
メキシコの連邦議員Iraís Reyes氏と上院議員Luis Donaldo Colosio氏が、SIEによるPlayStation向け新作ゲームのディスク生産終了方針について、メキシコ連邦競争委員会に申立てを行う予定であることを、海外メディアLevelupが報じています。
「ゲームを本当の意味で所有できなくなる」と訴え
両氏はCitizens' Movement(市民運動)党の所属ですが、今回の申立ては政治家としてではなく、一般市民およびゲームの消費者としての立場で行うとのことです。
申立ての主旨は、ソニーが自社の市場における地位を利用して、自社プラットフォーム上のゲームの独占販売業者になろうとしているかどうか、そしてそれが消費者と競合他社の両方に損害を与える可能性があるかどうかの調査を求めるものです。具体的には、コンソールハードウェア・デジタルストア・ゲームの流通・価格設定のすべてをソニーが一手に握ることで、過度な権力集中が生じる恐れがあると指摘しています。
「もしディスクが消えれば、PlayStationを所有しているユーザーは誰でもゲームを購入する場所を選ぶことができなくなり、ソニーのストアだけでの購入を強いられることになります」とReyes氏は語っています。
Colosio氏は小売業者への影響についても言及。「小売店は新作ゲームの販売をめぐって競争できなくなり、非常に大きな規模を持つ中古ゲーム市場やゲームの売買市場も消滅するでしょう」と述べています。
さらにColosio氏は、デジタル所有の問題点にも懸念を示しています。「消費者はゲームを本当の意味で所有することができなくなります。デジタル配信では、従来の意味でゲームを購入するのではなく、ライセンスを購入することになり、コンテンツへのアクセスは企業が設定する条件次第となります」と指摘しました。
インフラ格差や開発者への影響も懸念材料に
両議員はデジタル一本化によるインフラ格差の問題も訴えています。「すべてをデジタル化することを強制することは、すべての人が高速で安定したインターネット回線を利用できるという前提に立つことになりますが、それがメキシコ全土の現実ではないことは明らかです」とColosio氏は説明しています。
また、ゲーム開発者にとっても不利益が生じると主張。物理的な小売チャンネルがなくなることで、パブリッシャーやスタジオはPlayStationのデジタルインフラに完全依存することになり、プラットフォーム手数料やソニーが課す商業条件に縛られることになるとしています。
申立ての中では、こうした行為がメキシコ連邦経済競争法における相対的独占慣行に該当する可能性があるとして、コストの増大・競争の制限・開発者の利益率低下などにつながりうると論じられています。
なお、Reyes氏は2025年にシェインバウム大統領政権が提案したデジタルプラットフォームへの8%課税に反対したことで「ゲーマー議員」の異名を持つ人物でもあります。
今回のディスク廃止をめぐっては、Change.orgでの署名活動も続いており、記事執筆時点で31万件以上の署名が集まっています。











