『バニガ2』“泣く泣くボツの紳士的ミニゲーム”やModへの見解……“お紳士向け”最大手、qureate・臼田裕次郎に聞く「セクシーゲーム」の最新事情【インタビュー】 3ページ目 | GameBusiness.jp

『バニガ2』“泣く泣くボツの紳士的ミニゲーム”やModへの見解……“お紳士向け”最大手、qureate・臼田裕次郎に聞く「セクシーゲーム」の最新事情【インタビュー】

ゲーム市場においても、表現が難しくなってきた昨今、qureateはセクシーなゲームを意欲的に作り続けています。“お紳士向け”最新作である『バニーガーデン2』の開発秘話から、セクシーゲームに取り組む姿勢まで、同社の代表を務める臼田裕次郎氏にお話を伺いました。

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■qureateが挑み続ける“セクシー表現”の現状

──qureateさんの方向性として、最も力を入れ、同時に慎重になる部分が、紳士向けの「セクシー要素」だと感じています。この令和において、セクシーなゲームを出す難しさについてお聞かせください。

臼田氏:そうですね、確かに難しい話です。まず、ウチのゲームを見て「気持ち悪い」と思われるのは仕方ありませんが、「誰かが傷つかないようにしたい」というのがあります。

例えば、弊社の作品に『ビートリフレ』というゲームがあり、本作のマッサージ表現を見て、「セクハラを受けた体験を思い出した」という声をいただきました。そういう方が実際にいらっしゃると改めて認識し、色々な人が傷つくことがないように配慮しようと決めています。

もちろん、すべてにおいて完璧に整えるのは難しいんですけどね。『バニーガーデン』も、「飲み屋でセクハラされたことを思い出す」と言われたら、何も言えませんし。夜職をテーマにしている以上、ある程度は避けられない部分もあります。

あとは、やはりプラットフォーマーさんによって制限も違いますが、そこを「ギリギリ攻めて困らせてやろう」という気持ちは全然なくて。ちゃんと相談した上で、“出せる範囲のものを最大限出す”というスタンスで臨んでいます。

──その相談の範囲で、プラットフォーマーごとに一部表現が変わるわけですね。

臼田氏:そうですね。プラットフォーマーさんごとに違う部分もありますし、時期によって基準が変わることもあります。それでも、より多くの人に遊んでもらうために調整しています。

──表現を変えずに出せる場所だけに絞るのではなく、一部表現を変えてでも、広く提供する道を選んでいると。そうしたやり方にはメリットもあると思いますが、単純に手間は増えますよね。

臼田氏:すでに完成しているものに制限をかけるわけですから、単純に工数は増えます。

──全てのプラットフォームで同じバージョンを出せれば、一番シンプルですよね。

臼田氏:その通りです。でも、現実的にはそうもいかないので、工数が増えてでも、遊べる環境を広げたいと思っています。

──qureateさんに限らず、今のゲーム市場全般の話ですが、プラットフォームによって表現差があると、制限をかける側のプラットフォーマーに批判が集まりがちです。もちろん、ユーザーさんの不満も理解できます。ただ、制限をかけるプラットフォーマーは、「表現を規制する悪役」ではなく、「表現を制限してでも、自分たちのプラットフォームで出せるようにする」という、前向きな取り組みの結果なのかなと個人的に考えています。

臼田氏:表現が変わってしまうこと自体は残念ですが、「こんなの出せませんよ」と突っぱねられるより、「もう少しこうしてもらえれば出せます」と言ってもらえる方が、未来がありますからね。

実際、『バニーガーデン』のように攻めた内容のゲームでも、各プラットフォーマーさんが丁寧に調整の方向性を示してくださるからこそ、ユーザーさんに届けることができています。そういった形で、作品を世に出せるよう一緒に向き合っていただいていることには、本当に感謝しています。

──0か100かでは、先細るだけですしね。

臼田氏:とにかく重要なのは、多くのユーザーさんに届けること。それはきっと、ウチだけではなく、他のメーカーさんやプラットフォーマーさんも大事にしていることだと思います。

──表現つながりで言えば、昨今では「大人の女性でも、貧乳キャラを出すのは難しい」と聞きますが、実際どうなんでしょうか。

臼田氏:貧乳キャラは、どうしても幼く見えてしまう可能性があるため、リスクが大きいと思っていただけると。

──大人のキャラでも、貧乳だとリスクがあるわけですね。

臼田氏:ウチのゲームを見た人から、よく「巨乳キャラばっかりじゃねえか」と言われるのですが、致し方ない部分もありまして。

本当は、キャラクターのバリエーションをもっと増やしたいんです。でも、リスクの高い描写をして、ゲームそのものが出せなくなったら意味がありませんから。

──一線を越えない範囲で、今後もバリエーションに期待しています。ほかに、表現面で気をつけていることはありますか?

臼田氏:僕は「笑えるエロ」と「笑えないエロ」があると思っています。もちろん人によっては、ウチの作品でも「笑えない」と感じるかもしれません。でも、この手のゲームが好きな人には、笑って楽しめるラインなのかなと思っています。

逆にR-18要素を入れてしまうと、一気に笑えなくなる気がするんですよね。ウチも昔はR-18作品を作っていたことがあるんですけど、いまはそこはやめて“お紳士向け”としてやっていこう、という方向になりました。

どれだけ面白いネタを入れても、露骨なR-18要素が(ゲームの別の個所に)あるという前提が存在するだけで、ゲーム全体の空気が変わってしまいますしね。

──「一線をギリギリ超えない表現でしか得られない栄養」というのは、やはりありますよね。

臼田氏:見えるの? 見えないの? でドキドキしたいじゃないですか。その栄養を、ぜひウチの作品で味わってください。

■どれかは実現するかも?「いつかは乙女向け」「“おバカ方向”に全振り」「フルプライス版『バニガ』」……気になり過ぎるqureateの今後

──それでは、qureateの今後についてもお聞かせ願います。これからの展開としては、これまで築き上げてきた路線をさらに強化していく、と考えてよろしいですか?

臼田氏:そうですね。これからも“スナック菓子感覚で遊べるお紳士向けゲーム”を作っていく形になると思います。その中で、ユーザーさんに愛されたタイトルを、さらに大きく広げていきたいですね。

あと、まだ全然具体的ではないんですけど、個人的には“淑女向け”もやってみたい気持ちはあります。僕、プロデューサー人生で一度も女性向け作品をやったことがないので。

会社的に許されるかは分からないですけど、個人的な挑戦として興味はありますね。ただ、今のノリを女性向けに持っていった時に、大炎上しそうで怖いんですよ(笑)。

──紳士向け恋愛ゲームのタブーと、女性向け恋愛ゲームのタブーって、全然違いますよね。

臼田氏:「乙女ゲームにBL要素を盛り込んで炎上」とか、絶対に避けたいです。こちらは面白いと思ってやったのに、「そこが地雷だったの!?」みたいなこともあるので、そこは勉強しながらやるしかないと思っています。

あと、「バニーガーデンの女性向け版を作ってほしい」という声も結構あるんです。機会があればやってみたいんですけど、受け入れてもらえるかは未知数ですね。

──女性向けだと、借金描写がかなりヘビーになりそうですね。

臼田氏:男性主人公だと、「借金で肉体労働」はネタとして成立しやすいんですけど、女性主人公で「借金して夜職へ……」となると、笑えなくなっちゃうじゃないですか。

──確かに、女性主人公だとかなりシビアに感じます。

臼田氏:そこを“笑えるレベル”に収めるのが難しいんですよね。

──でも、いつか新しい挑戦も見てみたいです。期待しています。

臼田氏:ありがとうございます。あとは、めちゃくちゃバカなゲームを作ってみたい気持ちもありますね。純粋に“おバカ方向”へ振り切った作品というか。

──『SIMPLE2000』シリーズの後継者みたいな。

臼田氏:そうそう、まさにそんな感じです(笑)。

──逆に、フルプライス級の大作を作りたい、という気持ちはありますか?

臼田氏:今はそこまで考えていなくて。どちらかというと、『バニーガーデン』みたいな、みんなに愛されるゲームを作りたいんです。開発中に泣く泣く削った要素もたくさんあるので、それをもっと大きく広げたい気持ちがありますね。

仮にフルプライスで作るなら、『バニーガーデン』をフルプライス化して、これでもかと盛り盛りな作品にしたいです。

──『バニーガーデン』のフルプライスと聞くだけで、期待が高まりますね。

臼田氏:期待が高まる分、やるなら相当力を入れないといけませんよね。今回の『バニガ2』も、気持ちとしては「フルプライスで売りたいくらい」の熱量で作ったので。

本当にフルプライスで売るなら「2万円で売りたいレベル」を目指さないとダメだと思っています。だから、やるなら社運を賭けるレベルですね。ウチは、小さい会社なんで(笑)。

──もしフルプライス版が発表されたら、「社運を賭ける時が来た……!」と(笑)。

臼田氏:「これ売れなかったら潰れるぞ」って思ってください(笑)。

──その未来も楽しみにしつつ、これまでに発表されたタイトルについても教えてください。開発は順調に進んでいますか?

『スプラッシュガールズ』

臼田氏:痛いところを突きますね(笑)。でも順調です。『東京ワルキューレ』というデッキ構築型ローグライトゲームは、今年の夏発売予定です。これは、夏に出せると思います。

また、TPS作品の『スプラッシュガールズ』が年内の発売を予定しており、さらに、汚部屋を掃除する『汚部屋彼女プロジェクト(仮)』を、2027年に向けて開発中です。

あとは、『バニーガーデン』のスピンオフ第2弾の企画も進めてます。取り組み中というか、お見せできるのはまだ先になりそうですが。ちなみに、『へべれけ ばにーがーでん2』ではなく、全く別ジャンルのスピンオフになります。

──そのスピンオフ作品は、『1』ベースですか? 『2』ベースですか?

臼田氏:『2』ベースです。

あと、まだ具体的には決まっていませんが、『バニーガーデン』シリーズ自体は今後も続けていきたいですね。『バニーガーデン2』のDLCがまだあるので、それが落ち着いたら次を考えたいと思っています。

──今後の予定も多彩ですし、これまでにもう20作品以上を出されていますよね。

『東京ワルキューレ』

臼田氏:そうですね。次の『東京ワルキューレ』で、ウチの女性キャラは100人超えると思います。『ファンタジスタ明日翔』だけで30人いますし(笑)。

──完全に与太話ですが、“スーパーqureate大戦”とか見てみたいですね。

臼田氏:そういう声は、実はユーザーさんからすごくいただくんですよ。「オールスターゲーム出してくれ」とか、「スマブラみたいなの作ってくれ」とか。でも、「誰が買うんだよ!」って(笑)。

──ネタとしてはすごく面白そうなんですが(笑)。qureateさんの10周年に合わせたビッグタイトルとして、いかがですか?

臼田氏:いやいや、まだ3年も先の話じゃないですか(笑)。でも、もし実現するとしたら、スパロボやスマブラみたいな作品は難しくても、弊社作品の女の子たちが総出演する恋愛ゲームみたいなものはやってみたいですね。100人以上の女の子とハーレムを築くゲームとか(笑)

──そちらも期待しておきますからね(笑)。もっとお話を伺いたいところですが、かなり時間をいただいてしまったため、残念ですが今回はここまでとさせていただきます。最後に、ユーザーの皆様に向けたメッセージをお願いします。

臼田氏:ありがたいことに、弊社を応援してくれているファンの方が想像以上にいらっしゃるため、期待に応えられるものを何かしら作っていきたいですね。

今後も“スナック菓子感覚で遊べる紳士ゲーム”をどんどん出していきますし、未発表タイトルも水面下で動いているので、ぜひ注目していただければと思います。

──今後の活躍も楽しみにしています。

臼田氏:あ、そうだ。本当は『バニガ2』に入れたかったけど、入れられなかったミニゲームがあるんですよ。両手を頭の横に添えて、人差し指だけ立てて“牛”になり、女の子の胸のポイントをピンポイントで当てるっていう(笑)。

──“ポイントをピンポイントで”ですか(笑)。入れたかった気持ちも、入れられなかった理由も分かります。

臼田氏:みんなで「これいいね!」って盛り上がったんですけどね……泣く泣く断念しました。おバカの道は険しいです(笑)。

──いつか実現する日を願っています。

臼田氏:『バニガ2』でも泣く泣く削ったミニゲームが結構あるので、次回作があるかは分からないですけど、ぜひ期待していただけたらと思います。これからも、くだらないものを全力で作っていきます。

あと、コラボしたい企業様はぜひご連絡ください。R-18以外なら、どんどんお声がけください(笑)。ウチの花奈ちゃんは“尻軽”なのでどこにでも行きます。

──せめて“フットワークが軽い”と言ってあげてください(笑)。

臼田氏:そうそう、フットワークが軽い(笑)。

実は『ケツバトラー』の企業さんに連絡しようかなと思ったこともあるんですよ。「ウチの花奈ちゃんどうですか?」って。

──それは……見てみたいです(笑)。

臼田氏:シャンパン瓶を例の場所に挟んで、“シャンパンブレード”とか(笑)。

──では、興味がある企業さんは、ぜひqureateにご一報を。そして、“シャンパンブレード”で今回のインタビューを締めくくらせていただきます(笑)。





《臥待 弦(ふしまち ゆずる)@Game*Spark》

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