ビデオゲームの大半は視覚的な情報をそのプレイに要しています。したがって、視覚に不都合を抱えるプレイヤーはその多くを楽しむことができませんでした。この状況に、将来的に何らかの解決策が見いだされる可能性があるようです。海外メディアPCGamerは、統合型のエミュレーター「RetroArch」システムの最新アップデートによってゲームへの動的なスクリーンリーダーの機能が導入されたと報じました。今回同ソフトに導入された「スクリーンリーダー」とは、コンピュータにおける画面の読み上げソフトウェア。視覚に問題を抱えたユーザーでも音声を介して画面の認識と操作入力を補助します。画像はWindows10のスクリーンリーダー設定画面のスクリーンショットPCGamerによれば、同ソフトの開発者はブログにて「アップデートによりRetroArchは、目の不自由だったり、視覚障害のある人々に向けてアクセシビリティを導入した最初のエミュレーターになった」と主張しているとのこと。この新しいアクセシビリティ機能のおかげで、視覚に問題を抱えたユーザーは一部のゲームにおいてもRetroArchのメニュー画面やオプション操作を行うことができるようになりました。また対応可能な場合、ソフトウェアはAIを駆使してゲーム内のテキストを読み上げることもできます。この機能についてPCGamerでは、その動作を示した動画も掲載しています。また同開発者ブログはこのアップデートを開発中の投稿で「この機能によって、盲目なゲーマーが幼少期にプレイした格闘ゲームの感覚を思い出すことに役立てた」と伝えています。また「機械学習の向上により、視覚に問題を抱えたゲーマーは、他にも光学式文字認識、画像からテキスト抽出するソフトウェアなどのツールを選ぶことができます」と続け、「これらスクリーンリーダーの機能を使うことで、彼らはメニューを読み、キャラクターを選択し、音声対話ができる」と締めくくりました。現実的には、公式ではないエミュレーター単体ではゲームを楽しむことは難しいものの、同ソフトはオープンソース。また、過去にも様々な公式の「ミニ」コンソールなどで既存のエミュレーター技術が流用されているケースがあります。今後、このような技術の進歩で、新作・旧作問わず視覚に問題があるゲーマーでもゲームを存分に楽しめるようになれば、それはとても素敵なお話ですね。
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