新たな地獄で会おうぜ!『ディアブロ IV』試遊インプレッション&開発者インタビュー【BlizzCon2019】 2ページ目 | GameBusiness.jp

新たな地獄で会おうぜ!『ディアブロ IV』試遊インプレッション&開発者インタビュー【BlizzCon2019】

前作発売から7年……『ディアブロ IV』ではどのようなダークな世界が待ち受けているのでしょうか。試遊した印象とプロダクションディレクター&リード・アーティストのインタビューを一気にお届けします。

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開発者に『ディアブロ IV』についてとことん訊いた!キーワードは「闇」


ガビアン・ウィショー氏(写真左)、リッチー・マレラ氏(写真右)

――お二人はBlizzard Entertainmentでどのような役割を担当されているのでしょうか。

ガビアン・ウィショー氏(以下、ガビアン)プロダクションディレクターを務めるガビアン・ウィショーです。Blizzard Entertainmentに入社してから2年になります。

リッチー・マレラ氏(以下、リッチー)リード・アーティストのリッチー・マレラです。私は11年間Blizzardに勤めています。

――遂に『ディアブロ IV』が発表されました。いつから開発を進めていたのですか。

ガビアンお待たせしました。感情的になってしまいますよね。チームには、10~20年間も『ディアブロ』のために働いているメンバーがいます。具体的な数は言えませんが、皆様に納得していただける、最初のプレイアブルデモとしては十分なものが開発できるくらいの時間をかけて作っていますよ。


――去年は『イモータル』の発表がありましたが、『ディアブロ III』発売から時間が経ち、ファンはずっと新作を求めていました。『ディアブロ IV』にはどのようなテーマがあるのでしょうか。具体的にお聞かせください。

リッチー今回のアートの方針は「闇」です。そして、もっと現実的に仕上げることですね。リアリティーを追求することで、ゲームへの没入感が上がります。本作はオープンワールドなので、ゲーム体験が細切れになることもありませんし、ストーリーはどのポイントから進んでも、その没入感が減りません。

――「オープンワールド」は、どのような形で本作に取り入れられているのでしょう。


リッチー『ディアブロ IV』を開発するにあたって、これまでの手法を守る必要があると考えました。4人のプレイヤーが一緒に探検するダンジョンもありますが、たくさんのプレイヤーに出会える世界もあります。とあるワールドに出てくるボスを倒すには、4人以上のプレイヤーの助けが必要な時もありますよ。

――ということはMMORPGらしく、プレイヤーがたくさんいる外の世界と、少数のパーティでインスタンス化されたダンジョンを探検する、というシステムになるのでしょうか。

ガビアン私たちが望んでいる「オープンワールド」は、そういうイメージですね。試遊版でマップ画面をズームアウトすると大陸が見られるのですが、かなり大きく感じられたと思います。今回のデモで遊べたエリアは大陸のごく一部です。『ディアブロ IV』ではたくさんのエリアがあって、どれもがシームレスに接続されています。世界を旅し、草原から沼へ、沼から森へ、森から雪山へ、そしてまた山を下りて砂漠や草原に戻る……という経験をプレイヤーに与えたいです。暗くてゴシックな雰囲気で、完全にシームレスな大陸を旅するという、ロマンチックな経験をぜひ味わっていただきたいと思います。

――「オープンワールド」ということは、最初からどこにでも行けるのですか。

ガビアンゲームディレクターがパネルで説明しましたが、『ディアブロ III』ではアドベンチャーモードをプレイすることでどこにでも行けるようになりました。『IV』では、「次はどこに行って何に挑戦するか」という決定もユーザーに委ねたかったので、リニアな作りではありません。

――「闇」がテーマであることについて、ユーザー目線で考えると2つのポイントがあると思います。ひとつ目は、『ディアブロ III』では『World of Warcraft』から影響を受けた結果、カラフルなモノや浮遊物が多くなり、ファンからあまり好意的に受け取れなかったという点。そうした声に対しては、もっとダークにして、ゴシックな雰囲気にすると言うことでしょうか。そしてふたつ目は、内容の「暗さ」ですね。作品のテーマ、出来事、プレイヤーの感情に訴えるストーリーといったものです。この点に関しては、どのようなアプローチを取っていますか。


ガビアン暗くて重苦しくて複雑……指摘された2点目についても話すと、ディアブロ IV』はよりダークな作品になっていると思います。簡単に白黒をつけられるストーリーではなく、“グレー”なものを多くするよう意識しました。その暗さこそが『ディアブロ』のストーリーのコアのひとつだと思いますし、そこで「闇」を強調することが大事だと考えています。

――『ディアブロ』シリーズでは、ボスキャラクターの存在が大きく、「ブッチャー」や「ディアブロ」は特に印象的です。今回の『IV』では、どんなボスキャラに出会えるでしょうか。

リッチーPVでも公開しましたが、「デュリエル」が登場します。我々のコンセプトアーティストが素晴らしいデザインを生み出してくれたので、ぜひ楽しみにしていてください。

――『IV』では、プレイヤーのキャラクターはどのように描かれるのでしょう?

リッチーPVに描写される焚き火のシーンを見ると分かると思います。『ディアブロ』の世界では何もかもが圧倒的で、プレイヤーは弱者の立場です。最初から英雄なのではなく、「ただ必死に生きようとして、やるべきことをなそうとしている一人の人間」がプレイヤーと言えるでしょう。PVでも描いたように、焚き火で戦いで疲れた体を休ませている……というイメージが相応しいと思っています。このように、地に足のついたストーリーがスタートラインで、そこから生々しさとプレイヤーを圧倒するダイナミズムを世界観に付け加えていくのです。

――実際にプレイしてみましたが、手触りは『III』に似てスムーズで、レスポンスが良かったです。ゲームデザインの方針について聞かせていただけますか。

リッチー私たちは、『III』のプレイフィールと『II』のペースを組み合わせたいと考えています。結構いいバランスに仕上がりつつあると思いますよ。


――「IIのペース」についてもう少し詳しく教えてください。若い読者はプレイしたことがないかもしれません……。

リッチー端的にはゲームの展開がもっとゆっくりしていて「地に足のついた感じ」と言えるでしょうか。エフェクトなどを最初からバーンとド派手に出すと、演出的にもプレイフィール的にも「それ以上」がなくなってしまいますよね? なので、もっとゆっくりにして、徐々に上げていこうという狙いがあります。

――というと、プレイヤーの能力は最初は控え目で、次々ともっと派手になっていく?

リッチー行動やアニメーション、登場するモンスターなどにおいてはそうですね。最初から派手にしてしまうと、終盤はもはやライトショーになります。

――発売日から今に至って、『ディアブロ III』はいろいろなアップデートや拡張コンテンツで進化を重ねてきました。その開発を通して学んだことはありましたか。初日のログイン不具合や「オークションハウス」以外に、プレイヤーはどんなゲームプレイが楽しいか、そういった点ではどのような発見がありましたか。

リッチーアイテムのセットは残りますが、プレイヤーに自分のセットを好きに作ってもらえるようにする予定です。いろいろなレジェンダリーアイテムを組み合わせて自分のスタイルを作ることが、『ディアブロ』シリーズで私が好きな要素のひとつです。

――発表にはPvP要素もあるという説明がありました。PvEを最大限まで楽しくするように作られたゲームは、PvPではあまり上手くいかない例が多い印象です。「このスキルはPvEでは良い感じなのに、タイマン状態のPvPでは全然使えない」といったようなこともありますよね。それらのバランス調整に対しては、どうお考えですか。

ガビアンまだ初期段階ではありますが、チームで話し合っているときは「別にバランスを考慮しなくていいんじゃない?」という意見も出てきますね。『ディアブロ』というシリーズでは(PvPにおいては)不釣り合いでいいかもしれない、と。

――そう考えると、今作におけるPvPは「競技的」ではなく、「ワイワイガヤガヤ楽しむ」ようなプレイが目的と解釈して良いのでしょうか。

ガビアン最初に開発を始めたときは、「楽しくなければやらない」と決めていました。あるモードをテストしているときの話なのですが、もはや「テストプレイとして遊んでいる」という意識がなくなり、「楽しんでいる」ということがメインになる瞬間があったんですよね。みんなで笑いながら楽しくプレイしていました。それが良いのです。そんなわけで、「完璧なバランス」より「面白く、楽しい」を追求していますね。

――昨今ではたくさんのアクションRPGがプレイされています。いわゆる「ルーターシューター」もありますし、『トーチライト』シリーズや『Path of Exile』もポピュラーです。それぞれ難易度や複雑さが異なりますが、『ディアブロ IV』では「プレイしやすさ」と「奥深さ」において、どのようにバランスをとっていますか。

ガビアンそれらのタイトルはすべてプレイしています。いちゲーマーとして、選択肢が多くていいなと思っています。素晴らしいですよね。私たちが最も重要視しているのは、いろいろシステムやアビリティーを通してプレイヤーに好きのようにプレイしてもらうことです。ルーンやレジェンダリーもそうですし、それ以外にもいろいろな要素があります。それらを使って、個人のスタイルを確立させていくことが目的です。

リッチー「入門は簡単、習熟は困難」というのが、Blizzardが考えている柱のひとつです。『ディアブロ』はどんな人でも楽しめると思いますが、やりこめばやりこむほど味わえる奥深さがあります。そのふたつを併せ持つのがベストですね。

――イエスかノーでお答えしていただけるとうれしいのですが……『ディアブロ IV』のニンテンドースイッチ版は企画中でしょうか。

ガビアン今のところは何も言えません。

――そうですよね。やはり本作は新エンジンで開発しているのでしょうか。それとも『ディアブロ III』のエンジンを改造したり?

リッチー『ディアブロ IV』では完全に新しいエンジンを採用していますよ。

――最後の質問です。『IV』で『ディアブロ』シリーズに初めて触れようとしているプレイヤーと、本作で再び『ディアブロ』の世界に戻ろうと考えているシリーズファンに向けて、メッセージをください。

ガビアンどちらのタイプの方からも感想を聞いてみたいですね。大変興味があります。

リッチー『ディアブロ IV』には「シリーズ初」の要素がたくさんあります。シリーズファンの方には、それについてのご意見や感想を聞かせていただきたいです。新規プレイヤーの方は……「ダークな世界観のゲーム」ってそう多くはないですよね? なので、私たちが作り上げる「闇の世界」にぜひお越しください!

ガビアン地獄で会おうぜ!

――本日はありがとうございました!
《Cameron Gilbert@Game*Spark》

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