続的なエンターテインメントを目指せる会社が今、任天堂以外にあるのかと言えば、正直かなり疑問視しています。

そういった意味でも僕ら若手は頑張って、華やかに動かなくてはいけないと思っています。

―――ありがとうございました。
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

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