日本のe-Sports産業を世界へ牽引するために一般財団法人、「日本esports促進協会」設立へ | GameBusiness.jp

日本のe-Sports産業を世界へ牽引するために一般財団法人、「日本esports促進協会」設立へ

一般財団法人、「日本esports促進協会」の設立記念式典の模様をレポート

文化 eSports
2019年5月25日、東京ビッグサイトにて日本初となる国際基準ルールに則った一般財団法人、「日本esports促進協会(JEF)」の設立記念式典が行われました。

同協会はe-Sportsを日本国内に広め、海外の主要な団体と公益性を保証した上で連携し、国際基準の啓蒙、浸透を目標に掲げています。また、国内で行われる関連イベントが国際基準に伴う発展と、日本選手が世界で活躍できるよう成長促進を促す事を目的として掲げています。

当日は協会設立の調印式をはじめ、協会の取り組みや今後の活動に関するプレゼンテーションなどが行われました。


まずは開会のオープニングアクトとして、金峯山寺修験本宗の法螺師である宮下覚詮さんの演奏と「武楽座」源光士郎さんによる「邪気祓い」の祝舞が披露され、荘厳な雰囲気で式典が始まりました。


続いて、協会設立の挨拶として、同協会の理事長である牧村真史氏が登壇。中国、上海などアジアを中心とした各地域のe-Sports団体と連携し、これからの日本、世界のe-Sports業界の発展、推進の一翼を担えれば、と意気込みを表明しました。

また、既に日本国内においてe-Sports業界を盛り上げている「日本e-sports連合(JeSU)」に敬意を表するとした上で、協会としては中国をはじめとした海外のe-Sports団体から国際基準のマニュアルなどのノウハウを活用し、選手育成、審判員、解説者といった多様な人材育成を行うと述べました。

また、将来、オリンピックの正式種目となるに当たって、レギュレーションや環境整備といった課題に取り組む、と語りました。

牧村真史理事長

来賓として内閣府内閣審議官の間宮淑夫氏が登壇。政府ではアニメ、ゲームといった文化をメディア芸術として正式に政策対象としており、e-Sportsも文化の担い手として、人種や言語を超えたコミュニケーションツールとして注目しているとの事です。さらに経済的な観点から見ても、新しい産業として付加価値が生まれ、雇用と、ビジネス活性化の牽引に期待を寄せました。

その上で、協会に期待する事として業界が発展する中で起きる様々な問題に対処し、健全化を図る事。プレイヤー、ウォッチャーを含めたユーザーの保護や、esportsに関する調査、研究、統計データの整備に取り組んで欲しいと述べました。

間宮淑夫氏

続いて、京都造形芸術大学の丹羽貴大氏が登壇。大学としてe-Sportsにアプローチし、世界、アジアの視点から研究、学びの場を提供したいと述べました。また法律的な見地から含めて、どのようにオフィシャル化していくかとして同氏のアドバイザーを務める大津卓滋弁護士も続けて登壇されました。

大津氏は日本の中小企業の技術、発展を進め収入を向上させるための団体、「国連の友SDGs技術人材育成・推進委員会」の委員長を務めており、e-Sportsという新しい分野は委員会の主旨とも合致するとして、大いに支持したいと述べました。

丹羽貴大氏(左)と大津卓滋氏(右)

続いて、具体的な取り組み内容や今後の活動内容について、同協会の副理事長の鴨志田由貴氏が説明を行いました。現状の課題として、まずはe-Sportsという言葉を浸透させる必要があると明言。そのための施策として国内でのスター選手を育成し、経験不足を補うためのメジャーな大会を積極的に行い、海外の協会と連携する事。

さらに、e-Sportsは娯楽ではないと認知させ、選手はゲーマーではなくアスリートであり、スポーツマンシップを持って活動していくという取り組みを行う事。世界レベルの育成ができるコーチや、クラブハウスなど、世界と渡り合えるための環境整備について言及しました。

鴨志田由貴氏


協会の主な活動内容について、国際ネットワーク、公益事業、教育、大会主催、会員の5つを柱とし、特に公益事業では発展途上国における協会設立支援。教育ではe-Sportsに付随する映像、音響、照明、カメラワークなどのイベント中継に関するノウハウの提供。大会主催では世界規模の大会を企画を行うとしました。




また、バックアップのための機関として既にe-Sportsセンターを上海に設立しており、今後は日本館の設置も予定しているとの事です。同施設では日本国内の大会企画、短期集中のブートキャンプ、世界水準のコーチと世界最高峰の設備を用意し、プログラム別の教材、世界チームとの連携を行いながらe-Sports業界に寄与すると述べました。

続いて、協会の取り組みに関する海外関係者からの祝辞と、海外のe-Sportsチームや関係者らの応援コメントが上映され、調印式へ。台湾の国際e-Sports協会代表者、マカオe-Sports産業協会代表者が続けて登壇し、それぞれがサインを行ないました。さらに上海e-Sports協会をはじめとした3つの団体とも既に調印を行なっている事が発表されました。




最後に関係者、有識者一同が登壇し記念撮影が行われ、イベントは終了しました。


アジア大会の参加に向けて


式典終了後には質疑応答が行われましたが、既に「日本e-sports連合(JeSU)」がある中で改めて組織を立ち上げた意味と、今後の多団体との連携についての質問が上がりました。これに対し、牧村理事長は、国際的な理解やレギュレーションなど若手や新人が学ぶ場を作りサポートする事。その上で、他団体や国、地方自治体と連携すると回答しました。

また、協会が設立された経緯について問われると、アジアのe-Sports大会における日本の窓口創設がきっかけとなっており、「日本e-sports連合(JeSU)」との意見交換は行なったものの、スタンスや考え方の違いもあり、団体の新設をする運びになったとの事。関係者同士による個人的なやり取りは別として、団体として正式な交流はないと述べました。

「日本e-sports連合(JeSU)」に関しては、将来的なオリンピック種目採用に向けて乱立する団体が障害になるため、3団体を統一したという経緯があります。今回、新たな団体が誕生し、再び同じ障害と向き合う可能性があります。

これに対し、同協会としてはアジアのe-Sports大会における日本の窓口という当初の目的を中心に「日本e-sports連合(JeSU)」をサポートして行ければと語り、連携に向けて今後もアプローチをしていくと話しました。

改めて登壇した有識者のコメントやプレゼンテーションの内容から、特に環境整備や産学連携による若手、新人選手を中心に関係要員である解説者、審判員などの後方支援の教育にも力を入れているように感じました。しかし、ライセンスの発行や関係団体との連携など、「日本e-sports連合(JeSU)」と活動が重複している部分も見られるため、連携するにあたり互いの活動をどのように切り分けるかが課題と思われます。まずはe-Sportsが正式採用される2022年のアジア競技大会に向けて、どのように連携していくのか、今後の動向に注目です。

《東響希@インサイド》

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