
海外メディアVGCの記事によると、過去2年間で1,200人以上の海外の常勤ビデオゲームジャーナリストが業界を去り、その後復帰していないことが明らかになりました。
このデータは、多くのパブリッシャーや開発者が利用するPRツール「Press Engine」から提供されたもので、ゲームメディア業界が直面する厳しい現実を浮彫りにしています。
◆2年で25%減、フリーランス含め4000人以上が業界離れる
Press EngineがVGCに提供したデータによると、IGNやPolygonといった大手海外ゲームメディアに所属するジャーナリストの総数は、わずか2年で25%も減少。離職者の内訳は、過去12か月でおよそ600人、その前の12ヶ月でもほぼ同数のジャーナリストが業界を去っています。
さらに、この数字は常勤のジャーナリストに限ったものであり、アマチュア、パートタイム、フリーランスのライターを含めると、2023年10月以降にゲームメディアから離れた人数は4,000人以上に膨れ上がるとのことです。
◆経営圧迫の原因はGoogleとAIか、人員削減へと繋がる負の連鎖
VGCの記事では、Press Engineの共同設立者であるギャレス・ウィリアムズ氏や、ベテランジャーナリストのアレックス・ドナルドソン氏が、ジャーナリスト減少の要因としてGoogle検索エンジンの変更や、検索結果に表示されるAIによる要約を挙げています。
これらの影響でメディアサイトへのアクセスと広告収入が激減し、多くのメディア企業が経営難に陥ったとのこと。その結果、大規模な人員削減や閉鎖が相次ぎ、多くのジャーナリストが職を失った形です。
近年では「Polygon」の買収や、「Game Informer」の復活など、個別のメディアの再編も活発に行われています。しかし今回のデータは、そうした動きとは別に、業界全体でジャーナリストとして活動する人間の総数が純粋に減少しているという現実を示しています。
ドナルドソン氏は同記事の中で「ゲームメディアは少なくとも今後12か月は縮小し続けるだろう」と予測しており、「まだ本当の地震は来ていないかもしれない。これは前震かもしれない」と、さらなる事態の悪化も示唆しています。











