【インタビュー】『LoL』ライアットゲームズ齋藤氏が考える「プロチームを形作る3つの鍵」 | GameBusiness.jp

【インタビュー】『LoL』ライアットゲームズ齋藤氏が考える「プロチームを形作る3つの鍵」

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【インタビュー】『LoL』ライアットゲームズ齋藤氏が考える「プロチームを形作る3つの鍵」
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去る8月26日、『League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)』公式大会決勝戦「LJL 2017 Summer Split Final」が開催され、日本『LoL』プロシーンで強烈な活躍を続けてきた「Rampage」が「DetonatioN FocusMe」を下して優勝を果たしました。そんな国内リーグを巡る興奮も冷めやらぬところですが、9月23日からは世界大会となる「2017 World Championship」がスタート。『LoL』のスタープレイヤーが集うこの大会を心待ちにする方も大勢いらっしゃることでしょう。

そんな中、Game*Sparkはライアットゲームズ日本法人の齋藤亮介ディレクターにインタビューを実施。「2017 Summer Split」から見られた「LJL」の成長や、e-Sportsプレイヤーに求められるプレイングなど、『LoL』の競技シーンに向けた考えを熱く語っていただきました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

■LJL 2017 Summer Splitを終えて

――LJLおよびLJL CSのレギュラーシーズンが終了しましたが、今シーズンを振り返った感想をお聞かせください。

齋藤亮介ディレクター(以下、齋藤D): 夏にかけては、多くのチームがレベルアップしてきたかなと実感しています。今年の初めからスタジオで試合を行うことになった効果がでてきたことや、多くのチームがコーチを充実させてきた、というところもあります。下位チームと上位チームが良い試合を行うこともありましたね。

――たしかに、以前と比べて拮抗するゲームが増えてきたと感じられました。

齋藤D: 結果的に勝つのはもちろん上位チームのほうが多かったのですが、やはりLJL全体のレベルは上がっています。全体的に、戦略と戦術面での成長が試合内容にも現れてきていました。

――以前インタビューさせていただいた際は選手向けのトレーニングセッションについて、「上位チームが更に強化され、下位チームには上位チームほどの影響が見られなかった」とのお話を伺いました。今シーズンの「上位チームの成長」「下位チームの成長」は、齋藤さんにとって具体的にどのような部分から感じられましたか。


齋藤D: 下位チームの成長については、特に「7th heaven(7h)」と「Rascal Jester(RJ)」の伸び方が印象的でした。7hは今シーズンで3位に到達しましたしね。7hもRJもどちらもコーチ面の強化が大きいところで、コーチというのはe-Sportsシーンにとって重要な存在なんだなと感じました。上位チームも、Rift Rivalsを含めた世界大会という舞台で大きく成長してきました。

――ちなみに、各チームの担当コーチはライアットゲームズが紹介したり、間に入って関係性を築いたりしていたのでしょうか。コーチングの具体的な内容なども、把握しているのでしょうか。

齋藤D: 基本的にはチームが行っています。韓国人プレイヤーの紹介を窓口として行ったりはしますけどね。コーチングについても、我々が内容を聞いたりはしませんが、実際のプレイングから感じることは多々あります。

――大学生コミュニティーのサポート(LeagueU)など、公式リーグ外での(いわゆるプロシーンではない) e-Sportsカルチャーへの取り組みも見られていましたが、ライアットゲームズとしてどのようなフィードバックが得られましたか。

齋藤D: 大学生コミュニティーの熱量は「LeagueU」で更に高まり、学生の皆さんも今までになかった経験を得られたようでした。熟練した方から初心者まで、様々なプレイヤーをどのように上手くまとめていくかというのは、プロシーンの運営とはまた違った難しさがありますし、いろいろなチャレンジがありました。

――「LJLで活躍するプレイヤー」と「LeagueUで活躍するプレイヤー」の明確な違いはどのような部分で現れるのでしょうか。

齋藤D: 大学生のプロプレイヤーもいるので年齢的にはあまり変わらないのですが、LJL選手は、週1回は真剣勝負の場に上がるわけですし、長い人は数年にわたってプロを続けているので、そこで大きな違いが見られますね。

――なるほど。やはり試合数を重ねてきたプロ選手は舞台慣れというのもありそうです。

齋藤D: そうですね。厳しい勝負の世界に身を置いていると、勝ち負けに対して強いハングリー精神が芽生えてきます。

■齋藤ディレクターが掲げるチームを形作る「3つのカギ」とは

――『LoL』は、特に競技シーンではチームスポーツとしての色がとても強いですね。そこで、齋藤ディレクターが考える「チームの総合能力」というのは具体的にどのようなものであるか、そしてその能力が高いチームについて、お話を聞かせていただきたいです。


齋藤D: LJLの「チーム力」で言えば、「DetonatioN FocusMe(DFM)」と「Rampage(RPG)」がやはり二強として飛び抜けているとは思います。しかし、両チームともに「チーム力」の形は違いますね。DFMは、視界の確保や相手の位置の予測といった“状況把握力”が強い。そして「Gankをするか、BaronやDragonを獲るか、Towerを折るか」といったような“戦略的選択力”にも長けています。RPGは“状況把握力”と、エンゲージの戦法やGankのルート、そしてハンドスキルに当る“オペレーション実行力”を持っていると思いますね。

――なるほど。LJLの2強チームは、それぞれ違った強さを持っていると。

齋藤D: ええ。「このタイミングでここまで凄い選択をできてしまうんだ」と感じさせてくれるのはDFM。一方でRPGは、戦略的選択としてはミスプレイがままあるのですが、試合の最後にはオーケストラをまとめるような仕上げ方を見せてくれることがありますね。

――DFMとRPGの「チーム力」の違いについて、詳しく聞かせてください。

齋藤D: DFMは、個人レベルの“戦略的選択力”は凄まじいですよね。チームとしての意識統一というのが課題になるかなとは思います。Ceros選手やYutapon選手はある種のファンタジスタ、という感じです。逆に言うと、RPGは例え結果的にミスプレイになったとしても、その点での意識統一はよく出来ていると感じています。

――序盤のレーン戦の立ち回りや集団戦でのスーパープレイを見ると、観戦者としては盛り上がるところがあります。しかし、それだけでは「チーム力」の向上には繋がらないということですね。

齋藤D: そうですね。長い試合の中でチームとしての優位を築き、全体の勝率に繋げる取り組みでは、チーム単位の戦略と状況把握能力がカギになります。そして、その上での意識統一が大事です。超人的な個人技を持っていても崩れる可能性はありますからね。

――LJLの試合を観戦するとき、どういったポイントを観れば「チーム力の向上」の参考になると思いますか。学生コミュニティーや社会人チームなど、LJL以外の競技的プレイヤーの「勉強法」のようなものを教えていただきたいです。


齋藤D: そういった点で言うと、画面上のミニマップのピンを見ると良いと思います。チームメンバーが相手のジャングラーの位置をいかに把握しているか、そしてそのピンにあわせてどう動いているのか、などが参考になるのではないでしょうか。相手の動きに対応したチームの動き、といったものですね。

――以前、配信スタジオ内で実際の試合の様子を拝見しましたが、現場では体育会系の部活顔負けな“声出し”がとても印象的でした。肉体を動かす実際のチームスポーツを思わせますが、やはりすべてのチームが意欲的に取り組んでいたのでしょうか。

齋藤D: 昔からやってきたことではありますが、「何を伝えるべきなのか」というのがより洗練されてきましたね。昔はまったく喋らないプレイヤーもいましたから。チームメンバーの各々のロールが明確になってきて、伝える情報もより深みを増してきたかなと。

――特に韓国人プレイヤーとは言語の壁もあったと思いますが、齋藤さんはチームメンバー同士のコミュニケーションについてどんな印象を持っていますか。試合や練習外での交友など、視聴者からは見えないコミュニケーションも興味深いところです。


齋藤D: 遠征のときなんかは見ますけど、普通の20代って感じですね(笑)。共通の話題で盛り上がっていたり。そっちの国ではこれなんて言うの?とか。この前の「Rift Rivals」なんかでもそうだったのですが、コミュニケーションの中心になる人、というのはいますよね。

■激動のシーズンファイナル、そして「2017 World Championship」

――齋藤ディレクターにとって、今シーズンの決勝戦で特に心に残ったシーンを教えてください。

齋藤D: そうですね。今回のファイナルである意味見どころになったのは、DFM側の特徴が表れたとあるシーンですね。彼らが押していても負けてしまったり、優位を築けていても勝ち切れない。DFMに限った話ではありませんが、アドバンテージを取った瞬間に「○○○をしなきゃいけない」という型にはまってしまうケースがあるんですよね。

――優位を取ったあとの戦略が固まってしまっている、ということでしょうか。

齋藤D: アドバンテージがあるからBaronを獲らなきゃ、Inhibitorを全員で狙わなきゃいけない、といったように敵側にとっての「見え見えの作戦」にこだわってしまいがちです。特にDFMの過去の国際戦では同様に勝てる試合を落とすことが見受けられました。今回の決勝で言えば、RPGのような“オペレーション実行力”に長けたチームを相手に、ゲーム終盤で単純にぶつかり合う集団戦を仕掛けてはいけないんですよね。

――なるほど。

齋藤D: RPGからすれば、DFMの考える「勝利へのルート」は丸見えで、あとは逐一対応していけばいいんですよ。そうして、優位を取っていたDFMがRPGに敗北する、というシーンは印象的に映ってしまいますね。

――最後に、「2017 World Championship」のみどころを教えてください。特に、選手やプロ志向のプレイヤーではないユーザー層にとって「どこを観れば面白いのか」というのをぜひ聞かせていただきたいです。


齋藤D: 世界レベルになると、ひとつひとつの動きに深い駆け引きが生まれてくるんですよね。特にアグレッシブにプレイすることが多い海外チームのレーン戦は見ものです。そういう細かいところで「選手が何をしているのか」を考えながら、ドキドキしながら観るのはとても楽しいと思います。

――たしかに、動きがないように見えるレーン戦でも、ダメージトレードやミニオンウェーブを意識したムーブが込められていますね。

齋藤D: やはりゲーム中盤になってくると盛り上がりがちですが、Baron前の視界の確保や後半ならではの動きというのも観ていただきたいです。プロ選手がどういった意図のもとでチームとしての戦術を選んでいるのかは、観戦しながらでも十分伝わってくるかと思います。

――本日はありがとうございました。
《編集部@Game*Spark》

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