スクウェア・エニックス時田氏・鈴木氏、Tokyo RPG Factory橋本氏がゲーム企画から就職までを語る―ヒューマンアカデミー「ゲーム企画塾」第1回レポート | GameBusiness.jp

スクウェア・エニックス時田氏・鈴木氏、Tokyo RPG Factory橋本氏がゲーム企画から就職までを語る―ヒューマンアカデミー「ゲーム企画塾」第1回レポート

「総合学園ヒューマンアカデミー」にて、「スクウェア・エニックス企画塾&ゲームカレッジWebオープンキャンパス」第1回が6月13日に開催されました。

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専門校「総合学園ヒューマンアカデミー」にて、「スクウェア・エニックス企画塾&ゲームカレッジWebオープンキャンパス」第1回が6月13日に開催。スクウェア・エニックスのレジェンド・時田貴司氏に加え、同校卒業生である橋本厚志氏、鈴木恭平氏が登壇して、ゲーム業界やゲーム会社への就職について伝えました。

同イベントは恒例のオープンキャンパスを、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大対策の観点からWeb公開としたもの。「総合学園ヒューマンアカデミー ゲームカレッジ」は全国14校がありますが、インターネットだからこそ会場に足を運べない人が参加しやすくなり、チャットを通じてリアルタイムで質問が募集され、盛況となっていました。

なお今回は、本稿でその様子をお伝えする第1回と、7月4日に実施される第2回に分かれています。第2回にも引き続き時田氏・橋本氏・鈴木氏が登壇。後述のゲーム企画に関する「課題」に対し応募があった作品へのフィードバック等が行われる予定です。

第2回応募ページはこちら

■登壇者紹介

●時田貴司氏
プランナー、ディレクター、プロデューサーなどを歴任し、『ファイナルファンタジー』、『半熟英雄』、『ナナシ ノ ゲエム』など、多数のヒット作を手がける。ゲーム環境が大きく変化する中で、30年以上ゲーム開発に携わっている。


●橋本厚志氏
ヒューマンアカデミー卒業生。プランナーとしてキャリアをスタートさせ、2014年よりスクウェア・エニックスの開発スタジオ、Tokyo RPG Factoryに参加。同スタジオの作品である『いけにえと雪のセツナ』、『LOST SPHEAR』、『鬼ノ哭ク邦』でディレクターを務めている。


●鈴木恭平氏
株式会社スクウェア・エニックス第一開発事業本部ゲームデザイナー。『キングダム ハーツ 358/2 Days』、『キングダム ハーツ Re: コーデッド』でバトルプランナーとプランニングディレクター、『ファイナルファンタジー ワールドワイドワーズ』ではディレクターを務め、『ファイナルファンタジーVIIリメイク』 や『キングダム ハーツIII』を経て、現在は新規HDタイトルのゲームデザインに関わっている。


第一部:スクウェア・エニックスによるゲーム企画塾


冒頭ではゲーム業界を目指す一般の方、在校生や卒業生が参加できる豪華景品が用意されたゲーム企画募集にあたって、時田氏から企画の考え方が伝えられました。

スクウェア・エニックス流のゲーム企画の考え方を発表。時田氏は自身の経験から、「直球で考える、足し算や引き算に置き換えるなどの計算式、分かりやすさ、サプライズ、触り心地」の5つのポイントを挙げ、「ゲームに限らず悩んだ時に当てはめると問題が解決しやすくなる」と伝えました。

全ての人を満足させる企画は難しいため、自分が面白いと感じ、これが作りたいと思う理由など、直球で考えた方が近道になるとのこと。その上で、多様な計算式で考える必要性があり、特に引き算が重要になって来ます。時田氏は料理に例えて、「激辛カレーや淡麗塩ラーメンなども引き算して突き詰めたから、サプライズがあってコンセプトが伝わりやすく、大勢の人に届くようになる」とし、最後はゲーム操作した時に面白さが伝わることが欠かせないと伝えました。

■5つのポイントを抑えた上で、普段どんなゲーム企画を考えているのか?


時田氏は企画書作りでは本能に訴えるべきだと力説しました。ゲームジャンルは人間の本能に根ざしており、狩り、音楽を聞く、コレクション、コミュニケーションなど、普段生活する中で面白いと感じているものと直結しています。そのため、何の本能に訴えかけるかが非常に重要なキーポイントとなるからです。

その上で、世界観は中学生や女性、成人男性などターゲットとする層によって世界観が決まり、ボードゲーム、コンシューマー、スマートフォンなどプラットフォームによって遊び方も変わります。

また、近年のゲームは課金、パッケージ、シーズンパスなど様々な収益スタイルがあるため、運営の役割が重要になって来ました。時田氏は「プレイサイクルとアップデートをどのようにユーザーと共有していくか」のアイディアが大事で、「塩ラーメン専門店だけど、期間限定で醤油ラーメンをやる。すると、普段は醤油ラーメンを食べないけど、食べてみたい人が出てくる」とここでも料理に例えました。

最後には、自分では測れない運の要素を挙げ、隙間をつくことにチャレンジする重要性を説きました。「あえて周りと同じことをやらないことも大切。変な発想をする癖をつけておく。そうすると、キラリと光るサプライズのゲームが作れるのでは?」。

■ゲーム企画塾のテーマは「リモート」




発表されたゲーム企画募集のテーマは「リモート」。コロナ禍の状況で離れながらも、SNSを使ったコミュニケーションやテレワークなど人と繋がることができている時代に適しているという判断からです。

個人部門とチーム部門のどちらに参加してもよく、ジャンルやプラットフォームは自由。全国14校舎ごとに個人部門とチーム部門からそれぞれ1作品を選定。計28作品をスクウェア・エニックスの皆様が審査して最優秀企画が選出されます。こちらは7月4日の配信で審査結果を発表予定です。

「企画立案のポイントは、何を楽しむゲームなのか」の視点で、タイトル、ゲーム画面、操作方法を考えれば企画としてある程度成立すると語りました。さらに、ユーザーにお金を払ってもらう方法をどう工夫するかもトライして欲しいとのことです。

また、「企画書をどう書くかはまさにシナリオと一緒で、どんな順番なら分かりやすく、面白く見えるかが腕の見せ所。気をつけたほうがいいのは細かい説明をしすぎない。興味を失ってしまうので。文字は少なく箇条書きのほうがいい」とアドバイスしました。

第二部:ゲームカレッジを知るWEBオープンキャンパス



■ゲーム市場はまだまだ広がり続ける!?


第2部では、同校が用意したゲーム市場やゲーム会社就職状況などのデータを元に、同校のゲーム制作向上カリキュラムを紹介。近年のゲーム市場は右肩上がりで、2019年の世界市場規模は13兆8964億円で、オンラインプラットフォームが特に伸びています。

時田氏は「オンラインじゃないプラットフォームはほとんどなくなっている」と、現在のゲームは基本的にはネットに繋がるのが前提で制作されていると語りました。人が集まったところがプラットフォームになるため、その時代ごとに新しいゲームが生まれるので、年齢層ごとに遊ぶゲームが異なって広がった印象を持っているそうです。

また、鈴木氏はデータを見る限り、完全に一人で最後までモチベーションを保って遊べる人は多くないと解説。「それが、一緒に遊べたり共有できたりするようになると割合が上がっていくんです。業界的にもチャンスが広がるのでいいことだと思います」と述べました。

橋本氏は「今はPS5やSwitchなどのコンソール機を使わないとハイエンドなゲームは遊べませんが、これからはクラウド上で遊べるようになるサービスが始まると思います。そうすると、より幅広い人にハイエンドなゲームを遊んでもらう機会が増える。まだまだ市場が大きくなっていく可能性があると思います」と伝えました。

■ある意味では、ゲーム業界ほど安定している職種はない?


ゲーム会社を見れば、転職回数0.87回、終業形態も正社員87.9%、勤続年数は家庭用ゲーム開発種11.3年、スマホゲーム開発種7.9年とかなり安定しています。また、最終学歴は大学卒業41.7%だが、専門学校卒業も35.5%と同じくらい多いです。

時田氏は「僕が今一緒に開発している開発会社の社長も専門学校卒業ですし、僕が今やっているプロジェクトの若手プロデューサーも専門学校卒業です。ルートは関係なくて、その人が何を勉強して何を得てきたのかが大事です」と述べました。また、他の業種と比べても、専門学校入学率、卒業してから業界に就職する率は高いと感じているようです。

鈴木氏は専門学校と大学どちらにも強みがあるとし、「専門学校卒はいち早く現場を経験できるのが強みだと思っていて、大学卒も他の専門知識を持ってゲーム業界に来る印象があります」と語りました。

■ゲームの出来はチームにかかっている



ここで、過去に時田氏と橋本氏の対談インタビュー中に、「チーム」という単語が頻繁に登場したことを参照し、チームの重要性が語られました。
時田氏はプロデューサーの立場から、「ゲームの完成度を決めるのはチーム編成に尽きる。ゲームの場合はチームの振れ幅が無限大だと思う」と話し、橋本氏も「座組みが9割くらい握っているのを体感している」と同意しました。ゲーム制作チームは優秀な人だけで固めても決して良いチームにはならず、相性、プロジェクトの目標とベクトルが同じか否かなど、チームに化学反応を起こせるかが重要になって来ます。

鈴木氏も「ただ人を増やすだけでは意味がなく、色んな人が集まって相乗効果でゲーム開発をするとなった時に、それぞれがポテンシャルを発揮するために、チームとして各自がどう動くか意識しないと良い物にはならない」と述べました。

■ヒューマンアカデミーでは、学生の制作向上のカリキュラムが充実。




最後に、同校の在籍中にゲームタイトルを7~10作品作ることを目標としているなど、実践的なカリキュラムが紹介されました。
橋本氏は「締め切りに向かってゲーム制作する経験は本当に貴重」だと述べ、鈴木氏も「今の新卒はゲームを何本も作って来ましたというのが珍しくなくなっている。自分が学生の時は2本くらいしか作っていなかったので、年10本くらいの縛りがあるのは良いことだなと(笑)」と同調しました。

時田氏は「すごいゲームを時間かけて1本作るよりは、短いスパンでゲームを数多く作った方が色んな人と仕事できるから、良い経験になって成長できると思う」とアドバイスしました。3人は「成功だけでなく失敗することも重要で、チャレンジを繰り返すこと」を呼びかけています。

質問タイム/キーワードは「好きな物の正体」「工夫して諦めない」「必勝法は勝つまで続ける」



幕間では、参加者から寄せられた質問に3人が答える時間が設けられました。

■スクウェア・エニックスの1日の流れは?


時田氏現在はコロナ禍の影響で原則在宅勤務。完全にテレワークの人もいれば、重要な打ち合わせなどで半分は会社に出てくる人もいます。僕の場合はメールなど本日やるべきことをチェック、打ち合わせしたり、外部の開発会社に伺ったり、個人作業したりですね前後することもあるけど、大体は10~19時くらいに終わりますね。

鈴木氏ほぼリモートワークですね。チャットベースで仕事をしつつ家族と過ごし、良いタイミングで個室にこもって作業させてもらっています。

橋本氏割と会社にこもっています。10~11時くらいから仕事を始めることが多くて、開発に専念するだけでなくディレクターの仕事もしているので打ち合わせに参加して、人のアサインもします。その日の仕事に合わせてスケジュールが変わりますね。

時田氏ポジションと忙しい時期によっても変わってくるから、1日として同じ日はないですね。その分、飽きないのでは?

■ゲーム制作は複数人のチームで作るイメージですが、ゲームアイディアをうまく伝えるコツは?


橋本氏ディレクターの観点から言えば、まずはこの企画でやりたいこと、面白いと思っている点から伝えます。根っこの部分を共有しないとブレるからです。

鈴木氏ゲームデザイナーの観点ですが、僕の場合はセクションリーダーを担当することもあるので、発表の場が割とあります。上司やチームメンバーに伝える時はコンセプトから。ゲーム全体に関わるコンセプトもあれば、バトルにフォーカスするなど部分的なコンセプトもあるので、自分が今やりたいことを明確にして、モックアップにしたり、イラストを駆使したり、色んな媒体にして分かりやすく伝えます。丁寧な書類を用意することが多いですね。

時田氏プロデューサーの観点では商品としての位置付けが一番多いですね。今のタイミングで、このゲームをうちの会社から出すからサプライズになる、ということを重要視しています。だからこそ、会社からゴーサインが出て出資してもらえるわけですから。ポジションによってアイディアの重要なポイントが違って来ますね。

■面白いゲームの必須条件は?


時田氏難しい質問、それが分かれば苦労しない(笑)。

鈴木氏説明を受けたり、実際にゲームを遊んだりする時に、何をやろうとしているのかが明確だと面白いと感じますね。逆にすごく可能性を秘めていても、それがわかりにくい作りだと、面白いと思ってもらえないことが多いと思います。

橋本氏分かりやすさはかなり重要で、僕もそこで苦労している。自分の頭の中ではとても面白いゲームが出来上がっていても、それを初めて触る人に伝わるようにしないといけない。分かりやすさにサプライズが加わった時に、見ただけで面白いと感じてもらえるんじゃないかな。

時田氏その通り。ゲームは期待通りの出来だと意外とプラス評価にならないんですよ。「まぁまぁ、こんなもんか」で終わってしまう。サプライズ(裏切り)があるからプラス評価に変わることもある。だから、寄せられる期待を気にして小さくまとめるよりは、大胆なインパクトを与えると良いゲームになると思います。

■アイディアをたくさん出すために、普段から意識していることは?


鈴木氏専門学生時代は札幌在住だったけど、必ず帰り道を変えて帰って何か新しいことを発見するようにしていました。日常的にそういうことを繰り返して、今も色んな発見をする癖が身に付きましたね。

橋本氏ゲームプランナーになる人は24時間365日考える癖が付いています。専門学生をやっていた時は、テレビや雑誌など、何でもいいけれど見る時は一歩退いた視線を心がけました。「このCMは何でこういう映像の見せ方なんだろう?」とか、「この話はなんでこういう展開になっているんだろう?」と常に考える癖をつけたんですね。あと、自分がなぜこれを好きなのかを説明できるようにするトレーニングをお勧めします。

時田氏僕も色々な本を読んで勉強しますが、「自分は何でこれが好きなんだろ?」または、「これが何でウケているんだろ?」と分析すると面白さの正体が分かります。分かりやすさ、サプライズ、時代に合っているなど、色々要素が見つかるはず。それを箇条書きにしてストックしていくと、因数分解みたいな感じで分析する力が身に付くんじゃないかな?

あとは、友達でもいいので自分がインプットしたものを説明するようにすること。アウトプットは大事で、インプットとアウトプットを繰り返して、自分の中に残した物に価値があります。

■ゲームタイトルやキャラクター設定はどう決めている?


鈴木氏タイトルはゲームの中身とか表現したいことをタイトルにしてしまいますね。

時田氏タイトルは分かりやすさとインパクト、あとは内容を想像しやすいように。

橋本氏タイトルは雰囲気を大事にしています。そのゲームを遊ぶユーザーに刺さるようにする。その上で、言いたくなるような言葉。言いやすかったり、略して言えたりできるかどうか考えますね。

時田氏キャラクター名は役割に合わせて決めますね。ゲーム内で生まれた町の名前とかに紐付けて深掘りして、ちょっと新しい言葉を作ります。

橋本氏僕も意味合いから取って来ます。別の言語に当てはめ、全く同じだとかぶるので単語を省略するとかします。語感も大事ですね。また、同じサ行の名前ばかりにしないとか、同じ文字数ばかりにしないとか、「ー」や「ッ」を使うとかしてゲーム画面上で見間違いしないように配慮しますね。

ネタ切れしないように、現実にある物の名前からルールを作ってもじる事もあります。NBAをよく見ているんですけど、大好きな選手の名前を使った事も。分からないようにはしますけど(笑)。

■一つのゲームを開発する時間はどれくらいかかる?


橋本氏会社の規模やプロジェクトの予算、パッケージによっても変わるのでピンキリですね。

時田氏それこそ10年前後かけた所もありますしね。制作期間は長すぎても短すぎても嫌ですね。準備から発表までで3年くらいが節目として良いかな。3年でもやってみるとあっという間で、最後の半年くらいは1ヶ月くらいに感じます(笑)。

■作りたいゲームと求められるゲームで悩むことはありますか?


鈴木氏職業としてゲーム制作を選んだので、自分が本当に作りたい物ならインディーゲームでやればいいと思っています。仕事としてやる上では、求められるゲーム制作に対して、どれだけ自分が楽しいと思って取り組めるかが必要です。

橋本氏求められているものと、自分がやりたいものを繋げて制作するのが理想ですね。求められているものを理解しないで作るのは無理だと思っていて、場合によっては求められるものを好きになる必要もある。

時田氏二者択一ではなく、どう共存させるか。求められていることとやりたいことは両方やっていかないといけない。自分の中で良いバランスを取ってやっていくことが重要です。

■今の時代に欲しい人材は?


橋本氏強烈に自分の個性を持っている人。単にゲームしか知らないゲーム好きだけが集まって作っても良いものは作れません。これだけは譲れない自分のアイデンティティーがある人と一緒に仕事したい。

鈴木氏テレワークの時代だから感じているのですが、ちゃんとコミュニケーション取れる人。対面ではないから伝わりにくいですし、文章をちゃんと読まないで返事する人もいます。そこでストレスなくコミュニケーションできる人と仕事したい。認知のずれがあったら、修正して対応できる能力を持っていて欲しいです。

時田氏工夫ができる人ですね。プロジェクトにはピンチの時もあるので、切り抜けるには工夫しかない。必ずしも一人に頼ることはなく、皆のアイディアの合わせ技で切り抜けられる事が多いんです。どんな状況でも工夫して諦めない人がいるとプロジェクトが変わる。

■ゲーム業界とは関わりのない業種だけど、ゲーム制作への思いが捨てられない。今からでは遅い?


橋本氏そんなことはない。自分の会社でも元ホテルマン、元トラックの運転手、元フリーターなどがいて、コアメンバーにもなっています。

時田氏逆にゲーム業界以外の人生経験があったほうが役立つんではないかな?初心者の方が強みがあると思っていて、真面目に勉強しすぎると、固定観念から脱却できなくなる。分からないからこその発想の面白さがあるので、「こんなゲームがあったらいいな」とまとめるだけでも企画書になると思う。

■今作りたいゲームは?


時田氏「言葉がないゲーム」ですね。ローカライズの手間もかからないし、誤解を生まない。人の想像力と分かりやすさだけで成り立っているから。

橋本氏将来、絶対やらないと思いつつも、作ってみたいのはカードゲームですね。マジック・ザ・ギャザリングを趣味で遊ぶので、そういったトレーディングカードゲームを1回作ってみたい欲求はあります。

鈴木氏そういった意味だと写真が趣味なので、リアルなメーカーのカメラ設定を反映したゲームを作ってみたい。ちゃんとメーカーと提携して、レンズを買う前の参考にできるようなものです。

■ゲームの学校を選ぶ上で何を重視すれば?また、専攻学科の決め方は?


鈴木氏学校の選び方に関しては、自分がどのように業界に入ったらいいかによる。自分の場合は好きなことだけ勉強したかったので大学行く選択肢はなく、 AO入試ができるという点と、現場に早く入りたかったので長期インターンシップができる点でヒューマンを選びました。

専攻学科は自分が今一番興味あるものを選べばいいですし、迷った場合はヒューマンアカデミーなら学科以外の授業も受けられます。自分もプログラマーのコースでしたが、企画の授業も受けました。

橋本氏学科に関しては本当に悩んでいるなら、プログラマーがお勧めです。というのも、プログラムはゲームの基礎なのでどこの会社に行くにしても知識があった方がいいから。僕はプランナーだったけど、プログラムは独学で勉強してその知識が役立っています。

■志望のゲーム会社でアルバイトすると採用されやすい?


時田氏アルバイトの立場はすごく良いんですよ。手が空いたら何でもやるというスタンスだと、一本のゲーム開発で色んな側面を見て学べます。アルバイトで入った方が現場の人と仲良くなれるので、インターン、契約社員、正社員とステップアップする人もよくいます。とにかく現場に入って学ぶことで成長しながら良い会社にキャリアアップしていった方がいい。

鈴木氏確かに、テスターのアルバイトからプランナーになった人はよく見ました。その立場だとゲーム全体を見られるし、現場の方と仲良くなれますよね。

橋本氏小さい会社に入ってアルバイトを経験すると武器になる。そこから志望の会社を目指しても良い。

■求人を出していない会社に応募するのは難しい?


時田氏全ての会社が必ずしも求人を出しているとは限らない。興味がある会社にアタックしてみるべきです。

鈴木氏求人出していても、条件が合わなければできる人でも採用に至らないことはあるし、求人出していなくてもこの人いいなと思ったら、ぜひ来て欲しいと思いますからね。

橋本氏僕もよく相談されますが、とにかく出せと言います。野球と一緒で、打席に立たないと打てるか分からないのと同じです。投げてくれないかもしれないけど(笑)。

時田氏昔、『ファイナルファンタジー』のプロジェクトでプランナーを募集した時、何千通も応募があったんですね。松野泰己さんが選ばなかった人の中から、僕が面白そうだと思ってアルバイトに採用した人が、後に契約社員、正社員になって、別の開発会社の部長になりましたから。面白さや尖っている人はタイミング逃してもチャンスを掴む可能性があると思います。だから図々しくなっていいんです。

鈴木氏一社に採用されなくても諦めないでください。優秀な人であっても、ただ単に条件に合わなかっただけという事もあります。

時田氏必勝法は勝つまで続ける!



■「スクウェア・エニックス企画塾&ゲームカレッジWebオープンキャンパス」第1回アーカイブ動画



次回の「スクウェア・エニックス企画塾&ゲームカレッジWebオープンキャンパス」第2回は7月4日に配信予定です。第2回では、第1回の放送内で発表された課題への応募作から優秀な作品を選定し、時田氏・橋本氏・鈴木氏によるフィードバックが行われる予定です。

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《乃木章@インサイド》

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