「UE4 Editor」と「ADX2」で拡がるサウンドデザインの可能性…新機能も語られたセッションレポ【GTMF 2019】 | GameBusiness.jp

「UE4 Editor」と「ADX2」で拡がるサウンドデザインの可能性…新機能も語られたセッションレポ【GTMF 2019】

CRI・ミドルウェアは、都内の秋葉原で開催された「Game Tools & Middleware Forum」にて「CRIWARE 最新情報 ~UE4 Editor × ADX2で加速するサウンドデザイン~」のセッションを実施しました。最新版が語られたセッションのレポートをお届けします。

ゲーム開発 ミドルウェア

CRI・ミドルウェアは、7月12日に東京・秋葉原で開催された「Game Tools & Middleware Forum」にて「CRIWARE 最新情報 ~UE4 Editor × ADX2で加速するサウンドデザイン~」のセッションを実施しました。登壇したのは、研究開発部エンジニアの柴田修作氏と上田雄太氏の2名。本稿では柴田修作氏の発表内容からご紹介します。



同社は、音声や映像を専門としたミドルウェア開発会社。10年代からは、2011年にiOS/Android版CRIWAREをリリースし、2012年からUnity、2013年からUnreal Engine 4に対応。2016年にブラウザ版ADXをリリースし、2019年にはGoogleのゲームストリーミングサービスSTADIAをサポートしています。


CRIのミドルウェア群は、統合型サウンドミドルウェアの「CRI ADX2」とムービーミドルウェア「CRI Sofdec2」、ファイル圧縮・パッキングミドルウェア「ファイルマジックPRO」の3つに別けられています。ユークス開発の『EARTH DEFENSE FORCE IRON RAIN』やカプコンの『ストリートファイターV タイプアーケード』など、ゲーマーにとって馴染みのあるタイトルで採用されています。

CRI ADX2とは?UE4との連携機能や新要素も




「CRI ADX2」は、サウンドデザインのワークフローを変えるミドルウェア。サウンドデザイナーは、プログラムレスでサウンド演出情報をADXデータとして埋め込むことが可能で、プログラマーはADX2データを再生命令やGUI操作で音を配置できるようになります。


ADX2データは、サウンド波形や演出設定などが埋め込まれた独自形式のデータで、ACFはサウンド全体、ACBは複数のキュー情報を保持。サウンド制御の種類は発音数制御や音量制御など多種多様。今回は、ミキサー機能と3Dサウンド機能がピックアップされ紹介されました。



音声機能はミキサーのバスに流れ込み、バスの影響度を設定するバスボリュームやバス設定を保存してゲーム実行中に切り替えるスナップショット機能を備えています(例として、フィールドや状況での音源エフェクトを切り替えられる)。


3Dサウンド機能はリスナーの位置と向きに応じて聞こえ方が変わるもので、音源から離れると音量が小さくなる「サウンドの距離減衰」を表現できます。



Unreal Engine 4については、「CRIWARE UE4 Plugin」というプラグインとしてADX2機能を提供。PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチ/iOS/Androidに対応しています。また、UE4 Editorの操作のみで音源を配置可能で、ADX2データをADX2ツールでリビルドすればUE4が自動的にインポートされます(エディタの環境設定が必須)。



UE4でのADX2データ再生は、主にAtomComponentが担うため、ブループリントとC++で命令を実行します。アニメーションに3Dサウンドを貼り付けることも可能です。

CRIWARE開発中の新機能―UE4においてフィールドの音源配置が容易に




ここからは上田雄太氏が壇上に登り、UE4における空間デザインや新機能などを語りました。

UE4には「Landscape」や「Foliage」、そして「Houdini」などプロシージャルにコンテンツを配置する機能が備わっています。「CRIWARE UE4 Plugin」の新機能で、空間にサウンド情報を持たせる「Volume」を用いた空間デザインが出来るようになりました。



Volume機能においてサウンドに形状を持たせる「SoundShapeVolume」は、サウンド再生僚機をVolumeで定義することで、川などに音源を敷き詰める必要はなく、少ないサウンドで川の音表現ができるようになります。UE4 Editorでの「SoundShapeVolume」への配置はブラシオブジェクトとして、自由に範囲を決められます。


空間に情報を持たせる「AtomAudioVolume」のデモンストレーションでは、電車の車内とホームでの距離に応じた音の変化が解説されました。Collisionに入ったところでサウンドエフェクトをオンに、出たらオフにすることで領域の切り替わりを検出しています。



UE4標準機能では、AudioVolume機能でエフェクトを切り替えられ、ADX2に特化した形で拡張することも可能です。ADX2に特化するとリスナーのAudioVolumeへの侵入タイミングを検出し、ミキサーエフェクト設定のSnapshotを切り替えます。



電車の乗り降りでのエフェクト切り替えでは、レベル全体にかかるAtomAudioVolumeを配置し、「電車のみ」と「入り口」の部分を指定。車内と外においてはSnapshotの切り替えや領域の内外でのパラメーター設定を当てています。


以上の解説でセッションは終了しました。「SoundShapeVolume」は3D音源の形状を自由にデザインでき、「AtomAudioVolume」は3D空間にサウンド演出情報を与える新機能。サウンドの空間デザインの可能性を大きく拡げてくれることでしょう。
《G.Suzuki》

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