コミュニティとゲームの未来は?〜「日本で育つ新しいコミュニティの魅力」新世代ブロードバンド研究会 | GameBusiness.jp

コミュニティとゲームの未来は?〜「日本で育つ新しいコミュニティの魅力」新世代ブロードバンド研究会

ブロードバンド推進協議会の新世代ブロードバンド研究会/ゲーム&コミュニティサービス・ワーキンググループは10日、「日本で育つ新しいコミュニティの魅力」と題したオープンセミナーを開催しました。

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前半ではニコニコ動画研究の第一人者である濱野智史さん(日本技芸リサーチャー)と、ニュースサイト「イザ!」の企画開発などを手がけた猪子寿之さん(チームラボ代表)が講演を行い、後半では質疑応答とディスカッションが行われました。

濱野智史さん


これまで「時間」という切り口で、コミュニティサービスについて論評してきた濱野さん。現在はSecond Lifeのような「真性同期」よりも、ニコニコ動画のような「疑似同期」、Twitetrのような「選択同期」が人気だが、総じてリアルタイム化は進むと予測します。その先にあるのは「あらゆる行為・体験・状況が、スマートフォンとAR(拡張現実)でリアルタイムに実況され、コメントがつけられる世界」だと考えられます。

ただし、それはwikipediaのような「集合知」の世界ではなく、ノイズ的な情報が氾濫する「集合的無意識」状態になるのは避けられません。もっとも人間は、もともと意味のない情報を瞬時に選別する優れた情報選択システムを備えています。むしろ、こうしたノイズが氾濫する社会において、認知的な仕掛けを用いて、人々の行動が巧みに制御されるような社会が到来するのでは・・・これが濱野さんの指摘する未来像でした。

ここで濱野さんが例に挙げたのは、シカゴにある高速道路の事故防止事例です。ある高速コーナーでカーブが進むにつれて、車間距離を示すラインの間隔を徐々に狭めていったところ、ドライバーが錯覚してスピードをゆるめるようになり、事故が減少したのです。こうした認知的バイアスを用いてユーザーを誘導するテクニックは、ゲームではおなじみで、レベルデザインやUIデザインなどに良く見られます。

カーブの先ほど横線の間隔が狭くなっているように見える。実は目の錯覚ではなく、実際に間隔が狭まっている。ゲームの現実化、現実のゲーム化


もっとも、こうした行為は現実世界では大変ですが、「電脳コイル」などの拡張現実世界では低コストで実現できます。さらにインフラ設計者だけでなく、ユーザー同士が協力したり、共有しながら、さながら「ニコ動」のように上書きしていくことも可能でしょう。こうした現実とゲームの世界が互いに影響しながら、融合していく社会が、近い将来に訪れるのではないか、と濱野さんは語りました。

続いて話は日本のネットユーザーの類型にうつりました。濱野さんは日本のネットコミュニティは「1:リアル生活の延長」「2:リアル生活との乖離」「3:匿名的共同空間」の3種類しかない、と指摘します。

日本のネットユーザーの3類型


1:はプロフィールサイトなどで、現実の人間関係とネットコミュニティを重ね合わせている層。2:はアルファブロガーやTwitterのユーザーなど、現実とネットを切り離し、別の人格としてふるまう層。そして3:は2ちゃんねらーに代表される、ネット上で特定の人格を求めない層です。

さらに日本では、アメリカで流行したサービスがまず2:向けに流行するが、そのままではキャズムは超えられず、日本独自の機能を盛り込んだり、アーキテクチャになることで、1:のユーザーにも普及する。その一方で日本特有の現象として、3:向けのサービスが登場して広く普及する、と分析します。

その上で濱野さんは「自分でも耳が痛いが」と前置きしつつ、サービスの設計時に2:のユーザーニーズを重視しすぎないことがポイントだと語ります。2:は、いわゆるアーリーアダプター層で、ネットの発言力は大きいが、実は少数派だというのです。そのためにはグループヒアリングやアンケート調査ではなく、参与観察やフィールドワークといった、文化人類学的な調査アプローチが必要だと指摘しました。

猪子寿之さん


続いて猪子さんは、これまで手がけてきた作品群を紹介しながら、デザイン哲学について語りました。

はじめに猪子さんが紹介したのは、2007年のAUデザインプロジェクトで発表した「ACTFACE」です。ユーザーの利用頻度や利用傾向にあわせて、メイン画面に表示された街のデザインがさまざまに変化していく「PLAY」と、キータッチにあわせて携帯電話が水墨画を表示しながら、心地よいリズムを奏でる「RHYTHM」という2つのコンセプトモデルが披露されました。

「PLAY」(左)と「RHYTHM」(右)


参考:http://dev.team-lab.com/index.php?itemid=58

このコンセプトについて、猪子さんは「外側のプラスチック形状をいくら変えても仕方がない。インターフェースの概念を変えよう」と考えたと言います。さらに「本来インターフェースなんて必要なくて、ユーザーは思うがままに操作したいはずだけど、テクノロジーが未発達なので、仕方がなく使っている」と指摘しました。そこで「仕方がなく操作している」ものに対して、楽しさや心地よさなど、別の価値をつけたら「仕方がある」ものになるのでは、と発想を進めていったそうです。

産経新聞のニュース・ブログサイト「イザ!」は、新聞社のニュースに読者がブログを書き込める「新聞2.0」サービスとして注目を集めました。これについても「ニュース記事自体は媒体で差が出ない」と考え、ユーザーが記事に対して、さまざまな価値を加えていくことで、元の記事の価値を上げていくイメージだったと語ります。その結果、「イザ!」は新聞社が運営するニュースサイトでは、最大級のPVを集めるまでになりました。

続いて紹介したのは、サイト上でお絵かき遊びができる「SKETCH PISTON」。サイト内は物理法則が働いており、スケッチに応じてオブジェクトが動いたり、キャラクターが移動したりします。スタンプツールで模様をペタペタと張ることもできます。描いた絵をウェブ上で共有することも可能です。それ自体がサイトであり、ユーザーインターフェースであり、ゲームでもある「コンテンツインターフェース」という提案です。

ユニークなのは、これが企業サイトのトップページにも採用され始めていること。都市開発を手がける「iduプラス」、日本テレビの「日テレダビア」などで「SKETCH PISTON」シリーズが体験できます。

「SKETCH PISTON」(左)とiduプラスの企業ページ(右)


参考:http://www.team-lab.com/sketchpiston/sketchpiston1/

猪子さんは「昔はデザイナーの仕事は、最高のクオリティの作品を作って、マス媒体で流すことだったが、そんな時代ではなくなった」と語りました。それよりも、ユーザーが自由に作成しているはずなのに、それなりのクオリティが担保される仕組みを設計することが大切だと言います。そんな猪子さんが絶賛したのは、誰が撮ってもそれなりに綺麗に映るプリクラでした。「絵が下手な人でも、ホントは絵を描くことは好きなはず。その気持ちを失わせないようなツールができたらいい」(猪子さん)。

猪子さんは「コミュニティだからといって、特別なことを考える必要はなくて、無意識のうちに、何でもコミュニティになればいい」と語ります。ある時、猪子さんの知り合いのプロのスケードボーダーが、Youtubeに自分の動画を上げたところ、「スゴいことになった」そうです。その「スゴいこと」とは、海外から仕事の依頼が来たなどではなく、自分の家族や、音信が途絶えていた友達から「動画を見た」という連絡が来たことでした。ネットだけを見ていると、こうした普通の人々のことを見失いがちだと指摘します。

ディスカッションでも濱野さんと猪子さんは、通常のマーケティング活動などでは無視されがちな、「普通の人々」の存在を意識する重要性について語りました。猪子さんは、クライアントのオーダーによっては、対象となる客層を肌感覚で掴むため、ルームシェアの相手を探して、共同生活することもあるそうです。濱野さんはフィールドワークの手法として、たとえば視聴したテレビ番組などについて事前に日記を書いてもらい、それを見ながら質問していく手法が有効だと語りました。

本セミナーは「コミュニティ・プラットフォームがもたらすパラダイムシフト」と題したオープンセミナーの第2回目です。最終回となる第3回目は、12月の開催を予定しています。
《小野憲史》

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