Azureとモノビットエンジンによるクラウド活用―「マイクロソフト×モノビット」合同セッションレポ【GTMF 2019】 | GameBusiness.jp

Azureとモノビットエンジンによるクラウド活用―「マイクロソフト×モノビット」合同セッションレポ【GTMF 2019】

モノビットエンジンと日本マイクロソフトは、都内の秋葉原で開催されたGTMF 2019にて共同セッションを行いました。このセッションは、マイクロソフトとモノビットエンジンの合同もの。セッションのレポートをお届けします。

ゲーム開発 ミドルウェア

モノビットエンジンと日本マイクロソフトは、7月12日に都内の秋葉原で開催された「GTMF 2019」にて「Linux も動く Microsoft Azure HoloLens にも対応した次世代マルチプレイミドルウェア~モノビットエンジンクラウド~にて採用した理由」セッションを合同で実施しました。


登壇したのは日本マイクロソフトの梅津寛子氏。同氏はクラウドソリューションアーキテクトとして活動しています。氏が最初に語ったのは「MicrosftはWindowsだけじゃないらしいぞ」と「AzureDevOpsでサーバー運用管理効率化できるらしいぞ」「Azureでもゲームサーバ構築運用できるらしいぞ」の3点です。

マイクロソフトが語るAzureのサーバー構築




Visual Capitalistが制作したマイクロソフトの利益グラフによると、全体の利益の「20%未満」の17.7%で、「Office」が25.7%、「Microsoft Azure」が23.7%、そして「Windows」が17.7%という結果が出ています。またMicrosoftは2016年に「Linux Foundation」へ加盟し、「Red Hat」とコラボするなどオープンソースに対する取り組みも広げています。


次に、LinuxをWindows 10上で動作させる「Windows Subsystem for Linux 2(WSL2)を紹介。WSL2に最適化されたLinuxカーネルのソースコードはGitHub上に公開されていて、AzureにおいてもLinux系を筆頭とした各種OSSが動作します。


AzureはLinuxも含めた多くのサービスに対応し、現在54リージョンと140カ国で利用可能です。加えて、Azureの選択に役立つ「ソリューション選択ポイント」のフォローチャートも紹介されました。


次のトピックは「AzureDevOpsでサーバー運用管理効率化できるらしいぞ」。ここで「コンテナベースのワークロード用のCI/CDパイプライン」図を紹介し、Azure DevOpsを使ったデモを披露。


ゲームにおいて都度開発されるビルドやデプロイにおいて、運用の時間をいかに短く効率化するかが、サービスのクオリティ向上に重要なものとなっていきます。『マインクラフト』もAzure DevOpsを利用し、図のような構成で開発を続けており、毎日700ビルドと300回のテストを実施しています。


ここでAzure DevOpsのデプロイの実行を紹介。ビルドの実行状況をリアルタイムで捉え、トラッカーからパイプラインの状況を視覚的に確認し、ゲーム環境によくあるというステージングからQA、本番へのリリースという流れを見られることを説明しました。また、Azure DevOpsの特徴として「ソース元やデプロイ先を特定の環境に限定されることがない」というポイントが挙げられました。


そして最後に「Azureでもゲームサーバ構築運用できるらしいぞ」を解説。GDCで発表した「Microsoft Game Stack」は、Azure PlayFabやDirectXなど開発に関するプラットフォームやツール、サービスを、全てゲーム開発者が使用できる堅牢なエコシステムとしてまとめたもの。ゲーム開発と操作に必要なツールを簡単に見つけられるようにすることを目的としています。


Azureを活用したタイトルとして、『マインクラフト』や『Gears of War 4』などが挙げられました。ファーストパーティーが積極的に活用することで、そのフィードバックを元にゲーム開発に最適なシステムへと改善を加えているようです。

今回モノビットエンジンがAzureを採用した切っ掛けについては、国内で経験と実績数を増やしたいこと、経験豊富な会社と本格的に連携してみたかったことが理由と述べられました。

モノビットエンジンによるマルチプレイミドルウェアの解説




Microsoftが発表を追えると、モノビットエンジンが続いて発表に入ります。2018年7月に株式会社モノビットから独立したモノビットエンジン株式会社の代表取締役・安田京人氏が壇上に上がりました。


「モノビットエンジン」は、ネットワークの知識が無くてもマルチプレイコンテンツを開発実装出来る通信エンジン。「ネットワークを今から学ぶのは難しい……」と感じるユーザーを対象としています。また、エンジンクラウドは20人までの接続なら無料で使用可能です。


「モノビットエンジン」はVer.2.0までリリースされており、MMORPGにも対応出来る「Monobit Revolution Server(MRS)」やUnity特化の「Monobit Unity Networking 2.0(MUN)」、VRコンテンツにボイスチャットを追加するUnity専用の「VR Voice Chat」、そして今回取り上げる「モノビットエンジンクラウド」の4つのラインナップを展開しています。



「モノビットエンジンクラウド」は、自分でサーバーを立てなくても簡単にマルチプレイゲームを開発・リリースできるクラウドサービス。サーバープログラミングが不要になり、MRSによって低遅延でのマルチプレイ体験を提供できます。他にも、専用Unityアセットとサイト内だけで導入を完結でき、通信量やCCU、プランの変更もサイト内で可能です。



ここでMUN(Monobit Unity Networking)を紹介。MUNはUnity特化型の通信エンジンで、サーバー接続と切断、ロビーやルームの入退室制御、プレイヤーの情報制御、シーンのアニメーション等の同期など、様々な機能をサポートします。全ての通信ロジックをクライアント側オンリーで実装可能で、必要に応じてサーバーにコードも記述できます。



「モノビットエンジンクラウド」は、Deluxe Gamesの『マナビモ!アソベンジャー!』などで採用。「モノビットエンジン」のVR/AR採用事例としてはバーチャルキャスト社が提供する「バーチャルキャスト」が挙げられました。またXRデバイスでは、Mirage SoloとOculus Questにも対応しています。



ARでは、サン電子のARスマートグラス「Ace Real」において、クラウドサービスを使い現場と事務所間でのボイスチャットなどに活用されます。Microsoft HoloLensも正式にサポートしました。



HoloLensでのマルチプレイアプリ開発の注意点として、同じ空間にいても見える物が同じ位置にいないということで(起動した位置が原点として扱われるため)、位置合わせのソフトウェアとして公式では「World Anchor」と「Sharing」、他にも位置合わせを筆頭に画像認識において「OpenCV」と「Vuforia」を紹介。最後には、HoloLens関連の開発において基本機能・操作方法・UI表現で役立つAPI「MRTK」が紹介され、セッションが終了しました。
《G.Suzuki》

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