【特集】体験型推理ゲーム「マーダーミステリー」鼎談─第3回「ロールプレイって難しい?GMの心構えは?」気になるマダミスの楽しみ方について討論 2ページ目 | GameBusiness.jp

【特集】体験型推理ゲーム「マーダーミステリー」鼎談─第3回「ロールプレイって難しい?GMの心構えは?」気になるマダミスの楽しみ方について討論

Rabbithole(ラビットホール)オーナーの酒井りゅうのすけ氏、コンサルタントの久保よしや氏、ゲームクリエイターの佐藤倫氏の鼎談、第3回です!

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【特集】体験型推理ゲーム「マーダーミステリー」鼎談─第3回「ロールプレイって難しい?GMの心構えは?」気になるマダミスの楽しみ方について討論
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今後のマーダーミステリー業界の展望について


──これからのマーダーミステリーについてどうお考えですか?

久保私は、市場自体が拡大することが行動指針です。そして、市場を拡大するためには身近な人たちが有名になったり、マネタイズができることだと思っています。なので、私に近くなりたい!という人たちが来たら、全部コミットしようと思っています。

今後私がやりたいのは、マーダーミステリーの定義を拡大したり、いろいろな作品を生み出したりしたいですね。あとはインフルエンサーでありクリエイターの人が多いので、例えば佐藤さんもそうなのですが、作品を作り続けるマシーンになってほしいです(笑)。

佐藤さんのGMはめちゃくちゃ満足度が高いのですが、酒井さんや他のGMに対してノウハウは共有できるので、それでいいと思っています。私は佐藤さんが一番優れているのは作品の練度だと思っているので、GMは一旦お休みして、その時間分作品を作ってほしい。その結果、マーダーミステリー界隈の貢献になると思っています。あと製作者の多くは佐藤さんを目指して作るんですよね。ただ、そうなってくると佐藤さんが追いつかれてしまう可能性があるので、取捨選択をして欲しいです。

ラビットホールに関しては、取捨選択はしていると思うので、もっと手を広げてほしいと思っています。今は店舗数×公演数×参加人数で大体の売上が計算できてしまう。その天井を取っ払えるような仕組みづくりやキャッシュポイントを生んでいくことで、市場は成長して拡大するので、そこに他のクリエイターが夢を持てるのであればラビットホールが提供してほしいですね。

あとは、作品数が少なく練度も高くないので、作ろうとしている人に対しては金銭面・人員面などでケアできたらいいと考えています。私は身内が大好きなので、彼らが作品を作って生活ができるようなスパイラルを作って、そこに少しあやかれたらなという気持ちがありますね(笑)。


佐藤業界に広めることは私の仕事ではないので、久保さんにお任せします(笑)。私がやるのは面白い作品を作ることだけです。ランドルフも口コミだけでここまで広がっていて、面白いものがあれば勝手に人がついてくると思っています。

酒井私はお芝居が面白いと思っている人間です。役者さんたちとお話をしていると、みなさん感性が豊かなんですよね。それは役を演じるなかで、通常では感じられない怒りや喜びを感じたことによる感情のフィードバックがあるからかなと。これはお芝居が人にもたらす良いことだと思っているので、その感覚を一般の方々が感じられるよう、お芝居をおもちゃにできるツールを作りたいと考えています。

カラオケボックスは、歌は歌手が歌っているのを聴く娯楽から、自分たちが歌うものになりました。お芝居は一般的にはまだ観るものなんです。だから、自分たちが演じることで感性が豊かになったり、そうした気持ちを多くの人に伝播したいので、マーダーミステリーはその入口だと考えています。

もうひとつ持っている夢として、マーダーミステリーは言葉がしゃべれて脳が機能していれば遊べる遊びだと考えています。いろいろなエンターテインメントが参加者の身体的なアクションを前提とされているなか、マーダーミステリーはそうした動きを必要としません。

そのため、体力もいらないから自分がおじいさんになってもやれる……バリアフリーにも持っていける遊びの形だと思っています。そういう方々に対してトライアルしてみたいという気持ちがありますね。まだ、そこにアプローチできるフィールドには全然いませんが、ゆっくりでもいいので自分が年配になっても若い子たちが作ってもらい、楽しく遊び続けていきたいです。

久保ボードゲームや人狼、リアル脱出ゲームなどが流行る前から見ていて、それらをお手伝いしてきた視点としては、主軸になるのはコミュニケーションだと思っています。コミュニケーションツールとして優秀ですし、しかも中身がある。今後もそういう遊びが増えてくると楽しいですよね。

──マーダーミステリーは世代を超えて、誰でも楽しめるエンターテイメントになれる可能性を秘めていますね。そういえば最近スマホでプレイできるアプリも登場しましたが、最新技術との融合についてはどうお考えですか?

佐藤技術的な今後としては、実際に人が集まらなくてもVR空間で行うというのがあるかなと。人狼はすでにVRでも楽しまれていますが、それがもっと高いクオリティできるとマーダーミステリーも劇的に進化すると思っています。大人たちが1箇所に集まるという参加障壁の高さがなくなりますし、システムがGMを代行できるようになれば映画館のようにたくさんやれますよね。

もっともVRの時代が来るためには、デバイスがいまよりもずっと手軽になる必要があります。そして通信が進化して、みんなが持つものがシンクライアントにならないといけません。参加者の手元にあるのは映像を写す手段で、複雑な処理は全部サーバーにやってもらい、結果が送られてくるような形ですね。ゲーム業界ではそうした取り組みが始まってきていて、家庭用ゲームがスマホでプレイできます。それがVRで成り立てば、映像を写すだけのデバイスを装着して、お金を払ったらコンテンツが遊べるという未来がやってくるかもしれませんね。

久保2019年6月にマーダーミステリーをやり始めた時からVRの話は来ているのですが、端末がまだ高いですよね。ただ、革新は起きるけれど、抜本的に何かが変わるわけではないと思います。デジタルゲームがたくさんあるなかでボードゲームも流行っているわけですし。

酒井僕はちょっと違う視点で、VRによって物理距離を近づけるのではなく、世界を作り上げるために使ってみたら面白いと思いました。ラビットホールにオキュラス(VR端末)を並べて、参加者はVR機器を付けて空間にドロップ、その状態でキャラクターシートを読んだりGMがシーン切り替えをしていけば犯行現場や誰かの部屋に移動できる。でも、音声は直接耳に飛んでくることで、熱量や距離感といった体験の良さは残るのかなと。スカイプやDiscordでやるマーダーミステリーでは得られない体験もありますよね。

佐藤それはありますね。

久保デジタルだと表情や動き、間って欠落するので。それが欠落しない未来が来たら分からないですよね(笑)。

すべてのマーダーミステリーファンに向けて


──最後に、読者の方へメッセージをお願いします。


佐藤まだマーダーミステリーを遊んだことがない方はぜひ一度遊んでみてください。そしていつか「ランドルフ・ローレンスの追憶」を遊んでいただける日を楽しみにしています。

久保マーダーミステリーだけじゃなくて、これを読んでくれるような熱量のある人たちと一緒に作っていきたいので、連絡してください!テストプレイとか誘いたいですし、新しい楽しいことがあったら教えてほしいです。私は楽しいことが、ぱって言える人と友だちになりたいので。あとは、「ヤノハのフタリ」の前日譚が入るような新作もありますし、監修している作品もたくさんあるので楽しみにしていてください!

酒井マーダーミステリーが新しいゲーム体験であることは間違いないです。そこに物語体験も乗ってくるのでやり損は絶対にありません。ただ、好みはあると思いますが、想像を超えたものになっているので、ぜひ1回はやってみてください。やっている人たちはどんどん面白いものを作ってください!そしてなにか分からないことがあったら気軽にTwitterで連絡してください(笑)。

──ありがとうございました。



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以上、3回に渡りマーダーミステリーについてのお話を伺いました。今後、アナログゲーム界隈だけでなく、デジタルゲーム・人狼・舞台・脱出ゲーム・声優・イマーシブなど、さまざまなエンターテイメント業界で話題になること間違いなしの新しい遊びです。

編集部では今後もマーダーミステリー関連の取材を行っていきますのでご期待ください。読者のみなさんも興味を持たれたら、ぜひプレイしてみてくださいね。
《カミヤマ@インサイド》

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