4GamerとGame*Sparkは、2026年6月13日、ゲーム業界で働きたいという熱意を持つ学生と、未来の人材を求める企業をつなぐイベント「キャリアクエスト」の第4回を、東京都立産業貿易センター浜松町館で開催した。
ゲーム業界に高い関心を持つ学生に向けた合同説明会「キャリアクエスト」は、今回で4回目の開催となる。本記事では、実際にゲーム開発の現場で働く社会人へのインタビューを通じて、ゲーム業界で働く魅力や成長の過程を紹介する。就職活動やキャリアを考えるうえでの参考になれば幸いだ。
今回は、アプリボットで入社2年目から運営プロデューサーに抜擢されたK・Fさんにインタビューし、「社会人編」として現在の仕事内容や、若手のうちから活躍するために意識していること、そして今後のビジョンなどを聞いた。
なお、本記事は4GamerとGame*Sparkによる共同制作の連載記事です。

ゲーム業界就活イベント「キャリアクエスト」公式サイト
若手抜擢の環境で学んだ、信頼関係と巻き込み力の重要性
4Gamer:本日はよろしくお願いします。まずは、現在の仕事内容について教えてください。
K・Fさん:2025年度に入社し、現在はスマートフォンゲームの運営プロデューサーを務めています。
4Gamer:運営プロデューサーとは、どのような仕事なのでしょうか。
K・Fさん:毎月実施するガチャやイベントの企画を具体化したり、半期ごとの売上目標を達成するための施策を検討したりするのが主な業務です。また、チームリーダーとしてメンバーとの面談を行い、目標設定やモチベーション管理を行うこともあります。
4Gamer:現在の部署には、どのような経緯で配属されたのでしょうか。
K・Fさん:内定後に、希望する部署でアルバイトができる「内定者アルバイト」という制度を利用したあとに配属先が決まりました。私の場合は内定者アルバイトでもゲーム事業部を選んでいたため、希望通りの部署に配属していただくことができました。
4Gamer:入社後、特に大変だった仕事はありますか。
K・Fさん:入社当初に担当した不具合対応ですね。迅速な判断と対応が求められる中で、自分の決断が売上や会社の信頼に影響を与える可能性がありますし、場合によってはお客様に不快な思いをさせてしまうこともあります。責任の重さを感じましたし、正直なところ怖さもありました。
4Gamer:どのようにして、自信を持って判断できるようになったのでしょうか。
K・Fさん:納得のいく判断をするためには、日頃から勉強し、あらかじめ対策を考えておくことが大切だと思っています。そのため、自分から関係部署へ足を運び、厳しい指摘を受けながらも原因の特定や作業フローの整備に取り組みました。
また、実際に不具合が発生した際には、事前に用意していた選択肢の中から最適な対応を選び、その判断理由を文書として残すようにしていました。
4Gamer:先輩方のサポートはいかがでしたか。
K・Fさん:本人には見えない形ですが、何かあった際には先輩方がすぐにフォローへ入れる体制が整っていました。そのことを知ったときはとても心強かったですし、将来的には自分も後輩を支える立場にならなければいけないと感じました。
ただ、一度だけ不具合対応で自力では解決できず、実際に助けてもらったことがあったんです。そのときはありがたさと同時に、自分の力不足が悔しくもありましたね。

4Gamer:新人だから仕方がないと考えるのではなく、自ら成長しようという意識があったわけですね。入社当初からプロデューサーを目指していたのでしょうか。
K・Fさん:入社時はプランナーとして配属されました。
ただ、自分には「世代を超えて愛されるIPを作りたい」という夢があります。そのためには、ゲームだけでなく、さまざまな形でIPを展開していく必要があります。そうした取り組みを実現するために、幅広いエンターテインメント事業を展開し、若手にも積極的にチャンスを与えるサイバーエージェントへの入社を目指していました。
とはいえ、その夢はすぐに実現できるものではありません。まずは経験を積むことが重要だと考え、イベント施策や報酬設計といったゲーム運営の業務に取り組んでいました。
無我夢中で3か月ほど仕事に向き合っていたところ、半期総会の場で突然アシスタントプロデューサーへの就任を告げられたんです。本当に驚きましたね。
4Gamer:かなりの抜擢ですね。
K・Fさん:あとから聞いたのですが、日頃からさまざまな部署へ足を運び、積極的に話を聞いて回っていた姿をトレーナーの方が見てくださっていたそうです。その姿勢を評価していただいた結果だと聞いています。
4Gamer:実際に数字に責任を持つ仕事を経験してみて、いかがでしたか。
K・Fさん:正直怖かったですね。売上に直結する業務ですし、本来は経験を積んだ人が担当するような仕事ですから。
そこで前任者の方に相談したところ、「期待値」と「お客様の感情」を見ることが大切だと教えていただきました。
例えば、売上だけを考えるなら、新しいガチャを次々に投入する方法もあります。しかし、数字だけを追い求めると、お客様が疲れてしまうこともあります。
だからこそ、「この施策を見たとき、お客様はどう感じるだろうか」という視点を持ちながら、ガチャやキャンペーンの内容を考えるようにしていました。
4Gamer:大きなプレッシャーがあったと思います。乗り越える秘訣はありますか。
K・Fさん:秘訣と呼べるものはないですね。こうした判断は事前に勉強して身につくものではありませんし、最終的には経験を積むしかないと思っています。
プロデューサーやディレクターを目指すのであれば、責任のある判断から逃げることはできません。だからこそ、本気で向き合い続けました。
その経験があったからこそ、今後どんなプロジェクトに携わることになっても、自分なら乗り越えられるという自信につながっています。

4Gamer:社内はどのような雰囲気なのでしょうか。
K・Fさん:コミュニケーションがとても活発ですね。個人的にもスピード感を大切にしていて、気になることがあれば自分から足を運んで話を聞きに行くようにしています。
例えば、ちょっとした確認のためにデザイナーさんの席を訪ねたところ、周囲の方々も交えて話が広がり、その場で仕様まで固まったことがありました。
アプリボットには「巻き込み力」を大切にする文化があり、お互いに巻き込み合いながら助け合う関係性が根付いていると感じています。
4Gamer:自ら足を運んだからこそ、思いがけない形で仕事が前進したわけですね。ただ、人を巻き込むといっても、皆さんそれぞれ担当業務がありますし、加減が難しそうです。
K・Fさん:最初は私もそう思っていました。ただ、「チームの課題や失敗は自分の責任として受け止める。その一方で、チームで生み出した成果は自分の成果として誇っていい」という考え方を教わったことで、積極的に人を巻き込み、自分自身も巻き込まれていこうと思うようになりました。
今では、ひとりで抱え込むよりも、チーム全体で成果を出すことのほうが大切だと考えています。
4Gamer:会社にはどのような方が多いのでしょうか。
K・Fさん:もちろんさまざまな人がいますが、ひとつ共通していると感じることがあります。
私は後輩という立場でありながら、運営プロデューサーとして責任ある仕事を任せていただいていますが、年齢や社歴だけで評価されることはありません。皆さん、ひとりの社会人として向き合ってくださるんです。
4Gamer:年功序列にとらわれない社風があるわけですね。では、どのような人がこの会社に向いていると思いますか。
K・Fさん:若手の挑戦や成長を会社全体で後押ししてくれる環境がありますし、ゲームに限らず幅広いエンターテインメント事業を展開している会社でもあります。
そのため、成長意欲が高い人や、大きなことに挑戦したい人、若いうちから経験を積みたい人にはとても向いていると思います。
また、採用では「素直でいいヤツ」であることが重視されていると聞いています。
どれだけ優秀な人でも、ひとりで出せる力には限界があります。周囲の意見を素直に受け入れ、多くの人の力を借りながら成果を高めていける人こそ、より大きな力を発揮できるのだと思います。

4Gamer:確かに「素直でいいヤツ」と聞くと一緒に働いてみたくなりますね。ご自身がゲーム業界で働いていることを実感する瞬間はありますか。
K・Fさん:自分が考えた施策を世に出し、その反応を見るときですね。
お客様に喜んでいただくために、何か月もかけて準備してきた施策ですから、良い反応をいただけたときは本当にうれしいです。逆に思うような結果にならなかったとしても、次につなげるための課題として受け止めています。
4Gamer:就活生だった頃と社会人になった今とで、考え方や仕事の進め方に変化はありましたか。
K・Fさん:かなり変わりましたね。
学生時代は、「まず自分ひとりで100%の完成度まで仕上げてから周囲に見せたい」と考えていました。
ただ、社会人になってからは、「まず20%の状態で枠組みを作り、周囲の意見を聞く。その方向性が正しいと判断できたら120%まで磨き上げる」という考え方に変わりました。
4Gamer:なぜそのように変わったのでしょうか。
K・Fさん:社会人には時間がありませんから。
100%まで作り込んだあとで方向性が間違っていたと分かると、大きな手戻りが発生してしまいます。一方で、20%の段階であれば複数の案を素早く出せますし、早い段階でフィードバックももらえます。
結果として、スピードも精度も上がったと感じています。
もちろん、20%で見せるからといって、自分が実現したいテーマまで曖昧にするわけではありません。テーマはしっかり持ったうえで、アプローチを柔軟に変えていくんです。
ただし、自分で最後まで考え抜かなければ成長できない場面もあります。そういうときは、100%まで作り込んでから持っていくこともありますね。
4Gamer:そうした考え方は、どのように身につけたのでしょう。
K・Fさん:トレーナーの方や先輩方から教わったことが大きいです。
最初の頃は、「人を巻き込む以上、100%の完成度でなければ失礼だ」と思っていました。
でも、テーマや目的をしっかり言語化したうえで、「まだ20%の段階なので意見が欲しい」と伝えれば、相手も協力しやすいんですよね。
むしろ、「頼りにしてもらえた」と前向きに受け取ってくださることも多いと教えていただきました。
その考え方を知ってからは、人を巻き込むことへの抵抗がなくなりましたね。

4Gamer:もし新卒の頃に戻れるとしたら、やっておきたかったことはありますか。
K・Fさん:ゲームをもっとたくさん遊んでおけばよかったと思います。
スマートフォンゲームの施策を考える際も、これまで遊んできたゲームの体験がベースになりますから。アイデアの引き出しは、多ければ多いほどいいですね。
4Gamer:ゲームを遊ぶこと自体が勉強になるわけですね。現在はどのように情報収集をされているのでしょうか。
K・Fさん:ランキングを確認したり、ゲーム業界のニュースをAIで要約したりしています。
ただ、実際に遊ばなければ分からないこともたくさんあります。特に最後までプレイして初めて見えてくる工夫もありますから、時間を見つけて新しいゲームを遊ぶようにしています。
4Gamer:忙しいなかでも、プレイヤーとしての感覚を磨き続けているんですね。
K・Fさん:そうですね。自分自身がコアユーザーであり続けることは大切だと思っています。
事業者としての視点だけで考えると、どうしても売上を優先した施策になりがちです。しかし、そうした考えはユーザーにも伝わってしまいますし、長く愛されるゲームにはなりません。
だからこそ、「自分がプレイヤーだったらどう感じるか」という視点を忘れないようにしています。
4Gamer:ゲーム業界で働くうえで、大変だと感じることはありますか。
K・Fさん:チームを動かすマネジメントと、ロードマップを描くことですね。
半年後や1年後にユーザーが何を求めているのか、そのとき売上はどうなっているのかを予測しながら判断しなければなりません。正解が分からないなかで決断を続ける難しさがあります。
4Gamer:好きなことを仕事にすることについては、どのように考えていますか。
K・Fさん:好きだからこそがんばれる部分はあると思います。
40年後に定年を迎えるその日まで、ゲームに関わり続けられると考えると本当に幸せですし、大きなモチベーションにもなっています。
周囲の同僚たちも、自分なりのビジョンを持ちながら仕事をしています。アプリボットも会社の規模は大きくなっていますが、挑戦を続ける姿勢は今も変わりません。そうした環境だからこそ、自分も成長し続けたいと思えるんです。
4Gamer:今後、挑戦してみたいことはありますか。
K・Fさん:今は目の前の仕事に全力で取り組み、地力をつける時期だと考えています。
そのうえで、5年後にはサイバーエージェント全体を巻き込みながら活躍できる人材になりたいですね。
そのためには、巻き込み力やリーダーシップをさらに磨かなければなりません。ゲーム事業でしか学べないこともありますし、ほかの事業だからこそ得られる経験もあります。
だからこそ、勇気を持ってさまざまな場所に飛び込み、自分が任せてもらえる領域を広げていきたいと思っています。
4Gamer:「世代を超えて愛されるIPを作りたい」という夢が実現する日を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

――2026年6月8日収録
「就活編」はこちら (4Gamerの記事に遷移します)
ゲーム業界就活イベント「キャリアクエスト」公式サイト







