観光がRPG化!? ヤマハの新サービス「モビリテス」で街が“テーマパーク”に変わる | GameBusiness.jp

観光がRPG化!? ヤマハの新サービス「モビリテス」で街が“テーマパーク”に変わる

ヤマハ発動機は4月3日、「移動」をゲーム感覚でアトラクション化する位置情報サービス「Mobilit.E.S(モビリテス)」の提供を開始した。

産業政策 その他
モビリテスの開発を主導したヤマハ発動機 新ビジネス開発部企画2グループの込宮正宏さん
  • モビリテスの開発を主導したヤマハ発動機 新ビジネス開発部企画2グループの込宮正宏さん
  • 4月4日、5日に横浜みなとみらいのYamaha E-Ride Baseで「Mobilit.E.S(モビリテス)」を体験できる
  • ヤマハのeバイクで「Mobilit.E.S(モビリテス)」を体験。位置情報を使って、最適なガイドをしてくれる
  • ヤマハの低速モビリティでも「Mobilit.E.S(モビリテス)」を体験できる
  • ヤマハの低速モビリティ
  • 「Mobilit.E.S(モビリテス)」のアプリ画面。非常にシンプルなつくり。
  • 「Mobilit.E.S(モビリテス)」の管理画面とアプリ。すべてブラウザ上で動く。
  • 「Mobilit.E.S(モビリテス)」のアプリ画面。スタートを押すと、連動して会場のスタート演出画面が起動する

ヤマハ発動機は4月3日、「移動」をゲーム感覚でアトラクション化する位置情報サービス「Mobilit.E.S(モビリテス)」の提供を開始した。独自開発したスマートフォンアプリを通じて音声コンテンツや、外部の照明機器などと連動させることで「すべての場所をテーマパークに変える」ことをめざす。

モビリテスは、「移動することが、もっと楽しく、もっと学びになる」をコンセプトに、ゲームの制作やイベント運営などをおこなう株式会社あしびかんぱにーとの協力で開発。沖縄県や大分県などで実証実験を重ねてきた。

ヤマハはこれまで、ゴルフカーを活用した低速EV「グリーンスローモビリティ」による地方のラストワンマイルの移動の課題解決に向けた取り組みや、観光地での移動とエンタメの実現に向けた施策をおこなってきた。そうした中で、観光ガイドの不足や高齢化、インバウンドへの対応、さらに周遊を促進する体験を作りたい、といった観光地の課題やニーズが見えてきた。

そこで、移動そのものに付加価値をつけることで、ヤマハが企業理念として掲げる「感動創造」を提供するべく、モビリテスの開発をおこなったという。

◆普通の観光ガイドとは違う「4つの特徴」

「Mobilit.E.S(モビリテス)」のアプリ画面。非常にシンプルなつくり。

「アプリを使った観光ガイド」と言えば月並みだが、モビリテスが他のサービスと異なる大きな特徴は4つある。

ひとつが、GPS(位置情報)との連動だ。地図上の特定のエリアに“情報”を設置することが可能で、そのエリアにアプリをインストールしたスマートフォンを持った状態で立ち入ることで、音声ガイドや映像などのコンテンツを自動受信。さらに、受動的なコンテンツだけでなく、外部の機器と連携させることもできるため、特定の場所でAR(拡張現実)やプロジェクションマッピングを起動させるといったことも可能となる。

二つ目が、「条件分岐」だ。これまでのガイドサービスのように一方的な案内ではなく、ロールプレイングゲームのように、ユーザーがどのような選択をするかによって、その後の体験が変わるというもの。アプリから課題やクエストが投げかけられ、それに対しどう行動するかで、同じ場所でも人によって異なる体験ができるという。

ヤマハ発動機の位置情報サービス「Mobilit.E.S(モビリテス)」

三つ目が、「インタラクティブ分岐」で、季節や時間、天候、そのエリアへの訪問回数など、さまざまな条件で提供するコンテンツを変化させることができる。たとえば雨天の場合には、雨の時でも楽しめる場所へ案内したり、春には桜が咲いている場所へ誘導したりといったことも可能。訪れるたびに体験が変わることで、再訪の理由が生まれる。

最後が、アプリ自体をウェブ画面で誰でも簡単に作ることができる、というもの。シンプルで直感的な管理画面が用意され、専門知識がなくてもノーコードでコンテンツの作成や編集をおこなうことができる。管理画面内の地図から、コンテンツを配置したいエリアを選び、どのような条件(時間、天気、季節、など)でコンテンツを発動させるかを選ぶだけ。アプリは、アプリストアを介するものではなくブラウザアプリなので、即時反映することもできる。

ヤマハ発動機の位置情報サービス「Mobilit.E.S(モビリテス)」

現在はヤマハが開発を請負い、自治体などへ提供するという形をとっているが、この開発プラットフォームを開放することで、だれもがモビリテスによるアプリを作ることができるようにすることも視野に入れているという。

モビリテスを用いた実証実験として、沖縄のリゾートホテル「カヌチャリゾート カヌチャベイホテル&ヴィラズ」で、2024年末から2回にわたり低速モビリティと連動した体験コンテンツの提供をおこなった。ホテル宿泊者に端末と低速モビリティを貸し出し、リゾートの中のコースを回るというもので、特定のスポットを訪れることで音声や、プロジェクションマッピングが起動するような体験を提供。期間中の土日には稼働率が7~8割にのぼる人気となり、体験した90%が「また体験したい」「みんなに話したい」などの高評価だった。

ヤマハの低速モビリティでも「Mobilit.E.S(モビリテス)」を体験できる

モビリテスでは観光地への展開を進めながら、さらにその先も見据える。

モビリテスの開発を主導したヤマハ発動機 新ビジネス開発部企画2グループの込宮正宏さんは、「モビリテスの今後の展開ですが、モビリテス自体のアップデートはもちろん、日本の強みであるキャラクターや、エンターテインメントのノウハウをもっと拡大していくというところと、自社の既存の商材(バイクやボートなど)との連携をどんどん強めていきます。その先に、レジャー施設やテーマパーク、我々がカートを入れさせていただいているゴルフ場などをターゲットにしながら展開していきたいと思っています」と展望を語る。

◆「奥尻島」でサービス開始、横浜みなとみらいで体験も

モビリテスは、この4月より自治体や観光関係者向けに本格提供を開始する。同時に、北海道の離島である「奥尻島」で周遊体験サービス「奥尻島、ギフトトリップ」を開始することも発表された。専用端末の貸出を一般向けに近日中に行う予定。

利用者はヤマハ製の低速モビリティやレンタカーなどを使って、音声ガイドとともに奥尻島に点在する自然の名勝や、地域ならではの食、文化が伝わる観光スポットを探検できる。その日の天候などに合わせたお勧めルートの提案なども可能で、天候や観光名所の下調べの手間なく、シームレスに奥尻島の魅力を堪能できるサービスとなる。今後は各スポットで照明の演出やキャラクターによる映像やAR撮影などのコンテンツも楽しめるようにアップデート開発を進めていくとしている。

4月4日、5日に横浜みなとみらいのYamaha E-Ride Baseで「Mobilit.E.S(モビリテス)」を体験できる

さらに4月4日、5日の2日間には、ヤマハのブランド発信拠点である横浜みなとみらいの「Yamaha E-Ride Base」を起点に、eバイク(スポーツ電動アシスト自転車)、低速モビリティ、電動ボートと連動したモビリテス体験をいち早く味わうことができるイベントを開催。横浜を「音楽のまち」としてブランディングするためのフェスティバルイベント「Live!横浜2026」に連動する形で、モビリテスによるインタラクティブな音声ガイドを聞きながら、横浜みなとみらいエリアのさまざまな景色を楽しむことができる。

モビリテスらしさをより体験するなら、eバイクがおすすめだ。モビリテスはあくまでガイドであってナビゲーションではないので、必ずしも決められたルートを通る必要はなく、eバイクならペースも自分でコントロールできるからだ。一方的に案内を聞かされている感がなく、名所に詳しいパートナーと一緒に旅をしているような感覚が味わえる。今回のガイド音声は沖縄で活躍するVtuber「根間うい」さんによるもので、快活な声による解説も楽しい。

ヤマハのeバイクで「Mobilit.E.S(モビリテス)」を体験。位置情報を使って、最適なガイドをしてくれる

Yamaha E-Ride Baseでは、普段よりヤマハのeバイクで横浜みなとみらいエリアを試乗体験できる無料サービスを展開している。自由に走りまわることができるのが魅力のひとつだが、モビリテスによるガイドが加わることで、同じ風景でも違ったものに見えてくるから面白い。

モビリテス体験の費用は無料で、事前予約が必要。

■「カヌチャリゾート カヌチャベイホテル&ヴィラズ」でのモビリテスの実証実験の様子

《宮崎壮人@レスポンス》

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