
スクウェア・エニックス・ホールディングスが2025年11月6日に発表した2026年3月期第2四半期(2025年4月1日~9月30日)の連結決算は、売上高が1,338億9,500万円(前年同期比15.0%減)となったものの、営業利益は272億7,800万円(同28.8%増)、経常利益は285億5,300万円(同57.4%増)と大幅な増益を達成しました。
一方で、海外スタジオの再編などに伴う組織再編費用として98億4,900万円を特別損失に計上したことなどから、親会社株主に帰属する中間純利益は100億5,200万円(同14.5%減)となりました。
セグメント別業績:デジタルエンタテインメント事業が収益性改善
デジタルエンタテインメント事業
ゲームを中心とする同事業の売上高は730億5,800万円(前年同期比25.6%減)、営業利益は200億9,000万円(同19.3%増)となりました。
HD(High-Definition)ゲーム: 前期に大型タイトルの発売があった反動で新作からの売上が減少し、減収に。しかし、開発費の償却負担や広告宣伝費が減少したことなどにより、前年同期の営業損失から黒字へ転換しています。
MMO(多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム): 前年に「ファイナルファンタジーXIV」の拡張パッケージが発売された反動で、減収減益となりました。
スマートデバイス・PCブラウザ: 既存タイトルが弱含みで推移し減収となったものの、決済手段の多様化による収益性改善などにより増益を確保しました。
アミューズメント事業
売上高は345億7,800万円(同4.6%減)、営業利益は42億1,700万円(同0.3%減)でした。 機器販売が前年を下回った一方で、既存店売上高やプライズ(景品)の販売が好調に推移したことなどから、営業利益は前年並みの水準を維持しました。
出版事業
売上高は144億2,000万円(同3.1%減)、営業利益は47億8,600万円(同11.3%減)となりました。 コミックスの新刊点数が減少したことなどが影響し、減収減益でした。
ライツ・プロパティ等事業
売上高は127億700万円(同32.3%増)、営業利益は67億9,300万円(同100.7%増)と大幅な増収増益を達成しました。 有力IP(知的財産)に関するロイヤリティ収入の計上が貢献したとのことです。
今後の見通しと中期経営計画の進捗
同社は2026年3月期の通期連結業績予想を修正しました。売上高2,800億円、営業利益410億円、経常利益410億円は据え置く一方、組織再編費用の計上などを踏まえ、親会社株主に帰属する当期純利益は期初計画の287億円から169億円へと下方修正しています。
今回の決算では、開発体制の見直しやコスト管理強化による収益性改善の成果が表れた形となりました。今後は、「量から質」への転換を掲げた開発パイプラインから生まれる大型タイトルが、同社の持続的な成長を牽引できるか注目されます。






