ゲーム実況やe-Sportsの視聴者がコンテンツの「参加者」になる―Genvidが語る「インタラクティブ・ストリーミング」とは【GTMF 2019】 | GameBusiness.jp

ゲーム実況やe-Sportsの視聴者がコンテンツの「参加者」になる―Genvidが語る「インタラクティブ・ストリーミング」とは【GTMF 2019】

Genvid Technologiesは、GTMF 2019にて「インタラクティブ・ストリーミングとメディアの未来」のセッションを行いました。プレイヤーと視聴者の繋がりをGenvidにおいてどのように繋がられるのかが語られたセッションのレポートをお届けします。

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ゲーム実況やe-Sportsの視聴者がコンテンツの「参加者」になる―Genvidが語る「インタラクティブ・ストリーミング」とは【GTMF 2019】
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Genvid Technologiesは、7月12日に都内の秋葉原で開催された「GTMF 2019」にて「インタラクティブ・ストリーミングとメディアの未来」セッションを行いました。このセッションでは、e-Sportsの映像配信やゲーム実況における「プレイヤーと視聴者の繋がり」Genvidがどのように強化できるか、というトピックが語られました。



登壇者は、Genvidのビジネス・ディレクターであるジョンソン裕子氏。Genvitは、ゲームプレイ配信者と視聴者からのインタラクティビティを可能にするSDKを開発・提供している企業です。

プレイヤーと視聴者の中間に位置する「インタラクティブ・ストリーミング」とは?




Genvidは、ゲームとメディアが将来的に融合し、新たなジャンルとして「インタラクティブ・ストリーミング」が誕生するという視点を持っているとのこと。その立ち位置は、受動的な映画やテレビと能動的なゲームの中間に位置するという、エンターテインメントの新しいカテゴリーとなります。今日のゲーム会社はプレイヤーを対象にマネタイズしており、e-Sportsでは視聴者から収益化しようする試みに取り組んでいますが、Genvidはその成長を加速できるとしています。



インタラクティブ・エンターテインメントを既存のもので例えると、物理的な分野において競技に取り組むのがプレイヤー(選手)で、反対に受動的な分野にいるのが視聴者、その中間に位置するのが実際にスタジアムで観戦する参加者(Participant)です。

デジタルなゲームにおいては、ゲームプレイヤーとそのプレイを観戦する視聴者と考え、その中間に位置するような「プレイヤーのゲームプレイなどに何らかの形で影響を与えられるユーザー」を参加者と位置づけています。


同氏はここで『Counter-Strike: Global Offensive』におけるGenvidの事例を披露しました。視聴者に試合画面を見せるだけにとどまらず、各選手の使用武器やポイント、視点、マップ上での動きが見られるようになっており、応援機能(有料・無料の2種類存在)も含め、観戦体験の質が著しく向上しています。

応援機能では、どのプレイヤーが応援されているかを分かりやすく視覚化しており、配信者がそれに言及することでさらに応援が激しくなった例もあったのだそう。また、通常の観戦とは違う形式のため、視聴時にはUIや機能を説明する簡単なチュートリアルを備えています。


次に中嶋謙互氏開発のマルチプレイ高速シューティング『Space Sweeper』での活用例を紹介。『Space Sweeper』では、プレイヤーが倒した敵が「怒りポイント」を生成します。このポイントが見えるのは視聴者側のみで、カーソルを合わせて集めることが可能です。視聴者が集めたポイントは、ストア機能で使用でき、プレイヤーが遊ぶゲーム内に投入できます。


Katapult Studio開発の『Chiken』では視聴者が拍手ボタンを押すことで勝敗を分けるといった要素も。海外ドラマ「Lost」風なAIサバイバルゲームの『Project Eleusis』でも、それぞれにプレイヤーへ干渉できるようです。


これらのストリーミング・インタラクティビティは、「介入(Tier 1)」「カスタマイズ(Tier 2)」「情報の表示(Tier 3)」の3種類に分けられます。

ジョンソン裕子氏は、Genvidとライムライト・ネットワークスがインタラクティブ・ストリーミングに関する研究開発を3月に共同で実施したことを話し、続くライムライト・ネットワークスのセッションに引き継ぎました。

ライムライトによる遅延の小さいストリーミング



壇上に上がったのはライムライト・ネットワークスの山田氏。ライムライトがコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)という業界に属しており、簡単に言えば「インターネットの近道」を用意する会社です。


インターネットは様々な地域(太平洋や欧州など)を跨ぐ以上、どうしてもそのやりとりに「遅延」が発生してしまいます。ライムライトはそのインターネットに高速な専用回線を「近道」として用意しており、世界100箇所に大規模な配信拠点を持ち、日本を初めとした世界各国にワールドクラスのサービスとサポートを提供しています。


近年では映像配信分野において、1秒未満の遅延でライブストリーミングをする「リアルタイムストリーミング」サービスを提供しています。コンマ数秒遅延のライブストリーミングを実現しているのは、WebRTCというテレビ会議のようなプロコトル。これにより、数百数千以上の視聴者が世界中にあったとしても動作を担保できます。


「リアルタイムストリーミング」は映像ソースをRTMPにインジェストし、ライムライトのインフラにおいてWebRTCに変換して配信する工程を経ています。またエンタープレイズ規模でも使用できる冗長化の仕組みを持ち、エンドユーザーは一般のブラウザでも視聴可能。データチャンネルも持っているためインタラクティブな要素も導入できます。

ここで再びジョンソン裕子氏が登壇し、よく相談される事柄のひとつとして「遅延」の例を挙げました。氏は、5Gなどの新技術がこれから導入されれば遅延は短くなると予想しますが、ユーザーのリアルタイムのインタラクションに対する期待は高まっていくものと見ています。また、自社チャンネルへの導入の相談も多く、ユーザーの情報収集や課金のコントロールをしたいという要望も届くそうです。


プレイヤーと視聴者の距離を近付ける「インタラクティブ・ストリーミング」。すべてのユーザーがコンテンツの「参加者」となり、好きなレベルでそれらのコンテンツに関われるこの取り組みは、今後の映像配信コンテンツに新しい魅力をもたらしてくれそうです。
《G.Suzuki》

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